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生理学

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インスリンから見たダイエットの科学

インスリンから見たダイエットの科学

 太るとは、脂肪の蓄積である。
 しかし、筋肉細胞で使用される1日の多くのエネルギー源は、グルコースよりむしろ遊離脂肪酸である。なぜなら、筋線維が特殊な環境にある場合を除き、安静時の筋線維内のグルコース透過性は小さいからである。
 それなのになぜ、人は太るのか。
 先ほど述べた特殊な環境とは以下の二つである。

中等度から高強度の運動時

食後の数時間においてインスリンが大量に分泌されるとき

 

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記憶形成におけるGタンパクの作用

記憶形成におけるGタンパクの作用

記憶の形成において、イオンチャネルによる神経伝達のみでは、反応が短すぎる。セカンドメッセンジャーによる作用は長期的な効果をもたらし、記憶の形成に役立つ。

セカンドメッセンジャーにはいくつかの種類があるが、最もよく見られるのが、Gタンパクである。

不活性時のGタンパクは細胞内を浮遊している。
この時は、α、β、γの3つのサブユニットとGDPを有している

受容体タンパク質にリガンド(ホルモン)が

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神経伝達から筋収縮に至るまで(まとめ) ガイトンアウトプット⑥

神経伝達から筋収縮に至るまで(まとめ) ガイトンアウトプット⑥

神経線維何かの刺激が加わり、神経細胞膜に電位が生じる

電位依存性チャネルが開放し、急激に細胞内へNaイオンが流れる。

細胞膜の電位がある一定の高さまでになると、活動電位が形成される。

神経線維内に電位が広がり、それぞれで活動電位が生じる。

神経終末電位が神経終末に到達。

神経終末のデンスバーと呼ばれる電子密度の高い構造の近くで、カルシウムイオンチャネルが開口

カルシウムイオンが神経終末

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筋収縮と筋肥大 ガイトンアウトプット⑤

筋収縮と筋肥大 ガイトンアウトプット⑤

筋収縮の過程神経からアセチルコリンが放出される

アセチルコリンが筋線維上の特定の細胞膜につく。

アセチルコリン作動性チャネルが開口。

陽イオンが細胞内に流れ込み、電位差が生じる。

電位依存性チャネルが開口し、活動電位が生じる。

活動電位が筋線維膜上を伝導する。

筋線維が脱分極し、筋線維内の小胞体から多量のCaイオンが放出される。

Caイオンはアクチンフィラメントのトロポニンに作用する

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神経伝達 ガイトンアウトプット④

神経伝達 ガイトンアウトプット④

静止膜電位 細胞の電位差は、Naイオン、Kイオン、Caイオンによって作られる。静止電位とは電気的に何も動きのない状態である。このときの細胞内はKイオンが多く、マイナスの電荷を持ち、細胞外はNaイオンが多く、プラスの電荷を持つ状態である。これにより電位差が生まれ、細胞内で-90mVとなっている。

脱分極 何かの刺激が起きると、脱分極と言われる現象が起きる。脱分極とは2つの電"極"に"分"かれた状態

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DNAによるタンパク質合成について ガイトンアウトプット③

DNAによるタンパク質合成について ガイトンアウトプット③

 文章ではわかりづらいことが多々ある為、YouTube内で最もわかりやすい映像を最後に提供する。

DNAとは DNAは核の中にある遺伝子情報で、2本のヒモのような構造物が螺旋状に存在する。このヒモの上には、4種類の塩基が存在し、タンパク質の情報を示すように配列されている。まるでタンパク質のレシピのようだ。

RNAとは RNAはそれを読み取り、タンパク質の合成を行う。
 そのためのRNAは4種類

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細胞内にどう取り込まれてどう合成されるか ガイトンアウトプット②

細胞内にどう取り込まれてどう合成されるか ガイトンアウトプット②

デカ粒子を取り込む 細菌や死んだ細胞は細胞からしたら大きい物質である。それを分解し、細胞内に取り込む過程をファゴサイトーシスという。
 細胞膜の受容体に大きい粒子がくっつくと、それをまるで丸呑みするかのように取り込む。その後アクチンなどの収縮タンパク質により、細胞の中へ中へ押し込まれる。

チビ粒子を取り込む タンパク質など小さいものはピノサイトーシスという過程で取り込まれる。この過程には被膜ピッ

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ガイトン生理学 知らなかったことまとめ①

ガイトン生理学 知らなかったことまとめ①

ガイトン生理学を読み始めた。
今回から、ガイトン生理学を読んで知らなかった知識をまとめていこうと思う。
この目的は、自らの学習をアウトプットし、学習効果を高めることにある。

今回は、第1部(細胞と生理学概論)の身体の調整系、細胞の構成と機能。その辺りを見ていく。

死をもたらさない限界値ヒトには恒常性という、体内を一定の状態に保つ機能が備わっている。
それを脅かされたとき、病気になる。死に至ると

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