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めけめけの徒然なるままにアンチテーゼ
2019年4月10日 16:22
ソメイヨシノ「ねぇ、ねぇ、奥さんにはなんて言ってでてきたの?」私は意地悪な気持ちになっていたあの人は時々上の空になることがあるきっと奥さんのことを心配しているのだろうだから私は、せめて今だけはあの人を独り占めにしたかった「いや、別に……、普通に出てきたよ」そんなに重たく考えることないと思うんだけどな私だってわかっているわこういうことは"いけないこと"だってでも、好きになっちゃっ
2019年4月9日 13:51
みだれ髪それは春の悪戯だったのかもしれない何より大事にしていたものを奪われたり、何よりも大事にしていた人に嘘をつかれたりあなたのことを誰よりも愛しているだからわたしはあなたを取り戻すのだからわたしはあたの嘘を正すのただそれだけのことよわたしはあなたのいなくなった部屋に一人でいることはできない今までこんなことはなかったわあなたが家を出てもあなたはここにいたのよここはあなたの家、そ
2019年4月8日 12:01
月華の君それは春の悪戯だったのかもしれない今年の春はいつもより拙速で、彼岸とともに桜が開花したもし例年通りの桜前線の北上であれば、何事もなく過ぎてしまったのかもしれないカメラが趣味の僕は、毎年妻と近くの公園や、隣町にいく途中にある河川敷まで桜を見に行く妻と桜を被写体に緩やかな時間を過ごすのだ別にそれを毎年楽しみにしていたわけではないが、春には桜を、夏には砂浜を、秋には紅葉を、冬には
2019年4月7日 17:09
蜘蛛の糸春めいてきたと思ったら急に雪が降ってくるこの街はいつもそうだ季節は移ろい、人の心もまた移ろいやすい春は特にそうなのかもしれないいや、そうでないのかもしれない妻に隠し事の一つや二つはある妻にそういうことがあるのかどうかはわからないあってもいいし、なくてもいい僕は妻を愛しているそこに偽りがあったことは一度もない言の葉に載せてしまっては、それは正しく相手に伝わらない愛し
2019年4月6日 12:18
夢から覚めた蝶々 女の勘なんていう、簡単な物じゃないの何よりわたしの一番はあなたと一緒にいることなの何よりわたしの一番はあなたと過ごす時間の質なの何よりわたしの一番はそれを永遠に続けることなのだからわたしはあなたの一番でなくてもいいのあなたにとってどれだけ仕事が大事かを知っているあなたにとってカメラのレンズがどれだけ大事か知っているあなたにとってわたしが一番ではないことを知っている
2019年4月5日 09:47
夢見る蝶々「ちょっとぉー、待ってよー」 私はあの人の大きな背中に向かって声を掛ける「もう、歩くの早すぎぃ!」 あの人は立ち止まり、振り返りながら言う「あちこち、よそ見をしてるからさぁー、置いていくぞ」「もう、意地悪」 彼の腕を掴み、思いっきり身体を寄せて甘えてみる「よせよ、恥ずかしい」 あの人はポケットに手を突っ込んだままだ 私は下から見上げるようにしてあの人の顔を覗く