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同じ街には帰れない。

「あの飲み屋もあのラーメン屋も、とうとう閉店しちゃったんだって」 そんな話を聞くたびに、ああそういえばそんな店もあったな、と思う。この2年間、片手で数えられるほどしか大学に足を運んでいない。高田馬場駅前の景色すらおぼろげなので、こういう話題がどこか他人事に思えるのも当然だと思う。 半年前、1年半に渡る休学期間が明けたとき、始まったのはオンライン授業との新たな日常だった。意外となんとかなるものだ、と思いつつ、卒業を目の前にした同級生のことを思うと心が痛んだ。 オンライン授

    • 2023年の記録

      ストレートから2年遅れで社会人になり、さらに24歳にして実家を離れ、「子ども部屋おばさん」を脱しました。社会的にも物理的にも所属が大きく変わった2023年は、これまで生きてきた中で、最も非連続的な年でした。 というのは、常に「自分が1ヶ月後は何をしているか」検討がつかなかったし、逆に1年前を振り返ってみても、あの頃の「日常」に手触り感がないから。仕事も、生活も、共に過ごす人も、目まぐるしく変化する年でした。 そんな2023年の振り返りです。 暮らしについて就職に伴い、一

      • 6月の記録

        新しい環境にもだいぶ慣れてきて、良くも悪くも気を張らなくなった6月。プライベートで抱えていたモヤモヤも、コントロールできる部分についてはなんとかなる気がしてきて、割と前向き。 あとは先月のnoteで宣言した通り、ちゃんと物件探しをしたし、引越し先も決まった。なんやかんやで、かなり早く過ぎていった1ヶ月だった。 映画怪物 とっっっっても良かった。凄まじかった。6月の中で最も鮮烈な2時間だったかも。その証拠に6月の観たもの・読んだものは是枝作品ばかりになった。 是枝監督の考

        • 5月の記録

          社会人2ヶ月目。GWもあったので割と読書や映画に時間を使えたり、友達の結婚式で広島に旅行したり、心が潤う時間が多かった。 映画怒り 日本アカデミー賞を席巻した印象が強いけど、もう5年も前なんだ。登場人物みんなが何かに怒っている映画。その対象も表し方もさまざまで、静かに腹の底にたたえている人もいれば、涙と一緒に垂れ流す人もいれば、分かりやすく激昂する人もいる。キャストが演技派揃いで、感情がストレートに伝わってきて苦しかった。ラスト30分に鳥肌立った。 護られなかった者たち

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        同じ街には帰れない。

          4月の記録

          4月から社会人になり、日々がほんとうに飛ぶように過ぎていく。そんな中でも能動的に世界を捉える感覚は持っていたいので、観たもの読んだものを中心に軽い記録をつけようと思う。 映画ザリガニの鳴くところ 映画に詳しい知人のおすすめで。湿地で起こる殺人事件を描いたミステリー。終始不穏な空気が流れているが、それを差し引いても有り余る情景の美しさの虜になる。ミステリーとしての面白さがありつつ、それ以上に人間ドラマというか、生き物の性(さが)を突きつけられる展開にゾッとした。総じてめちゃ

          4月の記録

          ゆるっと書き初め

          あまりにもぬるっと新年を迎えてしまったので、せめて何か書こうと思ってパソコンを開きました。 2021年の終わりから2022年にかけては、家族とか、友だちとか、自分の周りにいる人たちとの関わり方について色々考えたな。他者と向き合っていると、価値観とか性格とか、時には病とか、介入しようがない色んな要素があるんだなって突きつけられた。 「変化させられるのは他人ではなく自分」という言葉を感じることが多かった。与えることと得ることのバランスも難しいなと何回も思った。 こうやって書

          ゆるっと書き初め

          お酒、コーヒー、ローカル時間

          「飲み会」への社会的な抵抗感が、すこーしずつ薄まってきている気がします。私も最近、お店でお酒を飲むことが多かったのですが、その中であった素敵な出会いを、日記としてとどめておきたいです。 in 鳥取友だちに会いに鳥取旅行に行ったときのこと。その友だちはお酒好きで、鳥取暮らしは1年に満たないのに行きつけのお店を開拓しており、滞在中、その中のいくつかに連れて行ってもらいました。 特に印象深いのが、地元民の憩いの場になっている、とある駅チカのバー。何時にオープンするかはオーナーの

          お酒、コーヒー、ローカル時間

          Adventurous

          街を歩いていて道の脇に止められたバイクに出会うと、フィリピンのとある島でバイクに乗せてもらった日のことを、そして、ライダー以外なかなか知りえないだろう、あのマフラーの熱さを、鮮明に思い出します。 「ハバルハバル」と呼ばれるバイクタクシーは、フィリピンの日常的な交通手段でした。ただ「タクシー」と言っても実態は普通のバイク。運転手のおじちゃんの背につかまって、目的地までびゅーんと連れて行ってもらう、それだけのシンプルなトランスポーテーションでした。 特に思い出深いのは、休暇で

