iPadを普通に使うと自由時間が奪われる。iPadにKindleを入れない。iPad歴10年でわかったこと。

そして、対策として「コアタイム(オフライン)を導入する」を書きました。

作業効率を上げるために、さらに考えないといけないことがあります。

iPad(タブレット)のようなガジェットの宿命として、所有することで資本主義経済の荒波にさらされてしまいます

どういうことか。

じゃあ、さらに進んだ二〇世紀のアメリカ型資本主義は、人びとからいったいどんな時間を奪っているんだろうか。アメリカ型資本主義は、労働者を消費者にすることによって成り立っている。だから新しい資本主義の奪うものは、労働時間ではなくて、それが終わってからの「自由時間」のほうなんだ。

石田英敬『自分と未来をつくる方法』岩波ジュニア新書,2010

iPadを普通に使うと、自由時間を奪われます。自分では自由に使っているつもりでも、その自由は「与えられた自由」です。

代表的な"時間どろぼう"さんは、Kindle unlimited

※ もちろんSNSや動画サービスは資本主義経済の権化ごんげですよ。以下の文はSNSや動画サービスでもほぼあてはまります。

Kindle unlimitedは、たまに2ヶ月99円と格安でサブスクできたりします。

最近では、光文社古典新訳文庫や岩波文庫の書籍もKindle unlimitedに登録されています。

Kindle unlimitedはCMです。

光文社古典新訳文庫や岩波文庫の出版社は、Kindle unlimitedで読み切れる、つまり(電子もしくは紙)書籍を購入せずにKindle unlimitedで済ませられる訳がない、と考えています。

これら出版社の書籍を、しっかり読もうとした場合、(電子もしくは紙)書籍を購入せざるをえない。Kindle unlimitedでは立ち読み感覚で利用してもらい、このうちの数%が新規読者層となって購入する、と見込んでいます。

アマゾンでは、「Kindle unlimitedに登録した際、関連する(電子もしくは紙)書籍との相関売上のデータ」を持っているはずです。
※ アマゾンのデータ分析部隊は、MITやStanford Univの博士号レベルです。日本であっても本部(アメリカ)で解析しているでしょう。

このデータを元に、各出版社へのKindle unlimitedへの登録を斡旋していると判断できます。

そもそもKindle unlimitedでは本を探しにくい。

使うと探しにくい、と分かるハズですこれはわざと探しにくい仕組みにしています。

Kindle unlimitedは、その参入しやすさから、個人出版の書籍も多く登録されています。

したがって、ユーザに膨大な登録書籍に目移りしてもらうよう、検索結果を操作しています。

わたしは、以前このような商品検索システムを作っていました。検索結果にレコメンド商品を入れ込むなんて簡単です。売上を上げたければ、開発元(アマゾン)は必ず導入します。

「レコメンド商品なんか見ないよ」という人であっても、Kindleの検索画面は探しにくさは変わりません。

Kindle unlimitedで本を探すと、10分を簡単に消費してしまいます。

Kindle unlimitedを登録するだけで、「自由時間」が奪われます。

「探しにくい」はSNSや動画サービスでも同じ

登録されているコンテンツが膨大なサービスは、そのサービスの特性として膨大なコンテンツをユーザに見てもらわないといけません。

ユーザが見たいものだけを一直線状に並べてしまうと、その視聴傾向にゆらぎがでません。ユーザ固有の傾向から少しズレたコンテンツを数%の交じるように細工します。

でもコンピュータのなかにいる君たちの本当の「アバター」は、実はそんなキャラクターの姿をしていないんだよ。いちばんわかりやすい例は、リコメンデーション・システム recommendation system というものだ。
(略)
こうやってネット上に存在しているそれぞれのプロファイリングデータが、君たちの本当の「アバター」なんです。ゲームのなかのアバターももちろん君のアバターの一部だけど、それ以外のところでも、サーバーには君の情報が蓄えられていて、君というアバターは着々と作られているんです。

石田英敬『自分と未来をつくる方法』岩波ジュニア新書,2010

「少し興味ある」が混じってしまうと、その誘惑を切るために、脳力を消費してしまいます。

余暇で、時間があり余っているなら、それもいいでしょう。

でも、あなたはiPad(タブレット)を手にして、すべきことがありましたよね?

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引用した

は、2010年出版。2010年といえば、iPad発売され、iPhone4のリリース、スマホ創世記のころです。

それでも、この本では、いま2023年にも通用する、デジタル化(常にオンライン)社会の生き方を提供しています。

本の執筆は、中高生向けの課外授業がきっかけとのことです。課外授業へ参加する条件は、エンデ『モモ』を読んでくること。ご存知のとおりに、『モモ』は"時間どろぼう"のお話です。

現代の"時間どろぼう"は、長すぎる労働時間ではなく、余暇である。これは、

でも取り上げられています。1970年に出版されたけれど、ボードリヤールが指摘する"消費の有り様"は、現代でまさに適合します。

大人版 エンデ『モモ』として『消費社会の神話と構造』と読むことができます。

時間は、交換価値の法則に従う稀少かつ貴重な商品である。このことは売買の対象となる労働時間についてはすぐにわかるのだが、自由時間でさえもされるためには直接的・間接的に購買の対象とならざるをえない自体が生じている。

ジャン ボードリヤール『消費社会の神話と構造』

エンデ『モモ』は書籍で買い、『消費社会の神話と構造』も本で買う。

そして、iPadでこれらを読むのはおすすめしません。

いつまでたっても、読み終えられません。

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