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「SDGs#08 働きがいも経済成長も」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第8回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの7つ目、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を紹介しました。

第8回目はSDGs17のゴールの8つ目、「8.働きがいも経済成長も」を紹介します。アイコンの色はあずき色ですね。

「働きがいのある仕事」とは、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。1999年のILO総会では、このような働きがいのある人間らしい仕事を「ディーセントワーク」と表現しています。

「働き方改革」をいろいろな会社が2019年からしっかり取り入れ、学生の就職希望にも反映されていますね。

「8.働きがいも経済成長も」では下記のような項目が課題となっています。

・仕事に就いているにもかかわらず貧困*から抜け出せない「ワーキングプア」の人が世界に約7億人いること(*1日3.2ドル、約350円未満での生活)
・5~17歳の働く子どもが、世界の子どもの10人に1人にあたる約1億5,200万人いること
・労働市場の機会に関するジェンダー格差があり、北アフリカやアラブ諸国の女性が失業する確率は男性の 2 倍以上あること

「8.働きがいも経済成長も」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

日本では、長時間労働が多いことが大きな問題のひとつとなっており、ブラック企業、過労死という言葉を聞いたり使ったりしたことのある方も多いと思います。

仕事に追われるのではなく、仕事とプライベートの両方が充実した「ワーク・ライフ・バランス」のとれた人生を送り、満足できる働き方ができることは、持続可能な社会づくりにつながります。

2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行され、一般労働者の総実労働時間の年間平均は2018年から2019年にかけて大幅に減少し、年次有給休暇取得率も上昇しました。日本が徐々に「ディーセントワーク」に近づける環境に改善されてきていることがわかります。

「8.働きがいも経済成長も」は国や企業へのアプローチの側面が大きいですが、私たちにできることは何でしょうか。

身近なことで私たちができることとして、「フェアトレード商品を購入する」ことがあげられます。フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」です。

つまり、フェアトレード商品とは、児童労働や搾取などがなく、健全な流れで作られた商品のことです。

フェアトレード商品を購入することにより、正当な対価を生産者に支払わなかったり、環境破壊を鑑みず必要以上の農薬を使用したり、生産する人の健康に害を及ぼしたりと、不正な方法で利益を得ている業者を是正することにつながります。

現在、コーヒーやカカオ製品、コットン製品、バナナ、スパイス、砂糖、ジャム、はちみつ、ごま、ワイン、大豆・豆類、 切り花、ボール類などを中心にフェアトレード認証が広がっています。

これらの商品を購入する際に、フェアトレード商品かどうかを気にしてみたり、実際に購入したりすることで「8.働きがいも経済成長も」の目標達成に貢献することができます。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様、一般社団法人 日本経済団体連合会様)

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 佐伯 日陽さん)

【製作意図】
SDGsの目標8について調べていく中で、経済成長をするためには人々があらゆる面で健康的な生活を送る必要があると思ったため、ワーク・ライフ・バランスを意識したイラストを描きました。

【吉良式視点】
「働きがいも経済成長も」という目標に向かう為には「働きがい」が「経済成長」を生み出し、そこには笑顔のある生活が存在する、という流れをしっかりマンガデザインしてますね。ノンバーバル(無言語)表現とシリーズイメージがとても良いです。

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(大阪芸術大学 工芸学科3年 森本 すぎなさん)

【製作意図】
全ての子どもに教育が保障され、なりたい職業につけますように。

【吉良式視点】
5歳から17歳の世界中の子供達の10人に1人、1億5千万人以上が働いているという事実をしっかり日本人に伝えることを目的とした4コママンガ。宇宙人キャラからの示唆がいつもユニークです。

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(大阪芸術大学 美術学科2年 木本 江美さん)

【製作意図】
児童労働などの諸問題を解決するためには、該当の国(地域)に押しつけるのではなく、他国と共に諸問題の根幹から解決するべきであることを表現しようとしました。

【吉良式視点】
先進国の責任の重さを、あらゆるSDGsの目標で感じさせられます。視点を変えて見てみることを意識して制作された良い作品です。「知恵を絞り協力すれば、安心安全が保障された職場で働けるようになる」はとても良いフレーズですね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【製作意図】
ターゲット7では児童労働を2025年までに無くすことが明記されています。しかし、児童労働は良くないこととわかっていても、それぞれの国には事情や思惑があり、対策が後回しになっています。
「私たちの暮らしを彩る商品の元をたどると、原料を栽培したり資源を採掘したりする場で子どもたちが働いていることがある」ということは一度は耳にしたことがあるはずですが、どこか遠い国の問題だと考える日本人は多いです。
日本は無関係ではないことや、深刻な状況を知り、関心をもつきっかけになったらと思い描きました。

【吉良式視点】
いつも安定した素晴らしい優秀作品を制作していますね。制作に取り掛かる前の調査、そこから選択するテーマ、まるで広告を制作するアートディレクターのようです。フェアトレードは絶対に知っておかねばならないテーマですね。

次回はSDGsのゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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