iPadを普通に使うと自由時間が奪われる。iPadにKindleを入れない。iPad歴10年でわかったこと。
そして、対策として「コアタイム(オフライン)を導入する」を書きました。
作業効率を上げるために、さらに考えないといけないことがあります。
iPad(タブレット)のようなガジェットの宿命として、所有することで資本主義経済の荒波にさらされてしまいます。
どういうことか。
iPadを普通に使うと、自由時間を奪われます。自分では自由に使っているつもりでも、その自由は「与えられた自由」です。
代表的な"時間どろぼう"さんは、Kindle unlimited
※ もちろんSNSや動画サービスは資本主義経済の権化ですよ。以下の文はSNSや動画サービスでもほぼあてはまります。
Kindle unlimitedは、たまに2ヶ月99円と格安でサブスクできたりします。
最近では、光文社古典新訳文庫や岩波文庫の書籍もKindle unlimitedに登録されています。
Kindle unlimitedはCMです。
光文社古典新訳文庫や岩波文庫の出版社は、Kindle unlimitedで読み切れる、つまり(電子もしくは紙)書籍を購入せずにKindle unlimitedで済ませられる訳がない、と考えています。
これら出版社の書籍を、しっかり読もうとした場合、(電子もしくは紙)書籍を購入せざるをえない。Kindle unlimitedでは立ち読み感覚で利用してもらい、このうちの数%が新規読者層となって購入する、と見込んでいます。
アマゾンでは、「Kindle unlimitedに登録した際、関連する(電子もしくは紙)書籍との相関売上のデータ」を持っているはずです。
※ アマゾンのデータ分析部隊は、MITやStanford Univの博士号レベルです。日本であっても本部(アメリカ)で解析しているでしょう。
このデータを元に、各出版社へのKindle unlimitedへの登録を斡旋していると判断できます。
そもそもKindle unlimitedでは本を探しにくい。
使うと探しにくい、と分かるハズです。これはわざと探しにくい仕組みにしています。
Kindle unlimitedは、その参入しやすさから、個人出版の書籍も多く登録されています。
したがって、ユーザに膨大な登録書籍に目移りしてもらうよう、検索結果を操作しています。
わたしは、以前このような商品検索システムを作っていました。検索結果にレコメンド商品を入れ込むなんて簡単です。売上を上げたければ、開発元(アマゾン)は必ず導入します。
「レコメンド商品なんか見ないよ」という人であっても、Kindleの検索画面は探しにくさは変わりません。
Kindle unlimitedで本を探すと、10分を簡単に消費してしまいます。
Kindle unlimitedを登録するだけで、「自由時間」が奪われます。
「探しにくい」はSNSや動画サービスでも同じ
登録されているコンテンツが膨大なサービスは、そのサービスの特性として膨大なコンテンツをユーザに見てもらわないといけません。
ユーザが見たいものだけを一直線状に並べてしまうと、その視聴傾向にゆらぎがでません。ユーザ固有の傾向から少しズレたコンテンツを数%の交じるように細工します。
「少し興味ある」が混じってしまうと、その誘惑を切るために、脳力を消費してしまいます。
余暇で、時間があり余っているなら、それもいいでしょう。
でも、あなたはiPad(タブレット)を手にして、すべきことがありましたよね?
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引用した
は、2010年出版。2010年といえば、iPad発売され、iPhone4のリリース、スマホ創世記のころです。
それでも、この本では、いま2023年にも通用する、デジタル化(常にオンライン)社会の生き方を提供しています。
本の執筆は、中高生向けの課外授業がきっかけとのことです。課外授業へ参加する条件は、エンデ『モモ』を読んでくること。ご存知のとおりに、『モモ』は"時間どろぼう"のお話です。
現代の"時間どろぼう"は、長すぎる労働時間ではなく、余暇である。これは、
でも取り上げられています。1970年に出版されたけれど、ボードリヤールが指摘する"消費の有り様"は、現代でまさに適合します。
大人版 エンデ『モモ』として『消費社会の神話と構造』と読むことができます。
エンデ『モモ』は書籍で買い、『消費社会の神話と構造』も本で買う。
そして、iPadでこれらを読むのはおすすめしません。
いつまでたっても、読み終えられません。
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