マガジンのカバー画像

つぶやき

1,422
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

友達に作ってもらったシャツの出来がすごいよかった。

太宰治の一節を思い出す。
"ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。
これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。"
−『葉』

年末の喫茶店。

お世辞にも身なりがそんなに良くない老人が、ひとり言を呟きながら英語の勉強をしている。
英文が書き連ねられたルーズリーフ。汚れたバッグの中にある英和辞典。

なんかいいなって思う。

自分ら日本人って、「こうなれば(自然と)こうなる」的な考えが苦手なんだと思う。上、中央の制御に頼りがち。

過剰に丁寧にならない。相手の悪意に鈍感でいられること。

『人間失格』で1番共感するのが冒頭部分。

「人間の生活というものが、見当つかない」

「実利的」に作られた停車場のブリッジを「ハイカラ」、「垢抜けのした遊戯」と思ってしまう。

実生活の中にいながら地に足がついていないような。人の営み、自分の人生を自分事として考えられない。

『フェリスはある朝突然に』
『ブレックファスト・クラブ』

お調子者の兄に頭を抱える妹と薬中の男。
教師と用務員。

ジョン・ヒューズ作品内の、社会的立場の弱い方が強い方を諭すシーンが好き。

立場の倒錯か、それとも立場そのものが虚ろなものなのか。

noteの利点は色んな形式、単位で投稿できること。

テキスト、つぶやき、写真。
明確なテーマを持って書くこともできるし、ぼかして書くこともできる。言葉にしなくても投稿できる。
それらの集合体としての自分。意図しない自分が見えてくる。

『フィラデルフィア』

図書館でエイズ差別の判例を調べるベケット。
感染を恐れるスタッフが「個室の方が快適ではないですか?」と聞く。
「いや。あなたたちがそれで快適なら移動するよ」とベケット。

相手に対する「してほしさ」を、相手の「したい」にすり替えるのは往々にしてあると思う。