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「SDGs#15 陸の豊かさも守ろう」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第15回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの14つ目、「14.海の豊かさを守ろう」を紹介しました。

第15回目はSDGs17のゴールの15つ目、「15.陸の豊かさも守ろう」を紹介します。アイコンの色は緑色ですね。

リチャード・ブランソン(ヴァージングループ創設者で会長)氏は僕の電通入社時の憧れの人のひとりでした。ブランソン氏との初仕事はロンドンでの村上龍氏との雑誌対談企画でした。

その時に依頼された「熱気球による太平洋横断プロジェクト」。まさか僕がこのプロジェクトのプロデューサーになるとは思いもよりませんでした。

1991年1月16日、巨大熱気球は宮崎県都城市を飛び立ちました。その気球には「地球を守ろう SAVE OUR PLANET」と書いてありました。この企画のコンセプトは「熱帯雨林 rain forest」保護を訴求していました。

今から30年前の時点でSDGsのイメージ(当時SDGsはありませんでした)をもっていたブランソン氏はやっぱり凄い人だなぁとあらためて尊敬します。ちなみにですが、このチャレンジは成功しました。

私たちが生活する「陸」は地球表面の約30%を占めています。
海のほうが地球上に占める割合は大きいですが、Michael Benton(2009年)によれば多細胞生物の98%が陸上に生息しており、特に「生物多様性」の観点から陸の豊かさを守る重要性が求められています。

「生物多様性」とは、地球上に生きる動植物、自然等、すべてが様々な場所で互いにつながり合って生きていることを表す言葉です。
植物を昆虫が食べ、その昆虫を小動物が食べるといった「食物連鎖」や、ミツバチに花の蜜を吸ってもらい花粉を別の花に届けてもらう送粉のような「相利共生」等、様々な関わり合いがあります。

「15.陸の豊かさも守ろう」では下記のような項目が課題となっています。

・地球上では年間4万種もの生物が絶滅していること
・世界全体で森林が2000-2020年の20年間で1億ヘクタール消失したこと
・生物や自然が消滅することで生物多様性のバランスが崩れていること

「15.陸の豊かさも守ろう」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

「14.海の豊かさを守ろう」では、MSC認証とASC認証をご紹介しましたが、「15.陸の豊かさも守ろう」に関係する認証には「FSC認証」があります。

「FSC認証」とは、持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証するもので、適切な環境保全や社会的利益だけでなく、持続可能な森林管理がされた木材にのみ与えられています。

コピー用紙や飲料の紙パック、ティッシュ、はがき、封筒、セルロース繊維を使った洋服、つみき等の木製のおもちゃ等、様々な商品に「FSC認証」マークがついています。

これらの商品を購入する際に、「FSC認証」のことを思い出す習慣をつけたり、どのように作られた商品であるかにこだわって購入するよう心がけたりすることが「15.陸の豊かさも守ろう」の目標達成に貢献することにつながります。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 美術学科1年 和泉 希咲さん)

【製作意図】
森林伐採が進んでいることを表現したかったので、第一に地球の周りをループする伐採される木々を描きました。

【吉良式視点】
一目で伝わってくるいい作品です。色の使い方もデザインも創造力を感じさせられます。地球上の森林伐採の怖さも伝わってきますね。タイトルのフォントがデザインとちょっと馴染んでないので、可愛らしい文字と色で作られた作品を見てみたいですね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 熊崎 宝さん)

【製作意図】
陸に存在する私たちにも大きく関わることであり、日本でも世界でも目標達成にはまだまだの状況であることから、皆が知識を深めたり行動したりするべきだと思いました。

【吉良式視点】
「陸の豊かさを守ろう」の総論を1枚のマンガデザインでしっかり伝えられています。文字だらけだと読む意欲が減退してしまいますが、このデザインなら読みますし伝わります。全体的に暗めになり、伝えたい文字も目立っていないので、色についてはもう少し考えたかったですね。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科4年 髙坂 直未さん)

【製作意図】
右に絶滅危惧種、左に絶滅した動物を描き、生物の多様性が損なわれない世界になるように願いを込めました。
※左上から、オオウミガラス、ウサギワラビー、コウノトリ、ホッキョクグマ、アムールトラ、ジャイアントモア、エゾオオカミ、オカピ、ジャイアントパンダ、アメリカナキウサギ、ドードー、フクロオオカミ、アダックス、イリオモテヤマネコ、クアッガ、ピンタゾウガメ、キタシロサイ、ヘラジカ

【吉良式視点】
まず、前回の「海の豊かさを守ろう」の作品を是非ご覧ください。今回の作品と対になっていることがわかります。それだけではなく、彼女がこの作品を描くにあたりSDGs全体についてきちんと研究していることがわかります。そのように努力している学生の作品が素晴らしい作品になるのは当然ですね。まさに天晴な基本姿勢です。作品、制作意図ともに言うことなしです。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【製作意図】
個人でできるSDGsの取り組みのひとつに、環境保護や環境保全の活動に参加することがあげられます。ここでは、森林の環境や地域社会に配慮して作られた製品であることを示す FSC®認証製品について取り上げ、日常のあらゆるところに見られる FSC®認証マークを意識し、身近なことから環境を大切にするきっかけになったら良いなと思い、この漫画を描きました。

【吉良式視点】
4コママンガはもちろんですが、制作意図に驚かされます。デザインが上手なデザイナーは沢山いますが、制作意図を作品を通じて伝えられるデザイナーはわずかしかいません。この学生はその中のひとりです。FSC認証マーク、僕も学ばせていただきました。ありがとうございます。

次回はSDGsのゴール16「平和と公正をすべての人に」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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