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人と比較しないために

比較は心を貧しくさせる

僕は、幼い頃から、人と比較をするようになってしまいました。それは、4つ下の弟との比較でした。何もかも、要領が飲み込めなかった僕は、いつも母に叱られてばかりでした。その一方で、いつも叱られていた兄の姿を見ていた弟は、実に、要領よく物事をこなしていくのでした。いつも褒められていた弟に嫉妬していた僕は、自分も褒められたいという気持ちから、弟にライバル心を持つようになっていました。思い出すだけでも、よく比較をしていたもんだと感じます。

しかし、誰かと比較する癖は、大人になっても直ることは出来ずにいました。むしろ、加速するかのように、他人との比較に執着していったのでした。それは、人との比較の中でしか、自分を認めることが出来なかったからです。

誰かより信頼がある自分。誰かより仕事が出来る自分。誰かよりも裕福な自分。そうやって、誰かより優れている自分でないと、認めることができなのでした。しかし、それっていつも誰かを見下しながら生きていたんです。心は貧しくなるばかりでした。優越感なんてすぐに消えてしまい、虚しさばかりが、僕を埋め尽くすのでした。

そうなってしまうと、比較しても、自分のダメな部分ばかりが目立つようになったのです。自分を満たすことが、一切できなくなっていくのでした。どんなに比較しても、相手の方が優秀であるように思えたのです。

自分には、あれも足りない。これも足りない。心の貧しさが行き着く先は、人間関係の問題となって、僕を苦しめるようになっていったのです。それは、とても辛いものでした。

こうした経験から、僕はどうすれば他人との比較を止められたのかを考えてみたのです。

自分に寛容でいよう

自分の弱いところも含めて自分なんだって。そう受け入れることが出来るようになることで、他人に対しても受け入れることが出来る。これは、確かな人間関係の解決策です。

人間関係の問題は、自分と自分との関係が大きく影響するものだからです。

例えば、僕は優秀でなければいけない。何かしらで成功しないといけない。そう思い込んでいたんです。しかし、幾度となく挫折していくうちに、自分には才能がないことを知りました。そのことに、強いショックを受けた僕は、投げやりになってしまいました。いつまでもうじうじして、何もしなくなっていたのでした。どうしても、僕はそれを受け入れることが出来なかったのでした。

そうすると、どうなっていたのか。僕と同じように、挫折や失敗して落ち込んで、くよくよしている人を見かけると、イライラしたり、いつもよりも、強い口調や態度で接するようになっていたのでした。

自分を受け入れられないところは、同じように他人の許せないところに反映させられるのです。似たような経験は誰もが感じるものではないでしょうか。

豊かな人間関係を築きあげる為にも、自分に対して寛容でいないといけません。それが、他人にも寛容になることが出来るからだということなのです。

人と比較しなくなるために

自分に寛容になれるということは、自分のあるがままに受け入れることが出来ているということなので、心は満たされ、誰かと比較する必要はなくなるものではないでしょうか。

逆に、自分に寛容になれていないことは、心が未熟であることを意味します。それがダメだということではありません。ただ、未熟なために、心の満たし方を、強引に満たそうとしたり、誤魔化そうとしたりするものなのです。

その一つが、他人との比較により、優越感を得ることです。人よより優れていたい。あの人より認められたい。あの人より裕福でありたい。こうした優越感にしがみつき、自身を満たそうとするのです。

しかし、そのことによって、否定され傷つく人物がいます。それは、自分自身です。他人との比較に終わりはありません。次々と比べる対象は増えていきます。つまり、優越感にしがみつけば、しがみつくほど、他人より優越であろうとしてしまうために、このままの自分では、ダメだ。と判断してしまうのです。もっと、人一倍努力しないといけないと駆り立てられるようになってしまうのです。人より優秀な自分こそ本当の自分なんだと、自分を自分のなかで、区別してしまうのです。

つまり、自分に寛容であることが、他人と比較しないためのカギとなるのです。

自分らしくいきること

自分らしく生きるということは、つまり、他人に左右されることなく、自分で決断していくことであります。それは、他人との比較をしないがことが、絶対条件であるような気がします。

例えば、友達が、この映画面白いよね。と言われた時に、自分はちっともそう思わなくても、相手に合わせてしまう。こういったことは、自分と相手の違いを受け入れることが出来ないために、とってしまう行動なのです。違う意見を言えば、否定されるかもしれません。そう心のどこかで不安になるので、人に合わせてしまうものです。

こうしたことも、見えにくいことですが、他人と自分を比較しているのです。人の意見に左右される。人の意見でしか、決められない。自分の気持ちに素直になれない。正直な気持を伝えられない。つまり、自分らしく生きられないことは、自分を受け入れていないことによる、他人との比較が原因となってしまうのです。

自分に寛容になることで、自分を受け入れることが出来るのです。それは、自分と自分との関係を良好にするものであり、それが、豊かな人間関係の基盤となるものであるのです。

ですので、もう少し、自分に厳しくしないで、優しく接してあげることが、僕らには必要だと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー


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