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妄想のカケラたち

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書く習慣アプリのお題 シロクマ文芸部のお題 ....などから妄想したもの
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

星に願いを【妄想のカケラ】

星に願いを【妄想のカケラ】

【星に願いを】

願いごとを書いた短冊が
ぬるい夜風に揺れている
闇を忘れたアーケード街のきらめきが
天の川の星々を残らず喰ってしまった
そんな、都会の空に、
何の期待もしてないのに
ふと手渡されてしまった短冊に
ぽつんとした願いごとをしたためた_

お題:七夕

書く習慣アプリのお題「七夕」から #詩のようなもの

思い出は還らない【妄想のカケラ】

思い出は還らない【妄想のカケラ】

あの時、埋めた宝箱をひとりで掘り返す
箱を開けると懐かしい香りのする品々と共に
一緒に開けようと約束した君から
未来の僕に宛てた手紙
それがほろ苦くて
滲んでなくなってしまいそうな視界を
繋ぎ止めるようにぐっと力を込めた_

お題:友達の思い出

書く習慣アプリのお題「友達の思い出」から #詩のようなもの  

失恋【妄想のカケラ】

失恋【妄想のカケラ】

失くしてしまうのが怖くて
ぎゅっと握りしめていたら
知らないうちに壊れていた_

お題:失恋

書く習慣アプリのお題「失恋」から #詩

身も心もyellow、yellow、(3行日記)

身も心もyellow、yellow、(3行日記)

【身も心もyellow、yellow、】

大陸から吹く風が街をイエローのフィルター加工
ぼんやりソフトな黄色の薄曇りの街で私にもかかるフィルター
今日は身も心もソフトなイエローでいられそう_

桜散る(3行日記)【妄想のカケラ】

桜散る(3行日記)【妄想のカケラ】

桜散る
あの満開の華やいだ休日が夢のよう
若い緑の葉をつけ始めたユリノキが花を散らし切った風にうかれている

お題:桜散る

書く習慣アプリのお題「桜散る」から #3行日記

キリトリ世界のないものねだり屋【妄想のカケラ】

キリトリ世界のないものねだり屋【妄想のカケラ】

【キリトリ世界のないものねだり屋】

この小さなスマホ画面の中身を筆頭に
世界は「うらやましい」でいっぱいだ
そんなものに目を背けるようにうつむいて歩くと
花屋の軒先に芽吹いたヒヤシンスと桜の苗木
足元の小さな春を見つけたよ
今この瞬間の私だけの小さな春を
スマホ画面にそっと切り撮ると
少しだけ「うらやましい」が和らいだ気がしたよ

お題:ないものねだり

書く習慣アプリのお題「ないものねだり」か

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夜を待つ理由【妄想のカケラ】

夜を待つ理由【妄想のカケラ】

夜を待つ理由

雨が降りそうだけど夜が来るのを待っている
ほら、ずっと向こうにネオンの灯りが見えてきたよ
君の行った遠い街の明るい灯り
降り出した雨にけぶりながらも輝いている
おやすみを言うタイミングを逃しそうなくらい
明るく輝いている

君はどうしているのだろう?…

気になるけれど、
灯りに背を向けてこうもり傘をさす
確かめに行く勇気はないから暗い
僕の街へ戻ってこうもりになろうと思う__

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追伸・海の底のひとりぼっちより【詩】

追伸・海の底のひとりぼっちより【詩】

追伸・海の底のひとりぼっちより

誰かの捨てたアンテナがゆっくりと落ちて来て
掴んだ私は海底ラジオ

流れる唄は懐かしの昭和歌謡から心に沁みる系

グロテスクな気味の悪い姿をした
深い海の生き物たちが集まり始め
もの静かに耳を傾ける

全てが思慮深く、穏やかな海の底

そうして私は、
いつの間にかひとりぼっちではなくなっていたよ。

今回はこちらの続編です↓

書く習慣アプリのお題「海の底」から

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海の底のひとりぼっちより【詩】

海の底のひとりぼっちより【詩】

海の底のひとりぼっちより

ひとりぼっちの海の底
誰かとつながりたくて
Bluetoothをオンにしたけど
私を受信する何モノもここにはなくて
やっぱりひとりぼっちの海の底
#海の底

書く習慣アプリのお題「海の底」から #詩

以前の同じお題の作品もどうぞ↓

ちゃんと言う派【妄想のカケラ】

ちゃんと言う派【妄想のカケラ】

ちゃんと言う派

「さよなら」はちゃんと言いたい
また、「出会う」ために...

お題:さよならは言わないで

書く習慣アプリのお題「さよならは言わないで」から #詩のようなもの  

夫婦【詩のようなもの】

夫婦【詩のようなもの】

#136 夫婦

アレや、アレ!
と言われて
アレな。
と即答できるようになった
21年目

お題:あなたとわたし

書く習慣アプリのお題「あなたとわたし」から #詩のようなもの

放課後【詩】

放課後【詩】

133 放課後

制服のリボンの結び目と前髪が気になって仕方ないワタシたち

廊下の窓から見える海が夏色になってきたヨ

お揃いのマスコットをカバンにぶら下げてチョコレートパフェを食べに行こう

希望進路の紙は週末に書いたらいいじゃん
決めなくちゃいけないミライはとりあえず保留にして、チョコレートパフェのイマを味わおう。

お題: 懐かしく思うこと

書く習慣アプリのお題「懐かしく思うこと」から

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夜の灯りを喰らうひと【超ショート】

夜の灯りを喰らうひと【超ショート】

#125 夜の灯りを喰らうひと

夜の灯りが地上に広がる
このひとつひとつの灯りに
人生があり幸せがある

今夜も地上に広がる灯りに手を伸ばすと
灯りは一粒のあめ玉となり
彼はそれを口に運んだ

誰かの幸せが胃袋に広がる

叶うなら、喰らう側ではなく
これら一つの
ただの灯りになりたかった...

そんな憂鬱を抱きながら
彼は灯りのあめ玉をもう一粒口に入れた

あぁ 胸が焼ける
でも 今夜はもう少

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砂になるまでリフレイン【詩】

砂になるまでリフレイン【詩】

#124 砂になるまでリフレイン

浜辺の波が奏でる唄は
流れ着いた貝殻の
秘めた記憶の
遠い遠いどこかの唄

長旅の末、欠けてしまった貝殻の
欠けた唄の不完全なメロディーを
波は構わずにリフレインします

繰り返す波に洗われて
貝殻が砂となり
唄が消えてしまうまで__

書く習慣アプリのお題「貝が」から #詩