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本音を聞き出すって難しい。

先生や生徒の課題や困りごとを解決したい、と思って現地で活動していても、「何に困っているか」なんて単純なことすら、一緒に過ごしているだけでは意外と見えてこないものだったりします。

少なくとも課題が山積していることは明白ですが、実際は何が一番大きな問題なのか、また「一番」とは言わずとも、どんなことが解決されると特にハッピーなのか。

そんなあれこれを地道に探ることは、国際協力の現場で働く者として、とても重要な役割です。

そういう意味で、こちらに来てから、「どのように話を聞くか」「どんな会話を通じて情報を得るか」に、すごく腐心してきた気がします。

そしてそれに関連して、今日は、私が所属している団体の職員さんからインターン生向けに、オンラインで「対話の仕方」についてレクチャーがあったんです。もう本当に勉強になって、これからすぐにでも役に立てねば……と思う学びばかりでした。

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学んだことの中で一番大切なポイントは「主観ではなく事実を聞きだすこと!」に尽きます。

WhyやHowではなく、WhenやWho、WhereやHow manyなど、なるべく主観を排除した質問を投げかける、ということです。

また、複雑な質問や想像しづらい質問ではなく、端的にYesやNoで答えられるものにすること。それが、正確な回答を引き出し、現状をつかむ為の鍵なのだそう。

このあたりまで聞いて、「あ〜身に覚えありまくり!」という感じでした。これまで何度現地の人を、イマイチな質問でポカーンとさせてきたでしょう……

例えば身近な例でいうと、生徒の英語力不足に課題を見出した時。

先生に「生徒はどうやって教科書の英文を読み解いているんですかねえ」とか「なぜこんなに簡単な単語も知らないんでしょうか」なんて聞いても、明確な事実としての答えなんて存在しないし、帰ってくるとしても主観的な回答でしょう。

ではなくて、例えば「先生はさっきの授業を英語で教えていたんですか?それともビサヤ語で教えていたんですか?」とか、「この前の宿題はどのくらいの量出したんですか?」とか、もっと現実に即したことを聞くんです。

そこでもし「彼らは英語の解説じゃ理解できないから、基本的にビサヤ語で教えるよ」とか「フィリピンでは生徒に宿題を強制できないのがルールなのよ」なんて返ってきたら、「英語に触れる機会がとにかく少ないんだな」と言えそうですよね。(ちなみに回答の中身はどちらも事実!)

あとは、何より当事者である生徒に話を聞くことも大事。そしてここでも、主観ではなくて事実を聞くことです。

例えば一緒に英文を前にして、「この単語は分かる?」「この行までは理解した?」なんて追っていけば、「どうしてこの文章を読むのが難しいと思うの?」と聞くよりも、よっぽど解像度高く生徒のレベルが掴めそうですよね。

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上に紹介したのはほんの一例ですが、ここには書ききれないほど、「現地の人の本音を聞き出す」はたまた「本人ですら自分で気づけていない課題に気づいてもらう」ためのテクニックをたくさん学べた時間でした。

私自身、1年半の間に自分なりに工夫し続けてはきたことですが、「今日の授業をもっと早く受けたかった!」と思ったくらいです。

とはいえ、今回教わったことは、海外だけじゃなくてどんな相手とのコミュニケーションにも活かせるスキル。今後もどんどん磨いていきたいと思います!

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