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苦しみからは逃れられるのか?

未だに続く苦しみ

もうあの時から5年以上経とうとしているのに、未だに悪夢をみます。あの時とは、命を絶とうと、失踪した日。かろうじて踏みとどまることが出来たのか、人に見つけられたのが先だったのかは、あまり覚えていません。

多分、3日くらい彷徨ったのだろうと思います。その時の記憶は、その時の感情と共に、自分の中の奥深いところに、封印してしまいました。同時に笑うことも上を向くことも出来なくなり、動くこともままならなくなりました。

それから僕は、重度のうつ病と診断され、長い間入院することになりました。命を絶とうと失踪したことは同時に、一度にたくさんのものを捨てたことを意味しました。その責任を問う追求は凄まじいものがあり、ボロボロの精神状態では、自分を保つことは出来ませんでした。家族からは、どうして家族を捨てたのか?会社からは、もう同じ業界では立つことさえも許さないと言われた挙句に、逃げた時に会社に損害を出したと多額の金額を請求されました。社会からは、薬物やアルコール中毒の方たちと同じ病棟に入れられ、同じ扱いをされるのでした。その時の苦しみは、どうあがいても抱えきれないものでした。

その時から、僕はぐっすりと眠ろうとすると、いつも、苦しかった僕の頃に戻って、過去にあったこの嫌な体験を夢の中で何度も繰り返すのです。時には寝ることが怖いと思うくらいです。決して心も体もポジティブな時には起こりません。少し隙があると言いうのか、少し気持ちや体が弱ってしまっている時に起きるものでした。いつも、何かから追われている感覚です。

そう思うと、苦しみというもからは、もう解放されることは出来ないのかと、悲しくなってしまいます。

環境が変えてくれた

僕自身がポジティブな生き方を目指すのも、前向きな自分に生まれ変わりたいのも、全部、この苦しみから解放されたいと、苦しみを消すためなのです。しかし、ひとえになかなか上手くはいきません。苦しみは消えないのかもしれません。

悪夢を見た次の日は、どうしたものか、当時の自分に舞い戻ってしまいます。人の話声が、自分の悪口を言っているように思えます。人の目線が、自分を馬鹿にしているように思えます。他人の行動が、僕を否定しているように感じるのです。そうして、他人との接することが嫌に感じるので、僕は、また引きこもることもあるのです。

しかし先日に、自分を変えたければ、行動しろと言ってしまった手前、僕自身、これまで通りに引きこもるわけにはいかず、このタイミングで地域のお祭りが開催されていたので、思い切って行ってみたのでした。

お祭りに行ってみると、活気あるエネルギーに圧倒されました。あの、みんなが楽しもうとして、集まっているもの。そのエネルギーの中にいると、僕自身もワクワクする気持ちになれたのです。

冷静に考えればおかしなものです。生き物を買っていないなら、明かに困ってしまうのに、そんなことも関係なしにやってしまう金魚すくい。普段は絶対に買わないオモチャやお菓子なのに、それ欲しさに高いお金を払ってまでやっている射的やゲーム。中盤になると氷がなくなって、ぬるくなってしまった、ビールやジュースに、お祭りでしか飲まないラムネ。お店で食べる方が、明かにクオリティーの高い料理。昨日は、焼き鳥が一本千円のお店もありました。#牛さがり。しかし、あのイカ焼きの匂いはお祭りを連想させるものであり、匂いだけで気持ちが盛り上げてくれまます。かき氷を買いましたが、写真に撮れないほどしょんぼりしていましたが、とても美味しく感じたのでした。

普段なら、一日中、部屋に閉じこもって、苦しむところを、笑顔で過ごすことが出来たのでした。

今、分析してみると、あの凄い前向きな環境の中に、自分を投じることが出来たからこそ、悪夢に怯えた自分や弱気な自分を励ますことが出来たのです。

苦しみは手放せないかもしれないけど

自分だけが、特別だなんて思っていません。誰もが苦しみを抱えて生きているものだと思います。そんな人生の中でいかに楽しいとかワクワクする時間を増やしてすごしていくことが、どれだけ大切で豊かな人生と言えるのならば、昨日感じたことは、いかに環境が大事であると言えることでした。

もしかすると、苦しみからは逃れられないと悟った先人たちが、人々に活気と笑顔をもたらすために、お祭りが生まれたのものかもしれません。

この経験は、自分が今、身を置いている環境はどんなものだろうかと見つめ直すきっかけにもなりまました。そしてその環境は、僕自らがそうであるように意識して、作っていかないといけないと感じさせられたのでした。この場所を誰もが明るく前向きになれる場所にしたいと決意できたのです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー


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