          Adventurous

          気遣い、心遣い。

          23年の人生の中で最も悲しかったことのひとつが、昨年の秋に愛猫のアルが亡くなったことでした。あの時期のわたしは、大きすぎる悲しみと喪失感を振り払えずに、子どものように、毎日毎日泣いていたものでした。 しかしそんな悲しみを癒やしてくれたのが、時間の経過のほかに、やはり、たくさんの友人の優しさでした。 元々親バカすぎたわたしは日々アルの姿をInstagramにアップしていたので、亡くなった時も、簡単にその報告を投稿しました。すると様々な友人がお悔やみの言葉を残してくれて……。

          気遣い、心遣い。

          What is confidence?

          授業や何かで英文と対峙するたび、この便利な時代に生まれたことにつくづく感謝する。 スマホがあれば分からない単語はすぐ検索できるし、高校生の頃はEx-wordが私の味方だった。Kindleは単語長押しで語義がポップアップするし、DeepLはやっぱり最強。 英語を理解できるだけで、アクセスできる情報は格段に増える。英語が使いこなせなくても、読み解くためのツールはすぐ側にある。そんな時代に生まれてラッキーだと素直に思う。 --- しかし「読み解くためのツール」を使いこなせる

          What is confidence?

          記録用

          表現はしたいけど発信はしたいと思わない。 だからこういう形で書くことにした。

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          記録用

          別れの季節に思うこと。

          東日本大震災が起きたのは、私が小学6年生の時でした。 巣立ちの日を前にして、背伸びしているのか、浮足立っているのか、12才の子どもたちが放つ独特の空気が満ちた教室で、帰りの会が行われていた、ちょうどそんな時間のことでした。 多くの日本人が経験したことのない巨大な揺れ。東京に住んでいた私も、大きな被害は受けなかったとは言え、少なからず日常を揺さぶられました。 卒業式の後の謝恩会がなくなり。友達とディズニーランドに行く予定がなくなり。じきに離れ離れになってしまうみんなとのお

          別れの季節に思うこと。

          出産を控えた生徒が、あまりにもたくましかった話。

          まずはこちらの写真をご覧ください。 毎週日曜に訪問している高校にて、去年のクリスマスに撮った写真です。(クリスマスなのに半袖なのは突っ込まないでください) 何か気付きませんか?……高校、にしては、キッズが多いと思いませんか? 何を隠そう、写真に写るキッズたちはみんな「ここに通う生徒の子どもたち」なのです。 というのも、私達がサポートしている「オープンハイスクール」には、早くに妊娠、出産をした生徒も多く通っているため、「若いお父さんお母さんがお勉強している横にくっついて

          出産を控えた生徒が、あまりにもたくましかった話。

          期待しないこと、でも信じること。

          ……ってすっごく難しい!! 相手に「期待」はしないけど、相手を「信じる」姿勢は貫くって、なんて難しいんだろう。その大切さはよく説かれるけど、全然できません。 今まさに悶々と考えながら、突き動かされるようにキーボードを叩いているところです。 --- フィリピンに来てから、あらゆることへの期待値が下がったと言うか、物事が自分の思う通りに進まなくても、あまり焦らなくなった気がしていました。 集合の時間を守ってもらえなくても、お願いしていた資料が締め切り通りに提出されなくて

          期待しないこと、でも信じること。

          本音を聞き出すって難しい。

          先生や生徒の課題や困りごとを解決したい、と思って現地で活動していても、「何に困っているか」なんて単純なことすら、一緒に過ごしているだけでは意外と見えてこないものだったりします。 少なくとも課題が山積していることは明白ですが、実際は何が一番大きな問題なのか、また「一番」とは言わずとも、どんなことが解決されると特にハッピーなのか。 そんなあれこれを地道に探ることは、国際協力の現場で働く者として、とても重要な役割です。 そういう意味で、こちらに来てから、「どのように話を聞くか

          本音を聞き出すって難しい。

          200時間分の振り返り。

          こちらに来てから、日々をちゃんと「振り返る」習慣がつきました。 それは、週に一度進捗を振り返るミーティングがあるから、そして、なんせ1人の時間が多い分、自分と対話することが増えたから、です。 特に前者の週次ミーティングは、インターンを始めるまで微塵も縁のなかった習慣。毎週報告書を作成して、それを元にオンラインで先輩や団体の職員さんと話し合い、なんて。 さっき、今までに作成した週間報告書を数えてみたら、1年半分で62本ありました。わお、結構書いてる。 1本作るのに長くて

          200時間分の振り返り。