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【📰文系×医療🩺】その痛み、骨が柔らかいせいかも?「骨軟化症」とは。

骨を強くするには「カルシウム」が大事!牛乳飲みなさい!

とよく言われてきたかもしれませんが、実はそれだけでは不十分かもしれません。

今回は、骨が柔らかくなってしまう「骨軟化症」について学んでいきます。

医師国家試験の問題は前回と同様です!

病態や疾患と欠乏が疑われる微量元素やビタミンとの組合せで正しいのはどれか。

a. 匙状爪 ー 銅
b. 味覚異常 ー 亜鉛
c. 出血傾向 ー ビタミンA
d. ペラグラ ー ビタミンB2
e. 骨軟化症 ー ビタミンC

骨が作られる仕組みとは?

骨は3年ごとに破壊と再生を繰り返すことで、生まれ変わっています。骨の主成分はリンとカルシウムであり、この濃度を高くすることで丈夫な骨にしています。また、ビタミンDには腸でのカルシウムやリンの吸収を増やし、血液中のカルシウムやリンの濃度を調節する働きがあります。

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骨軟化症とは?

骨軟化症とは、骨の石灰化(骨を硬くすること)が妨げられることによって骨の形が変わったり、痛みなどの症状が現れたりする病気です。子どもでこれらの症状がみられる場合に「くる病」、成人でみられる場合に「骨軟化症」と呼ばれます。

症状
O脚やX脚といった足の変形、歩行障害、関節の腫れ、成長障害(低身長)などです。カルシウムが不足している場合は、けいれんや手足のしびれ(テタニー)も引き起こします。

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原因は三つです。

①ビタミンD不足
「ビタミンD欠乏性骨軟化症」と呼ばれます。ビタミンDには、骨の石灰化に必要なリンとカルシウムの吸収を調整する役割があります。ビタミンDは、キノコ類や魚、卵から摂取できるほか、太陽からの紫外線を使って体内で生成することもできます。

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②ビタミンDがうまく機能しない
「ビタミンD依存性骨軟化症」と呼ばれ、遺伝性とされています。そもそも取り込んだビタミンDを活性化させるには、肝臓で25水酸化酵素を使い25水酸化ビタミンD(25OHD)に変化させる必要があります。その後、腎臓、腸管、骨で1α水酸化酵素を使うことで活性型ビタミンD[1,25(OH)2D]に変化します。

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1α水酸化酵素がうまく機能せず、活性化したビタミンDが作れなかったり、ビタミンD受容体の機能不全により、活性化したビタミンDがリンとカルシウムの調整をできなくなることで、骨の石灰化が妨げられてしまいます。


③リン不足
「低リン血症性骨軟化症」と呼ばれます。リンは、骨の石灰化や細胞のエネルギーを作るために必要な物質ですが、量を調整するために、腸での吸収や腎臓での再吸収が行われます。

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そのため、単純にリンを摂取していないことによるリン不足や、血中のリン濃度を調整する線維芽細胞増殖因子23(FGF23)というホルモンの異常によるリンの吸収ができないことが原因としてあります。

選択肢eを検討していきます。

病態や疾患と欠乏が疑われる微量元素やビタミンとの組合せで正しいのはどれか。

e. 骨軟化症 ー ビタミンC

骨軟化症の際、欠乏が疑われるのはビタミンDなので、選択肢は誤りとなります。


おわりに

過去5回にわたって一問を解いたわけですが、一つ一つの選択肢で知らないことが多く、時間をかけたからこそたくさんのことを理解できました。

特に、栄養素一つが身体に及ぼす影響がとても大きく、日々の食事から実践できる病気予防法を知ることができました!

ぜひ他の選択肢も見返してみてください👇


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