短編小説:「あした、新宿で愛は死ぬ」
iPhoneの縦長の画面をスクロールしながら、指の感覚が麻痺してゆくのを感じた。
胸の真ん中から発した絶対零度の怒りと嫉妬は、体の芯を一瞬にして凍りつかせ、わずかな体温を急激に奪ってゆく。
口の内が急激に乾き、唇がひび割れるような気がした。
体は凍結しているのに、情報を処理する脳だけが忌々しいまでに活性化していて、私の神経は、逃れようの無いちいさな箱のなかへぎゅうぎゅうに詰め込まれてゆく。へたり込みそうな身体をよそに、頭の中の小さなモーターだけがオーバーヒートしながらシューシ