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「SDGs#05 ジェンダー平等を実現しよう」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第5回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの4つ目、「4.質の高い教育をみんなに」を紹介しました。

第5回目はSDGs17のゴールの5つ目、「5.ジェンダー平等を実現しよう」を紹介します。アイコンの色はにんじん色ですね。

「ジェンダー平等」とは、内閣府の発表によると「ひとりひとりの人間が、性別にかかわらず、平等に責任や権利や機会を分かちあい、あらゆる物事を一緒に決めることができること」です。

「5.ジェンダー平等を実現しよう」では下記のような項目が課題となっています。

・18歳未満の子ども時代に強制結婚させられている女の子が世界に年間1,200万人(1日で3万人)いること
・性別を理由に望んだ仕事に就けなかったり、十分な教育を受けられなかったりといった差別があること
・先進国でも女性の政治や社会活動への参入への課題が残っていること

「5.ジェンダー平等を実現しよう」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

日本は、ジェンダーギャップ指数(政治・経済・教育・健康の4部門の男女格差を数値化したもの)が156カ国中120位と世界的にも平等さが達成されていない国といえます。

日本では1986年に男女雇用機会均等法が施行されました。
裏を返せばそれまでの戦後約40年もの間、男女は平等ではなく、男性が働いて女性が家事をするのが当たり前でした。現在は施行されて35年。男女が不平等だった時代のほうがまだまだ長いのです。

その男女不平等の時代を常識として持っている年配者が、少子高齢化の影響もあって日本の大半を占めていることもジェンダー平等の達成を難しくしている要因のひとつかもしれません。しかし、この状況だからといって諦めるのではなく、根気強く変えていこうとする努力が、この後の時代をより良いものにするうえで必要になります。

昨今では様々な場面で取り上げられるようになったこともあり、ジェンダー平等を意識することは増えましたが、口だけで実際の行動が伴っていなかったり、逆に女性を優遇しすぎて「女尊男卑」になってしまったりする場面もまだまだ多く見受けられます。

女性を優遇して今までの崩れたバランスをとるのではなく、性別等にこだわらずに「個性」としてお互いを尊重しあえることがジェンダー平等には必要です。人によって違いがあることは当たり前のことで、それを責めたり強制したりして全員一緒を目指す必要は全くないのです。

僕は20年ほど前から現在も、日本女子大学で非常勤講師をしています。それは、男女雇用機会均等法が施行されて、女性も自立し、自分のためにファッションや美容、食を楽しめるようになる「個性」の時代を応援したいからでした。

まずは、「女性だから…」「男性だから…」「長男だから…」「長女だから…」「普通はこうあるべきだから…」などと先入観をもってしまっていることはないか、押し付けてしまっていることはないか、意識して生活するだけでも「5.ジェンダー平等を実現しよう」の達成に近づくことができると思います。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

d18049 川辺悠以 5 - 川辺悠以
(大阪芸術大学 デザイン学科4年 川辺 悠以さん)

【製作意図】
性別は「男女」の2種類だけでなく、この世界に生きる人間の人数分あるのだというメッセージを込めました。

【吉良式視点】
とてもいいポスターに仕上がっています。まさにグラフィックデザインのマンガデザイン化ですね。2行のキャッチフレーズを読んだ瞬間に世界が広がりますね。
逆の視点で言うならば、キャッチフレーズが無かったら世界感が伝わらないとも言えます。性別という言葉を花に例えるアイデアを具現化させるにはコピーが必要不可欠と感じさせる作品です。コピー無しでも伝えたいという願望が沸々と湧き出ませんか。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【制作意図】
2020年の「ジェンダーギャップ指数」によると日本は149か国中121位と、過去最低を更新しました。日本はジェンダーの平等にかなり遅れていて、ジェンダーの平等について真摯にとらえ、さらなる底上げ策を打つことが必要とされています。
そんな中、「都立高校入試の"男女別定員制"同じ点数なのに女子だけ不合格?」という記事を読みました。様々な意見を読みましたが、私はこれはジェンダー不平等であると感じ、現在の教育現場で行われていることに驚かされました。
日本がジェンダーの平等の実現に遅れをとっている象徴のような出来事だと感じたので、この制度について知り、さらに日本のジェンダーについて考えるきっかけになってほしいと思い、4コマにしました。

【吉良式視点】
制作意図が素晴らしいですね。僕も学生の意見に同意します。大学で教える立場の人としてテストに不平等があってはなりません。施設の問題とかがあるのでしょうが、それは言い訳。施設を改善すれば良いだけですね。
今回の作品は少し文字数が多いですね。一気に読ませて、メインテーマに注目させることを意識すると、もっと読みやすい作品になりますね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科2年 木村 ののかさん)

【製作意図】
児童婚の問題が凄く重要に感じたので、児童婚をテーマに簡潔にまとめました。

【吉良式視点】
日本では身近な問題ではない児童婚。その望まない結婚が引き起こすさまざまな状況を上手に4コママンガにまとめています。特に1コマ目の起承転結の「起」が効果的です。赤と赤ドットが哀愁をかもしだしていてバランスのいい作品に仕上がりましたね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科4年)

【製作意図】
自分が中-高時代に経験したことを思い出し、それをもとに身近なテーマで描きました。

【吉良式視点】
いいですね。女の子だから、それと同じように、男の子だからがなくなることが平等の入り口かも知れませんね。マンガの効果を活かしたいい作品で、伝えたい事がしっかり届きます。

次回はSDGsのゴール6「安全な水とトイレを世界中に」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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