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尊敬の眼差しを意識する

敬う心を失った?

自尊心・・・自分の人格を大切にし、品格を保とうとする気持ち。また、自分の考え方や言動をすぐれたものと思い、尊大に構える態度。プライド。
広辞苑より

僕には、自尊心などといったものは、持ち合わせていないように思っていました。こうして、改めて意味を調べてみると、僕は自尊心は、かなり高いのではないかと感じました。

冷静に考えてみれば、自尊心は高ければ良いというものではない気がします。逆に、自尊心が高ければ高いほど、生きづらく、苦しいものになるのではないでしょうか。決して、同じではないのかも知れないけれど、プライドが高い人間は、人生を思うように進めることが出来ないからです。

僕は大きな挫折を経験した時に、夢も仕事も家族も家も財産も、何もかも失ってしまいました。その時に、プライドも一緒に捨ててきたつもりでした。しかし僕は、そうやって自分を底辺に扱うくせに、人に馬鹿にされると、すぐに湧き上がるほどの怒りを感じるからです。正直に言えば、指摘をされただけなのに、何だか貶されていると感じイライラすることもあります。

そうなってしまうことは、心の奥のどこかに、意地っ張りな自分がいるということです。それが、プライドを高く持っていて、自分のダメな部分をいまだに認めたくないと抵抗しているのではないかと思うのです。

言い換えると、人を信用できなくなってしまっているというか、いつの間にか、他人を敬う心を失ってしまったように感じるのです。

その背景には、思い返してみると、子どもの頃から、大人たちに虐げられてきた経験や、大人になってから会社で先輩や同僚から酷いいじめにあったという経験があったからだと思います。どんなことをされても絶対の服従を求められてきたのです。そうした人たちは、信用できないし、敬うどころか、反感と憎しみを強く抱いてしまう人でしかなかったからです。

尊敬の心得

しかし、そうではないと知ることが出来たのは、今、共に働いてくれているスタッフの皆達です。そのほとんどが、僕の母よりも歳を重ねた方たちです。みんなそれぞれ生き方も様々で経験してきたことも違います。そこには、言いようのない、苦しみや悲しみを乗り越えてきたのだと推測も出来ます。

それなのに決して上から目線ではなく、自分たちの息子よりも年下で他人の僕に対して、あたたかい目で見守ってくれるのです。時には、揉めることもありますが、彼女たちは確かに敬う心を持っています。僕はそう感じるのです。

そうして日々学んでいることは、僕は残念ながら、尊敬することの意味を間違っていたのだということ。よほど魅力を感じた人しか尊敬できないと思っているのです。成功を収めている人。特別な能力を持つ人、自分には出来ないような逆境を乗り越えた人、自分のことを後回しにして、人の為に尽くせる人。そうした人だけを敬うものだと思い込んでいたのです。

そうではないのです。どんな人であってもかけがえのない存在なのです。仏教でも、同じような教えがたくさんありました。例え、凡人であっても、尊い命が宿っていて、その命に対して尊敬心を持って接しなさい。それが、結果的に、自分の幸せになるでしょうというものでした。

世界が変わる

こうした学びを経て、僕は少しずつ、過去の自分を癒すことが出来たのかもしれません。虐げられたり、いじめられたことに対して、自分を解放することは出来てはいません。未だにトラウマのようなものは残っているし、深い傷はしっかりと残っています。しかし、そんな人たちも、尊い命であることは理解できるようになりました。それは、もう過去のことだとして、今、自分の周りにいてくれる存在は、せめて敬いの心で接していこうと心に決めたのです。

それは、簡単なことではありませんでした。よほどのことがない限り、目上の方だけでなく、どんな方でも尊重しようと努めているつもりです。でも、まだまだ、自分のプライドが上回ってしまうときもあるし、調子に乗って、うぬぼれる時もあるのです。人は優柔不断なのかもしれません。僕が弱いだけなのかもしれないし、決意が甘いのかもしれません。自分の中では、いったりきたりしているように感じます。

でも、それでもいいんです。敬う心を目指すだけで、たくさんの感謝に出会うことが出来たのです。人間関係はとても複雑だと思うのです。どんな関係であっても、同じなものはなにひとつありません。豊かな基盤であるためには、敬いと感謝の気持ちが大切であると思います。

だからこそ、自らが先に敬う心を持って、人間関係に望むことは、自らの自尊心を控えめにもしてくれるものになるはずです。自分との関係も丁度良き関係を築くものになるのです。

敬いの心は、感謝を感じやすくさせてくれます。人間関係を豊かにしてくれます。自分の心を穏やかにしてくれます。

つまり、幸せに繋がっているのです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー


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