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初めて暮らす土地で一生懸命に活動をしている協力隊。時には悩んだり、考えたりすることもあります。そんなとき地域の人や役場の方からの言葉は、隊員にとって見方を変える機会にもなったり、励みにもなります。
27期協力隊の「心に響いた言葉」を紹介します。

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『頑張りすぎず少しずつやって何かが得られれば良い、楽しいことをやろう』

活動が始まった5月ころ、「頑張らないと!」と、ややプレッシャーを感じながら活動をしていたとき、地域の方から「頑張りすぎず少しずつやって何かが得られれば良い、楽しいことをやろう」と声をかけていただきました。

その言葉で、慣れない地域・慣れない活動で自分がかなりプレッシャーを感じていたことを自覚することができました。

同時に、またまだ地域に入ったばかりで出会ったばかりの自分を気にかけてくれたことに嬉しさを感じました。


『少しくらい頭を打たれたくらいで、気にせんでええ』

これは、協力隊として着任したときの歓迎会で、地域の方が話してくださった言葉です。

私はこれまで人の顔色を見ては、態度を変え、小さな失敗も引きずってしまいがちな性格でしたが、この言葉をいただいた時、失敗するからこそ楽しいんだと思い直すことができました。

人間、すべてを完璧にこなすことは難しいです。

料理も、農業も、人生も、その試行錯誤を繰り返す過程が面白いのだと思いました。


『肥料なんていらないんだよ』

有機農家を20年されている方の言葉です。
私は村に来て初めて無肥料無農薬の自然栽培の存在を知りました。

「肥料は窒素分を多く含む、虫は窒素を好むからその作物に集まってくる、人間はそれに殺虫剤をかけるんだよ」

現在主流の農業とは逆行する考え方かもしれませんが、何百年先にも持続可能な世界をつなぐという前提に立てば、非常に大切な視点だと感じました。

この農家さんの話が、今まで自分が食べてきた野菜や食品を見直すきっかけになりました。


『今、就職活動大変だろう。休学して村に来て運が良かったな。大正解だよ』

着任したばかりの春ごろ、村の方から言われたのは「今、就職活動大変だろう。休学して村に来て運が良かったな。大正解だよ」という言葉。

これを聞いたとき、コロナは捉え方次第で不幸なことばかりではないということを教えてくれたと思いました。

物事は、心が全部決めているんだと実感しました。

それからの活動の中で、私は「良いところ」を意識してみることを心がけるようにしました。時にはネガティブな部分が見えてしまうこともありますが、そんなときも感謝の気持ちを忘れないようにしています。

これは協力隊として活動しているから、というのもあるかもしれませんが、コロナが人間としての在り方を教えてくれたのかもしれません。


『何があっても味方だからね』

心に響いた言葉は、「何があっても味方だからね」と言ってくださった地域の方の言葉です。

暮らしていく中で、トラブルにあったり悩んだりすることがたくさんありました。でもそんな時、家族のように時に温かく、時に厳しく親身に接してくださる地域の方がたくさんいて本当にありがたかったです。

この言葉をかけてもらったからこそ安心して色んなことに挑戦できるし、今まで遠慮して言えなかったことも徐々に言えるようになってきました。


『悩め!悩め!』

これは、受入団体の代表の方から頂いた言葉です。
協力隊の任期終了後の来年4月からの進路のことや地域住民との接し方など、自分の中で考え込んでしまう時期がありました。そんな気持ちを誰かに聞いてほしくて相談した時に、「悩め、悩め!」と言っていただきました。

「簡単に答えなんか見つからない。悩むことが大事だと思うよ」と。

今は少しずつ自分のやりたいことも見つかってきたし、不安になることがあっても「大丈夫、なんとかなる」と気持ちを強く持つことができるようになったと思います。

それは、あの時「悩め、悩め」という言葉をかけていただいたからです。


『好きな事をしているのだから、仕事に行きたくないと思ったことは一度もない』

活動先のミニトマト農家さんから「好きな事をしているのだから、仕事に行きたくないと思ったことは一度もない」という言葉を聞いた時、私にとっては結構な衝撃でした。

仕事を嫌いと思ったことはなくても、休み明けや、飲んだ次の日は、仕事に行くのが面倒だなと思ってしまうのは仕方のないことだと考えていました。

しかし、この言葉を聞いて本当に好きな事なら、それすら感じないのかと気づきました。
この1年、いろいろな経験をしていく中で「好き」という気持ちを大切にして、今後の人生につなげられる何かを見つけたいなと感じました。


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1年という時間のなかで、時には悩んだり、考え込むこむこともある協力隊。そんな彼らを常に温かく見守ってもらっている地域の方からの言葉は、隊員たちの視点を変えるきっかけになったり、原動力にもなり、癒しにもなります。

心に響いた言葉は、隊員たちの一生の財産になります。



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