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記憶形成におけるGタンパクの作用

記憶の形成において、イオンチャネルによる神経伝達のみでは、反応が短すぎる。セカンドメッセンジャーによる作用は長期的な効果をもたらし、記憶の形成に役立つ。

セカンドメッセンジャーにはいくつかの種類があるが、最もよく見られるのが、Gタンパクである。

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Gタンパクの細胞内での働き
  1. 不活性時のGタンパクは細胞内を浮遊している。
    この時は、α、β、γの3つのサブユニットとGDPを有している

  2. 受容体タンパク質にリガンド(ホルモン)が付着すると、Gタンパクは受容体タンパクと結合する。

  3. 持っていたGDPを離し、GTPと結合すると同時に、β、γサブユニットを離す

  4. この状態のαサブユニットとGTPは自由に細胞内を動き回り、様々な作用を及ぼす。

    • シナプス後ニューロンの細胞膜にある特定のイオンチャネルを開く。
      この時、セカンドメッセンジャーによらないイオンチャネルよりも長時間開く

    • ニューロンの中のcAMPもしくはcGMPを活性化
      cAMPやcGMPはニューロンの特定の代謝経路を活性化する。例えば細胞の構造を長期的に変えることにより、ニューロンの興奮性を長期的に変化させる。

    • 何らかの細胞内酵素の活性化

    • 遺伝子転写活性
      細胞の構造や代謝を変化させ、長期記憶の形成に関与する。

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