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震える心、揺れる心

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心を動かすことはできないかもしれないけれど、震えさせたり、揺れさせたりできるのなら、僕はそれをしよう
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#桜

春の悪戯⑥~ソメイヨシノ

春の悪戯⑥~ソメイヨシノ

ソメイヨシノ「ねぇ、ねぇ、奥さんにはなんて言ってでてきたの?」
私は意地悪な気持ちになっていた
あの人は時々上の空になることがある
きっと奥さんのことを心配しているのだろう
だから私は、せめて今だけはあの人を独り占めにしたかった

「いや、別に……、普通に出てきたよ」
そんなに重たく考えることないと思うんだけどな
私だってわかっているわ
こういうことは"いけないこと"だって
でも、好きになっちゃっ

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春の悪戯⑤~みだれ髪

春の悪戯⑤~みだれ髪

みだれ髪それは春の悪戯だったのかもしれない
何より大事にしていたものを奪われたり、何よりも大事にしていた人に嘘をつかれたり
あなたのことを誰よりも愛している
だからわたしはあなたを取り戻すの
だからわたしはあたの嘘を正すの
ただそれだけのことよ

わたしはあなたのいなくなった部屋に一人でいることはできない
今までこんなことはなかったわ
あなたが家を出てもあなたはここにいたのよ
ここはあなたの家、そ

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春の悪戯④~月華の君

春の悪戯④~月華の君

月華の君それは春の悪戯だったのかもしれない
今年の春はいつもより拙速で、彼岸とともに桜が開花した
もし例年通りの桜前線の北上であれば、何事もなく過ぎてしまったのかもしれない

カメラが趣味の僕は、毎年妻と近くの公園や、隣町にいく途中にある河川敷まで桜を見に行く

妻と桜を被写体に緩やかな時間を過ごすのだ

別にそれを毎年楽しみにしていたわけではないが、春には桜を、夏には砂浜を、秋には紅葉を、冬には

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春の悪戯③~蜘蛛の糸

春の悪戯③~蜘蛛の糸

蜘蛛の糸春めいてきたと思ったら急に雪が降ってくる
この街はいつもそうだ
季節は移ろい、人の心もまた移ろいやすい
春は特にそうなのかもしれない
いや、そうでないのかもしれない

妻に隠し事の一つや二つはある
妻にそういうことがあるのかどうかはわからない
あってもいいし、なくてもいい
僕は妻を愛している
そこに偽りがあったことは一度もない

言の葉に載せてしまっては、それは正しく相手に伝わらない
愛し

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春の悪戯②~夢から覚めた蝶々

春の悪戯②~夢から覚めた蝶々

夢から覚めた蝶々 女の勘なんていう、簡単な物じゃないの
何よりわたしの一番はあなたと一緒にいることなの
何よりわたしの一番はあなたと過ごす時間の質なの
何よりわたしの一番はそれを永遠に続けることなの

だからわたしはあなたの一番でなくてもいいの
あなたにとってどれだけ仕事が大事かを知っている
あなたにとってカメラのレンズがどれだけ大事か知っている
あなたにとってわたしが一番ではないことを知っている

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春の悪戯①~夢見る蝶々

春の悪戯①~夢見る蝶々

夢見る蝶々「ちょっとぉー、待ってよー」
 私はあの人の大きな背中に向かって声を掛ける

「もう、歩くの早すぎぃ!」
 あの人は立ち止まり、振り返りながら言う
「あちこち、よそ見をしてるからさぁー、置いていくぞ」

「もう、意地悪」
 彼の腕を掴み、思いっきり身体を寄せて甘えてみる

「よせよ、恥ずかしい」
 あの人はポケットに手を突っ込んだままだ
 私は下から見上げるようにしてあの人の顔を覗く

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