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「SDGs17目標」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

東京2020パラリンピックが始まりましたね。
感動という言葉を使う必要のない選手たちの表現力に日々大きな力と言葉の陳腐さを感じます。言葉のいらない表現力、まさにノンバーバルはワールドワイドですね。

TVのアナウンスや誰もが感じることを私見のように語る音声を消して車イスがぶつかる音、ゴールボールの鈴の音にその種目の啓蒙のために努力してきた方のみの解説だけで放送してくれたら、もっともっといわゆる感動が伝わるのではと感じるのは僕だけでしょうか。

今回はパラリンピックにも通じるこのバッジについての話です。

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皆さんはこのバッジを見たことがありますか?
このバッジをつけている政治家、文化人、芸能人をニュースやクイズ番組、インターネットを通して見たことがある方や、実際につけている社会人を見たことがある方も多いと思います。

これは「SDGs」の認知拡大や意識づけを目的としてニューヨークの国連本部を中心に製造・販売が行われているバッジです。昨今、SDGsへの関心が高まり様々な場面で取り上げられるようになったため、SDGsという言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。

では、SDGsとはなんの略語ですか?どのような内容ですか?
皆さんは説明できますか?
難しいと思った方が大半ではないでしょうか。実際に説明できる方は果たしてどの程度いるのでしょうか。企業全体でSDGsのバッジをつけているという方も詳しくは知らず、取り組んでいる気になっている方が多いのではないでしょうか。

SDGsとは「持続可能な開発目標」Sustainable Development Goals)のことで簡単に言うと2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。格差・社会・経済・環境など、様々な分野に対する目標が掲げられています。

2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択されたこの目標は、17のゴール(下記)・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

SDGsバッジは企業や団体、個人のSDGsに対する姿勢をアピールするものでもありますが、姿勢を示すことは啓蒙する責任も含みます。そのため、聞かれたり話題になった際に説明できる必要があります。もし答えられなかったら啓蒙どころか逆に悪いイメージを与えかねません。

確かにバッジをつけているだけで知ってもらうきっかけはつくることができるかもしれませんが、流行だから、会社に言われてるからつけるのではなく、理解し、活動への認知や活動を広げる使命を自覚することが2030年の目標達成には必要ではないでしょうか。

<<SDGs17のゴール>>
SDGsの17のゴールは下図のようにアイコン化されています。

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1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

先日取り上げた障がい者スポーツと同じように、まず知らなければSDGs達成に向けて自分が協力できることにも他人や企業・団体の努力にも気づくことができません。

(↓↓「誰一人として取り残さない」をテーマに企画している障がい者スポーツ企画も実はSDGsを意識して制作しています。興味のある方は是非こちらもご覧ください。↓↓)

そのような思いから、我々ができることとしてSDGsの17目標をそれぞれ4コママンガで解説して分かりやすく親子で学べる企画を創りました。企画、制作はマンガデザイナーズラボです。2020年4月30日(木)の日本経済新聞朝刊にて掲載された「親子で学ぼうSDGsの17目標」の30段広告です。

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(2020年4月30日 日本経済新聞朝刊掲載)

この紙面によって、難しい・とっつきにくいと考えられがちであったSDGsについて、どのような目標があるのか、何が問題なのか、自分たちにできる取り組みはないか、などを個人・家族で考えるきっかけを作り出すことができました。

スポンサーにもなった高砂熱学工業株式会社では、上記のデザインを大きいパネルにして社内掲示したり新人研修等でも紹介することで企業全体で内容を理解できるようにご活用いただいています。

下の動画は日本経済新聞に掲載された「1.貧困をなくそう」の4コママンガをマンガデザインモーション(動画)化したものです。是非、ご覧ください。

マンガデザイナーズラボのSDGsへの取り組みとしては、文部科学省が刊行した「令和2年版 科学技術・イノベーション白書」に掲載されている2040年社会のイメージ「人間性の再興・再考による柔軟な社会」のビジュアルにSDGs8項目の紹介を取り入れ、SDGsの啓蒙に携わっています。

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(文部科学省刊行 令和2年版 科学技術白書 図階・あなたが創る未来のデザイン
2040年社会のイメージ「人間性の再興・再考による柔軟な社会」)

マンガデザイナーズラボのこれからの活動として、わかりにくいことをわかりやすく表現できるマンガデザインを活用したSDGsの啓蒙を進める授業を僕が教鞭を取る大阪芸術大学などで継続的におこなっていきます。

小・中学生には授業でSDGsの教育が進められている学校が増えてきています。しかし、僕の授業を受講している大学生に聞いてみるとSDGsを知らない学生が多く、近い将来に社会に出る大学生へのSDGs教育は小・中学生に比べると十分な状態とは言えませんでした。

そこで、大阪芸術大学の前期の授業ではSDGsの17のゴールについて毎週1項目ずつ各自で調べ、4コママンガまたは1枚絵で表現をしてもらう課題を出しました。授業中の題材や試験問題としてSDGsを取り入れることで、大学生への啓蒙とともにデザイン力の向上につなげました。

学生たちはSDGsについて熱心に研究し、よりわかりやすい表現や目を引くようなデザイン、シリーズ化を意識したものなど様々な作品を提出してくれました。今後はその作品の講評を中心にSDGsの各項目の紹介を進めていこうと考えています。

今回は17のゴールを自分なりの発想を加えて1枚のポスターに仕上げた最優秀課題作品をご覧ください。4月時点でSDGsの名前すら知らなかった学生の努力と発想力には無限の力を感じます。

D19030 圓次奈々 SDGsまとめ - 圓次奈々
(大阪芸術大学 デザイン学科3年生 圓次 奈々さん)

今後はこの課題の講評を通して皆さんへ前述したようにSDGsの啓蒙を17目標ごとに丁寧に行いつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例も紹介していければと思います。


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