見出し画像

5月の記録

社会人2ヶ月目。GWもあったので割と読書や映画に時間を使えたり、友達の結婚式で広島に旅行したり、心が潤う時間が多かった。


映画

怒り

日本アカデミー賞を席巻した印象が強いけど、もう5年も前なんだ。登場人物みんなが何かに怒っている映画。その対象も表し方もさまざまで、静かに腹の底にたたえている人もいれば、涙と一緒に垂れ流す人もいれば、分かりやすく激昂する人もいる。キャストが演技派揃いで、感情がストレートに伝わってきて苦しかった。ラスト30分に鳥肌立った。

護られなかった者たちへ

震災後に起きた殺人事件を描くミステリー。そんな舞台設定に、生活保護という社会的なテーマが重なってくる、とても辛い映画。でも見つめるべき誰かの現実が描かれていると思ったし、「この苦しみは、誰を責めれば救われるのか」という叫びにハッとさせられた。

この子は邪悪

ホラーが観たい気分になって。舞台がちょうどよく親しみの湧く感じの町で、派手さはないけどゾクゾクする映画。南沙良ちゃんのピュアな雰囲気と、玉木宏の不気味な演技の対比が印象的だった。

THE FIRST SLAM DUNK

大大大ブームの理由が分かる、超超超かっこいい良い映画だった。映画館にいながら試合を観ている気持ちになるし、友達がDOLBY CINEMA(音響と映像が良いやつ)で予約してくれたお陰で、その感覚が倍増した気がする。原作者自らが監督を務めたことの凄みが伝わってきた。観た後めちゃバスケやりたくなりました。

花束みたいな恋をした

今更ながらネトフリで観た。恋愛もそうだけど、人生のあらゆる部分において、移り変わらないものはないんだなあ、と切ない気持ちになった。「花束」というメタファーはまさにそれ。Filmarksの感想欄に「社会に揉まれて自分じゃなくなる」とコメントしている人がいて、なんだかぐさっときた。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)

最後にコナンを劇場で観たのは6年前。にわかも良いところだけどブームに乗っかって観てきた。正直詳しい人ほど堪能しきれなかったのかな?とも思うけど、それでもハラハラして面白かった。そしてスピッツのエンディングが本当に素敵。映画見た後はしばらくずっとYouTubeで考察動画を漁っている。

百年法 上・下

不老治療が可能になった日本で、「治療から百年経ったら死ぬこと」という法律が成立する。久しぶりに読んだSF、めっっっちゃ面白かった。正直序盤は少し退屈だったけど、展開があってからは目が離せなくて、結局上下巻あっという間に読み切ってしまった。あと面白かった?驚いた?のは、作品の切り取り方に応じて、生死に対する自分自身の考え方やスタンスが二転三転するのを感じたこと。また数年後読み返してみたい。

百瀬、こっちを向いて。

高校生の時に読んで以来8年ぶりに開いてみた、サラッと読める恋愛モノの短編集。爽やかで、温かくて、読後感が良い。登場人物がみんな優しくて、すごく好きな一冊だなと改めて思った。

未来が変わる働き方 TAKE ACTION

Kindle Unlimitedで見つけて。働きながら、副業的に自分の志を実現するためのマインドや手法について記された本。「自己啓発本的な」括りにおいてあえて言うなら、書いてある内容は結構当たり前だと思う。でも慎さんだからこその凄みと圧倒的な説得力があった。

汝、星のごとく

今年の本屋大賞受賞作。奔放な親に振り回され育った二人の男女が、出会い、惹かれあい、すれ違いながら大人になっていく……という物語。あらすじだけ聞けばラブストーリーとして珍しくないけど、そこではない部分、この時代のヤングケアラーを描いたドラマとしてあまりにもリアルで、苦しかった。二人の行く先がどうか幸せであってほしい、と切に願いながら読み進めていたら、一晩であっという間に終えていた。「己を犠牲にして困難に生真面目に立ち向かうよりも、時に何かを切り捨てわがままになることこそ、強さである」というメッセージ(自己流解釈)にはハッとさせられた。

ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年12月 (NHK100分de名著)

大学で「教育格差」という授業を取っていて、その時に勉強したブルデュー。復習したくなり、でも原典を読める自信はなく、解説本を買った。タイトルの「ディスタンクシオン」は、英語では「Distinction(区別)」。格差の根源はお金だけではなく、定量化しがたい「育ちの良さ」とか「教養」とか、そういうのもあるよね(超意訳)、という理論。私自身もどちらかというと格差を感じやすい環境で育った(家庭の乏しい「賭け金」の中で、運良く社会階層を上らせてもらえた)ので、色々思うところがあった。

展示

ルーヴル美術館展 愛を描く

完全なミーハー心で行ったけど、想像以上に楽しかった。元々ルーヴルよりもオルセーが展示している系の作品(印象派とか)が好きだったけど、写実的な絵はそれはそれで、まじまじと観たくなる魅力や個性があるんだな。そして「愛」という主題が一貫していたから、それを念頭にモチーフの意味などを勉強できたのもよかった。

ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築

イギリスのデザイン集団「ヘザウィック・スタジオ」の作品をまとめた展示。再訪したくなるくらい超良かった。作品(各国の建築の模型など)の一つ一つがかっこよかったのはもちろん、「いつか自分の目で本物を観てみたい」と思える場所がたくさん増えたのが嬉しかった。デザインも実用も哲学も吹き込んだものづくりができる建築家って本当にすごいなあ。

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

映像作品など含めてとてもボリューミーで贅沢な展示だった。それこそルーヴル美術館展の主題が「愛」で一貫していたのと対照的で、こっちは作品や作者のメッセージに振り幅がありすぎて、頭の切り替えが大変なくらい。良かったなあ。あと森美術館のコレクションが充実していることにも驚いた。


最初に「心が潤う時間が多かった」と書いたけど、一方で仕事でもプライベートでも、気合を入れて悩まないといけないトピックがいくつかあり、ずっと頭の中がグルグルしていた。それでも5月病とは縁遠く、お出かけしまくる元気は有り余っていた。

ただその分なのか、ちょっと学生の延長みたいな感覚があったので、6月はもう少し大人に近づけるような何かをしないと。一人暮らしの物件探しをするとか、もうちょっと勉強するとか、そういう類の。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?