JR福知山線脱線事故から16年、JR西日本の安全対策はどうなるのか
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運転士を含む死者107人、負傷者562人を出した2005年の福知山線脱線事故から今日で16年を迎えます。
「事故を心に刻み、風化させない」とするJR西日本は昨今かつてない経営危機に見舞われていますが、どんな現状なのでしょうか。
福知山線脱線事故の運転士心理はこちらをどうぞ⬇️
そんなJR西日本、ネット調べによると乗車人員は緩やかな回復傾向にあったというが、大阪圏の感染急拡大で、また減少へと転じ収益が落ち込んでいるそう。これはJR東日本やJR東海も同じなのですが、JR東日本の場合はやはり首都圏をカバーするので乗車人員が桁違いです。JR東海は東海道新幹線を保有するなど環境が違います。
JR西日本も山陽新幹線や京阪都市部での稼ぎがありますが、ローカル線も多く人手が必要になっているという面もあり、そちらが足を引っ張る形になるのです。
我々鉄道ファンとしては興味深い、いわゆるローカル線が経営にダメージを与えているのが現実です。
人口減少で将来の鉄道業界は厳しくなることは予想されていましたが、20年、30年後の世界が突然現実になってきたという状況です。
JR西日本は仕事が減った分、一時帰休を実施しています。これはまだ他社では見られないので、危機的状況なのは明らかでしょう。今月21日には、グループ外の企業へ社員出向させることを決めた事もニュースになりました。何と鉄道運転士も対象だというので驚きました。
鉄道運転士は実際はあまりお客様と接点が無いものですから、接客などは苦労するのではと思います。そして出向する方も、まさか運転士の仕事を離れるとは想像もしないでしょう。
この先鉄道という公共交通機関はどうなるのでしょうか。思い出されるのは国鉄民営化の頃です。
私はまだ小さかったので、当時の詳しい雰囲気はわからないのですが、あの時もなりふり構わず職員を様々な場所へ転職、出向させ、希望退職を募りました。
駅構内の売店や飲食店にベテラン運転士が立っている、そんな光景もあったようです。
職場内の雰囲気も異様だったと聞いています。
運転士という仕事などは好きでやってる人も多く、その立場を追われるのは何とも言えないでしょう。
さらに所属労働組合などの関係か、意を唱えた事が原因かは定かでありませんが、多くの職員がJRに不採用となる事態も発生したのです。
行き場がなくなって、国鉄清算事業団という組織に送られるわけですが、その後運転士達はどの様な人生を歩んだのでしょう。JRは国鉄清算事業団とは別組織であり、旧国鉄職員を雇用する義務はないという姿勢を続けていました。
これによって何が懸念されるか、それは技術継承に問題があることです。技術や経験の低下や、何かが起きた際に適切な対応をできないなどの問題が発生するのです。
これでは安全対策を検討する空気ではありません。
JR西日本、いや日本の鉄道業界はまたこういった道に進むのでしょうか。
福知山線事故現場での慰霊式は、感染対策を施して実施される予定でしたが、直前に大阪府も緊急事態宣言が発令される事態となり2年連続で中止が決まりました。
重大事故を二度と起こさない、安全最優先の企業に生まれ変わるといった、その言葉を実現できるのか。今注目するべきかもしれません。
JR西日本というと、2017年には台車に亀裂が入ったまま新幹線を走らせるなど重大インシデントも発生しています。経営が厳しいのは事実なのでしょうが、安全への設備投資だけでなく、制度や社内の体制、乗務員教育などの面でも安全向上への取り組みはまだまだあるはずです。運転士という職責を改めて理解させる事も必要ですし、安全文化は簡単には作れませんので継続が大切です。
経営悪化=安全度の低下ではいけません。
JR福知山線事故を風化させる事なく、事故から得た教訓を確認し続ける姿勢が必要となるのでしょう。それがお亡くなりになられた方への、せめてもの姿勢でありましょう。
何故事故が起きたかはこちらをどうぞ。
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