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変わらない部分もあるけれど

変わってないねって言われるけれど

学生時代、僕はよく学校をさぼっていたのですが、すぐにばれては奉仕作業として、いつも構内の掃除を一人残ってさせられていました。出された宿題の提出率は、どうしたものか、ある日髪の毛を染めて、あからさまにぐれてしまった同級生よりも悪かったのです。どうしようもなくやる気になれなかったのでした。

いつも一人残って掃除をしていると、先生がため息をついては、「お前は、どうしていつまでも変われないんだ。」と、嘆いていたのを、すいませんと頭を下げるばかりでした。思い返せば、母親からも、同じことをなんども言われていた気がします。

同級生に久しぶりの再会した時でさえ、話しているうちに「お前はいつまで経っても変わらないな。」と、羨ましそうに言ってくるのです。そんなことないよって、少しムッとして返すと、決してけなしている訳ではないよ、むしろ褒めているんだよって言うんです。学生の時から変わらないって、どれだけ成長してないんだって、絶対に褒め言葉ではないでしょって、頭の中では突っ込んでいました。

そんなもんだから、「変わらない」という言葉に、僕は敏感に反応してしまうのです。

この前、会社を経営している方をお話しさせて頂いた時に、ここだけの話、どんなに熱量を持って接しても部下が変わってくれないと悩んでいました。更に、とある方が、夫婦関係の悩みで、旦那がいつまで経っても変わらないと相談を受けたのです。

そんな時は、人を変えることは出来ない。変えることが出来るのは自分自身しかないんだということを、伝えています。

ですが、僕の心の内はちょっと違うのです。確かに、それは捉え方のひとつであり、自分を軸としての視点であります。とはいえ、いつまでも変わらないのねって思われている立場を僕はよく理解出来るので、正直なところ、変わらない人間はいない。そう思っているのです。

人は毎日変化している

子どもの頃、気が付くと背が伸びていたものです。今、背が伸びているなって実感したことは、一度もないはずです。人の成長というのは、身長の変化と同じで、変化に気づきにくいものだということ。あるいは、その変化が目には見えないほど遅いのかということです。

いつも一緒にいる自分ですら気づきにくいものだから、他人がそれを知る由はないのです。「あなたはいつまで経っても変わらないね」っていうのは、その人の成長を想像できないからで、変わらない部分を探して見つけているだけなのです。

人は誰もが一日を生きれば、心身共に日々変化しているのです。その日起きた出来事や出会う人たち、その日経験したこと全てに影響を受けて、昨日とは、ほんの少しだけ違った自分になっているのです。これは確かなことであると言えるのです。

しかし、それは自分自身ですらも勘違いしてしまうものです。なんでこうも変われないんだとか、早く変わりたいとか、どうしてこんなに同じ失敗を繰り返しちゃうのかって。それくらい見えにくいものでもあるのです。

色んな説があるけれど、人は4万~6万くらい思考を繰り返しているのです。そのうち97%から98%が、前の日と同じ思考であるそうです。この話を耳にした時に、僕は思いました。これは、自分が自分を維持するための脳の機能なんだって。例えば100%思考が変わってしまうことは、自分が自分でなくなることを意味しているものだということに他ならないのですから。

だから、自分の無意識な領域を変えることは、本当に大変なことで、自分が意識できることを、少しずつ変えていく必要があるということ。毎日、1%変えることが出来れば御の字といっていいくらい。こうして、数字にしてみると、いかに成長の速度が緩やかなものだということが理解できます。

毎日の変化がもたらすこと

自分の心の内など、誰が理解できるでようか。あなた、先月と比べて、心が広くなったね。なんて、言われるはずがないように、心の変化は他人には見えないところで起きるもの。更に言えば、心境の変化は、人は隠したがるものだと思うのです。

しかし、過去を振り返ってみると、必ずと言っていいほど、心境が変わるタイミングはあるものです。環境が変化したときもそうだし、人生の分かれ道に立った時であったり、挫折したときもそう。

そうした時に、過去の記憶が蘇ってくる。それは、自分が心から、動かされた言葉だったり、良くも悪くも感情的になった出来事だったりする。それは、毎日のたった1%未満の変化の積み重ねがもたらすものであるということなんです。

だとするのなら、今、目の前に触れることで感じることが出来るものは、大きな木の種のようなもの。今すぐどうにかなるものではないということ。本を読んで、どんなに為になったと感銘を受けたからと言って、すぐに変われるものではないのです。本当に何も変化がないように見える。だけど、確実に大きな木に成長している。木自身が、自分の年輪を見ることができないように、僕らも自分の成長は、なかなかみるこは出来ない。だけど、毎日確実に変化できるもであるのです。

今すぐに変化しないからといって、変わる事を諦めてしまえば、何年経とうが、成長することは出来ません。諦めた瞬間から、いくつであっても、そこから変化は方向を変えて、下降していくものになるのです。

僕は、それが、人生を豊かに生きるための大きな分かれ道になっているのだと感じています。

10年後の自分を見据えて、自分に情熱を持って毎日接することが大切なのです。その情熱は、必ず自分に響いているものだからです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー

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