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藍
2024年12月22日 20:07
横たわる瞼のそばにゼラニウムオレンジ色の光が透過してしまうまえに追いかける羊のそばにゼラニウムその絹の糸がほつれてしまわないように横たわる瞼はオルゴールの箱のよう濾過した真珠の光のようかごに積んで帰りましょう
2024年12月17日 12:14
間違い探しの刹那見上げた横頬に慟哭の痕あ散歩のさなか向かい合う背中に苦悶の影そう抱きしめようか抱きしめようメヌエットの拍子数える歌声エメラルドそう此処にいようか此処にいよう
2024年12月16日 13:40
霧の中に貴方の歌声 響いて響いて靄の中のわたしの旋律流れて流れて届け合う白い鳩たち私は目覚ましにする澄んだ青の協和音深い緑の通奏低音私は目覚ましにする響いて響いて
2024年12月14日 19:13
深く沈んだ深海で瑠璃色のしずくが流れている少女は瞼を閉じて瑠璃色のしずくに気づかない少女は微かに遠くから柔らかい人魚の声を聴いた深く沈んだ深海で心地よい歌声が瑠璃色のしずくをなぐさめていた
2024年12月12日 02:44
ガソリンで溶かしたチョコレートを顔に塗りたくり暖をとる黒海で茹でたブロッコリーを脚で踏んで柔軟をするガソリンを飲み込んだ女がこちらを見て微笑んだ海水を飲み込んだ男がさめざめと泣いていた
2024年12月8日 23:52
冬に鶯が鳴いているあゝとても可愛らしいわね騒々しい春に蝉が鳴いているあゝとても綺麗な声ね憎たらしい夏に狼が鳴いているあゝ泣くことしかできない可愛らしいすべての声を捻り潰して搾り取った血を飲む私
2024年12月4日 22:30
倒れかかる白のまるに直立不動の黒のしかく五角形の地平線が織りなす和音に円周率が4.82357三角錐の底辺が五角形ビルエヴァンスの丸を鞄にコルトレーンの四角を静脈に
2024年12月2日 21:12
貴方のてのひらのなかに満月淡くて優しい色をはなつ満月貴方の声は月の上に生きるさえずり貴方の指は廻る宇宙の小惑星私のてのひらのうえに木星苦くて甘い味のような木星煌々と光る隕石たち息を吐けばガリレオたち
2024年11月30日 21:46
音速を超えた生活が蔦のように私の神経に絡みつく光速を超えた言葉がガムのように私の頭蓋骨を覆ってゆく日は西から登り東に沈む月は満ちて欠けずに溢れ出る覆ってゆく覆ってゆく叩かれ煌めく私の頭蓋骨打ち付ける打ち付ける縛られ煌めく私の頭蓋骨
2024年11月29日 11:25
すべての傷が癒えたとして宇宙の水は綺麗だろうかすべての傷が癒えたとして森林たちが唄うだろうか冷たい音楽が響いたとして泣き叫ぶ雫が聴こえるだろうか貴方があたたかい凶器を手にしたとてこの地球に聖歌が響くだろうか
2024年11月28日 14:51
橙色の蚊帳が平面のように街に張り付いているプリズムを放つ金魚鉢ゆっくりと歩く恐竜橙色の蚊帳が夜に張り付いている緑と藍色にせめぎあうマラカスのような人々橙色の蚊帳が世界を覆い尽くしている夜が柚子の匂いで満たされる
2024年11月27日 23:05
あ、流水の中の赤美しいあ、割れた爪の白美しいざらざらしている毛皮のよう堅いようで柔らかいあ、増えてる半透明の頬美しいあ、少し猫のようなあたま美しいタイムカプセルみたいでいつもいつも美しい
2024年11月26日 00:18
ベルトコンベアに乗せられた仮面有象無象の舞踏会ベルトコンベアに乗せられたわたし狂乱錯綜の舞踏会秋に準えワルツのリズム5つのステップかなり怪奇流れた仮面が行きつくヘドロ舞踏会は葡萄のように流れる仮面は舞踏のように流れる顔面不凍のように
2024年11月23日 09:15
暗闇に流れるベージュ悠久の時が流れる藍色暗闇に佇む足跡遥か隣に暖かい指紋暗闇に流れるベージュビロードのような流砂を纏う暗闇に響く影光の束で包む惑星遥か隣にやわらかい声