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「SDGs#16 平和と公正をすべての人に」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第16回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの15つ目、「15.陸の豊かさも守ろう」を紹介しました。

第16回目はSDGs17のゴールの16つ目、「16.平和と公正をすべての人に」を紹介します。アイコンの色は藍色ですね。

「平和」という言葉を聞くと94歳の父に何年も前に言われた言葉を思い出します。「戦争は何も生まない、君も君の家族もみんな、戦争のない平和な世界で生活してほしい、そしてその世界を守り続けてほしい」と。

「平和」とは、戦いや争いがなくおだやかな状態。「公正」とは、かたよりがなく正当なことです。

公正な法律に基づいた、すべての人が安心して参加できる平和な社会をつくること、つまり、SDGsのスローガンである「誰一人取り残さない」社会をつくることを目指した目標です。

「16.平和と公正をすべての人に」では下記のような項目が課題となっています。

・世界で7,950万人が、紛争や人権侵害などによって母国を離れ、避難生活を送る「難民」となっていること
・武力紛争の影響を受けている国や地域で暮らす子どもが約2億5,000万人いること
・世界の5歳未満の子どものうち、4人に1人は出生届(出生登録)が出されていないこと

「16.平和と公正をすべての人に」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

現在の日本国内に紛争はなく、平和な生活は実現されているかもしれませんが、公正な社会をつくるための政治参加には課題が残ります。

日本の投票率は、2019年時点で世界200ヶ国中158位の52.7%と低く、特に若者の政治参加が少ないことが指摘されています。公正な社会のためには、まず様々な世代の声を届けることが重要です。

また、平和を日本だけでなく世界にも広めるためには、近年よく耳にする「多様性」を認め合える関係を作っていくことが大切です。

みなさんには、学校や会社、家族、友人、コミュニティの人など様々な人が周りにいると思います。その一人ひとりの価値観の違いを否定するのではなく、多様性をお互いに受け入れ合うこと、もっと言えば、違いに興味をもつことが平和と公正への第一歩です。

身近なところから多様性を受け入れる基礎をつくることで、世界に目を向けたときにも紛争や差別が起きる原因のひとつである、「考えの違いから生じる争い・偏見」をなくしていくことにつながります。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を4点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科4年 髙坂 直未さん)

【製作意図】
「あらゆる場所で、あらゆる形の暴力と、暴力による死を大きく減らす」と「子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形の暴力や拷問をなくす」に焦点を置き、紛争地域の子どもに対する救いをイメージして描きました。

【吉良式視点】
「絵の中で絵を描く」この構図がとても好きです。なぜなら、そこに自分の存在があり、よって自分の主張を表現しているからです。学生が身近な子どもたちに思いを寄せ、そこで自分の思いを描き、世界の人々に伝えていく、マンガデザインの使命を感じる良い作品です。

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(大阪芸術大学 デザイン学科4年 川辺 悠以さん)

【製作意図】
出生登録が出されていないと、国家の目に映らない存在(法的に存在していない)になり、国からの保護が受けられずその子ども(人)の人権が守られないということを作品で可視化しました。
世界には、出生登録がされず、公式に認められていない5歳未満の子どもが2019年時点でおよそ1億6,600万人(全世界の5歳未満の4人に1人)いることを知りました。途上国では50%程度しか出生登録がされていない現実を知りました。

【吉良式視点】
日本で生活していると感じられないことが沢山あります。SDGsを学ぶ大切なことの一つに世界を知ることがあります。この作品はまさにその世界観をわかりやすくマンガデザインしています。
生きているのに存在が認めてられていない、出生届という大切な戸籍の作成に必要な書類を出されていない5歳以下の子どもたちが世界に4人に1人いるという衝撃の事実。皆様はご存知でしたか?

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(大阪芸術大学 デザイン学科4年 寺本 はるかさん)

【製作意図】
安直ですが一番分かりやすいと思い、銃から草花が生えている様子で平和を表現しました。

【吉良式視点】
戦争と平和、まさに父の言葉のように、戦争は何も生み出さないことをしっかり伝えつつ、平和と公正をイメージさせるデザインは素晴らしいです。対称のようで非対称なその図柄が世界のアンバランスさを上手に伝えています。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科4年 梅田 楓汀さん)

【製作意図】
目標16に関連する世界で起きている問題をパッと見てわかりやすいようにしました。

【吉良式視点】
SDGs16個目のゴール「平和と公正をすべての人に」が一目で解る、総論型の4コママンガですね。コマの使い方に多様性を感じられて、とてもよくまとまっています。最終コマの主張に力があってちょっと説明的な作品が、良い作品に仕上がりました。

次回はSDGsのゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。


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