拒絶反応と化学反応
新年度が始まった。
新しい環境に身を置く人。
新しい関係性が始まる人。
新しい自分に変化する人。
様々だと思う。
組織というものが変化していくとき、
一番手っ取り早いのは、
人が変わるということだ。
同じ人間、同じ環境で、
気持ちを新たに。
新しい目標をもって。
なんて言ったところで、
多くの場合は変わらない。
なぜならば、価値観が変化しないからだ。
同じ価値観の中にずっと身を置いていると、
それに慣れてくる。
それが当たり前だと思えてくる。
この状態が長く続けば、
思考停止になり、新しいものを想像したり創造することは難しい。
だからこそ、人が変わるのだ。
違った価値観を持っている人が入ってこれば、
否応なしに風向きが変わる。
スポーツの現場でもそうだが、
監督が代わるだけで
チームというのは変化が起きる。
組織や集団を変えていきたい、
向上させていきたいと思うのであれば、
人を変えるというのは非常に大事なことになる。
「新しさ」にどう反応するか
しかしながら、人を入れるだけではうまくいかない。
まったくもって、全員が「初めまして」の人ならいいかもしれないが、
長く同じ時間を共有してきた集団に、
新しい人間が入ってきたところで、
すぐにその新しさになじむとも考えにくい。
「これまでの」人間が多ければ多いほどに、
その集団における文化や伝統、ルールがある。
外から見て「一般的ではない」と思うことでも、
その集団にの中では「当たり前」だ。
その「当たり前」にアプローチするというのが、
難儀なことになる。
「当たり前」の中で違和感なく過ごしてきた人間からしたら、
「変化」というのはストレスがかかる。
そのストレスが「拒絶」として出る場合がある。
新しいものを受け入れないのだ。
正確には、わかってはいるが受け入れたくない。
理由はコンフォートゾーンに居続けることができなくなるから。
自分の立ち位置も変わるかもしれない。
今まで自分たちはしてきたのに、
後輩はしなくていいなんて面白くない。
新しい風に対して拒絶というストレスが出てしまう可能性がある。
改革には痛みが伴うというのはこのことだ。
弱い部分を直視できるかどうか。
指摘されたことを受け入れる強さがあるかどうか。
わかっているのであれば、
変化すればいいのだが、
素直に変化できないというのが難しい。
ストレスに対しての化学反応
拒絶を乗り越えたところに、やっと組織が良くなっていくきっかけが生まれる。
それが化学反応だ。
これまでの集団としての文化や伝統、ルールを尊重しつつ、
それらを組み合わせたり、新しい刺激を入れたりして、
より良い状態に持っていくこと。
すべてを新しくする必要はなく、
あるもの、いる人間に対してのアプローチで化学反応を起こすことが求められる。
水素と酸素があるだけではダメで、
それらが合わさって反応を起こすことで水になる。
良き変化を求めるには、
適度で適切なストレスが必要になる。
それが、人を入れるということになるかもしれない。
足りないところを補えばよい
人を入れるということが
いい方向に変化することもあれば、
有害ガスを出すこともある。
足りない、不足している、不十分だ。
という部分を補強したとしても、
それがうまくいくとは限らない。
機械に対しての部品であれば、
それは必須なのだが、
組織における人というのは、
足りないからといって補強したところで、
うまくいくとは限らない。
どれだけ実績十分で認められているとしても、
その「人」がその組織の「人たち」に受け入れられるかどうかは別問題だ。
誰か適任はいるか?
と探したところで、
それがすべてガチっとはまるわけではないし、
組織において良き変化が起きるとは限らない。
だからこそ、人事というのは慎重になるし、
人を選ぶということになる。
まとめ
組織がより強固により良くなっていく過程において、
刺激・ストレスというのは必須になっている。
ハンドボール発祥の地、伝統国でさえ、
代表監督を他国から呼んでくるくらいだ。
変化を恐れてばかりだと、
鎖国状態になって取り残されてしまう。
痛みを伴いながらも、
それ以上の良き変化をお互いが望む。
というのが大事だし、
お互いにその覚悟が必要になってくる。
あなたは新しいストレスに対して、
拒絶をしますか?
それとも良き化学反応を起こしますか?
結局は自分がどうしたいか、
なんでしょうけど。
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