”未来は常に過去を変えている”
先日、「マチネの終わりに」を見に行きました。
私は気になった映画の原作は本を読んでから見に行く派です。
ただ今回は原作を元々知っていたわけではなくて、
単純に石田ゆり子と福山雅治が出る映画なんて良いに決まってるじゃないか!!!
という完全なる独断と偏見でした。笑
特に石田ゆり子は「逃げるは恥だが役に立つ」のゆりちゃん役から大好きで、そこから私は勝手にゆりちゃんと親しみを込めて呼んでいます(完全に一方的な愛)
そんなミーハー心で「マチネの終わりに」も原作を読んだのですが、
モノの見事にハマりました。
まずもう原作読みながら二人のイメージしか出てこない、この違和感のなさ。
そしてその二人に絶対合うであろうフランスとニューヨークの町並み。
これが素敵と称さずしてなんて言おう。
一瞬で私のこれまでの人生の積読本ベスト3にランクインしました。(ちなみに他の2つは神様のカルテシリーズとナラタージュです。)
人によっては映画を見てから原作を読む人も居ると思いますが、私は私の世界観で読書を楽しみたい人なので映画を先に見てしまうとどうしても登場人物が映画の人と重なりすぎてしまって自分の中の登場人物像が作れないのです。
読書の楽しみは自分の想像力をフル活動させることでもあると思っているので。
でもこの原作はあまりにも主役の二人がぴったりすぎて離れませんでした。笑
むしろ映画を早く見たい!と待ちきれないほど(ちなみに映画公開の一年前にはマチネを読破しています。笑)
ただこうなると今度心配なのが「原作に期待しすぎて映画にがっかりパターン」にハマらないかどうか、ということ。
たまに原作の繊細な心理描写とかをまるっとすっきり削ぎ落として2時間の映像に凝縮されてしまうことがあるのですが、
今回は違いました。
確かに原作からしたら細かい心理描写描き切れていないものも多いですが、
それすらも凌駕する、ある意味「映画っぽくなさ」。
あまりにも世界観が濃厚すぎて初めて私は映画館で見ていても「映画を見ている」という感覚を無くした気がします。
ほんとに2人の人生の一部を見ているかのような。
パリの秋の風の匂いがしてくるような。
そんな「リアル」。
これは原作をもう一度読んで映画もまた見に行きたいレベルです。
*
あと今回の映画で気づいたこと。
冒頭から私はゆりちゃんへの愛を叫んでいますが、
今回なぜ私が石田ゆり子が好きなのかはっきりしました。
それは「年を取ることを純粋に素敵だな」って自然と思わせてくれること。
正直アラサーになってくると、というか日本人特有の年を気にする風潮的に
「年を取ること」=「衰える、悪いこと」みたいなイメージだったんです。
でも正直皆さんそう思ってませんか?
私も「そんなことないし~」と平気な顔しているようで内心めっちゃびくびくでした。
25歳超えたあたりから年齢は非公表で生きていきたかったです。
誕生日も年々嬉しくなくなっていく。
年末が来ると一年早すぎる・・・と悲観する。
でもこれって日本特有なんですよね。
フランスでは女性は年を取れば取るほど経験豊富な素敵な女性と思われるらしいです。
今回の映画の石田ゆり子が演じる女性がパリで働くジャーナリストだったのもあるかもしれませんが、
映画の中の彼女を見ていて私はほんとに「年を重ねていくのも良いのかもしれないな」と純粋に思いました。
映画のネタバレになってしまうので詳しくは話せませんが、映画の中の彼女も仕事やプライベートに必死になっています。
でもそれって振り返ったら全部大変だったし、辛いこともあったけど、代わりに素敵な事もあったなって思えるような、ラストでした(色んな意見があると思いますが少なくとも私は前向きなれるようなストーリーでした)
そこでのラストシーンでのゆりちゃんの素敵さが素晴らしくて。
色々な苦労や経験を積んだからこその表情。
それがただの喜怒哀楽ではなく、「喜」と「哀」が絶妙に入り交じったような表情。
あんな表情で穏やかに笑える2~30年後の自分になりたいと思えました。
これを機にまたフランス女性についての本でも読もうかな。
*
私の20代前半の時のぼんやりとした目標は「30代になったとき、今が一番楽しい!と言える大人になる!」でした。
正直、今それを達成できているか?と問われれば微妙です。
実際、現実はそんなに上手くいかないな、とほんとの所は痛感してます。
けど今は「きっと今のことも何十年後かに振り返ってあの日々があったから今こうして笑っていられると思えるようになるだろうな」と根拠もなく思っています。
そう思ったら今大変な日々も、今辛い日々も、なんだか愛しく見えてくる。
むしろそう思える大人になりたい。
その第一のロールモデルが私にとってはゆりちゃんなので、
とりあえずまたじっくりマチネを見に行きたいと思います。
以上、夜中突然の私の大好きなゆりちゃんを語るコーナーでした。笑
明日も、明日こそ、優しく穏やかな私に一歩近づけますように。
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