マガジンのカバー画像

日記

534
◯2020/12/25〜2022/02/03 ◯2022/02/04〜2022/08/07 ◯2022/08/08〜お休み中
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

2021/01/30(未明-p.345)

 遠藤周作の『悲しみの歌』が好きで、この小説の中にも末期のガンの痛みに苦しむ患者が、勝呂という医者に、
「殺してくれ」
 と訴える場面が何度も出てきて、勝呂はこの患者の痛みがわかるからラクにしてやりたいと思うんだけど、でも「自分のおじいちゃんは恢復する」と信じて勝呂を信じている、患者の孫娘のことを考えるとそんなことはできないって葛藤する場面が何度も出てくる。勝呂も患者が治るならもちろん治すための努

もっとみる

2021/01/29(未明-p.342)

 チャーちゃんが死ぬ前、チャーちゃんは毎日のように獣医に四、五時間ぐらいずついて点滴をして帰ってきて、もうチャーちゃんは弱りきり、(…)(保坂和志『未明の闘争(上)』講談社文庫、p.319)

 この一節の前に、

 きっと最初のうちは二年後が恐くてしょうがないが、そのうち再発することなんて忘れてチャーちゃんといままでどおり暢気に毎日楽しく遊んでしまう。
「そうなったらいいねえ。」しかしそうはなら

もっとみる

2021/01/28(未明-p.332)

 誤解しまくっている。『未明の闘争』p.325、ずっと猫の話をされつづけて「猫、かわいい」と思いながら読んでいて、突然、村中鳴海が出てきて、
「そうだ、そうだ。この人と喫茶店かどっかにいたんだ」
 と思い出した。村中鳴海と私が喫茶店にいる場面が書かれていたはずなのにいつの間にかブンとピルルとチャーちゃんの話になっていて、そもそも私と村中鳴海がどんな関係だったかも忘れてしまって、突然、
「このままど

もっとみる

2021/01/27(未明-p.321)

 昨日は「何も書くことがない」というところから文章を書きはじめて、敬愛する爆笑問題の太田光はラジオ番組で、
「俺も「今日は書くことない」って雑誌のコラムで書き出したこともあるけど、そんな文章、ぜんぜん面白くないよ」
 と言っていたんだけど、俺はむしろ、「今日は何も書くことない」ってところから始めた方が面白い文章を書けることの方が多かった。
 何も書くことがないから場当たり的に書いていくと、話題が奔

もっとみる

2021/01/26(未明-p.317)

 いそがしい。『未明の闘争』『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』『推し、燃ゆ』『猫がこなくなった』『続•伊藤比呂美詩集』、5冊の本を読まないといけない。いけないと決めたのは俺なんだけど、それに加えてnoteのこの日記を書いて、プライベートの日記を書いて、小説も書くから時間がない。ぼーっともしてたい。バイトにも行かないといけない。家事もしなきゃいけない。21時には布団に入りたい。そうなるといそがしい。

もっとみる

2021/01/25(未明-p.313)

 いつもは日記はポメラというパソコンのちっちゃい版みたいなら機械で日記を書いていて、これがすごくよくて、キングジムという文房具とかオフィス用品を作って売ってる会社で、ポメラは文章を書くのに特化した機械だから、noteに投稿してる文章のほとんどはポメラで打ち込んでる。去年の夏に毎日投稿してた「カフカ式断片的日記練習帳」という、めっちゃ名前の長い、ぐだぐだぐだぐだ言っているこの名前を変えたいんだけど、

もっとみる

2021/01/24(未明-p.297)

 会社の景気は悪くなかった。何しろ八年前のことだ。世間はまだ全然バブルだったからバブルという言葉もなかった。でも景気がいいってことは忙しいってことだ。景気がいいというのは会社だけで働いてる方は忙しいだけだ。でもみんなバカだから、「景気いい」「景気いい」っていって、すげえ感じ悪かった。あんとき辞めてて、大正解だった。退職金がガッポリ出たし、失業保険もいっぱい出た。(保坂和志『未明の闘争(上)』講談社

もっとみる

2021/01/23(未明-p.286)

 普通二輪の免許取得のために教習所に通っている。何日か前、自転車の後輪がパンクした。ずっと空気圧が減っていて、自分ん家の空気入れを使ったんだけど、小さな穴が開いているのかうまく入らなかった。一昨年の11月にパンクしたとき近所の自転車屋さんに持って行って、
「1年ぐらいで自転車は痛んでしまうので、1年後メンテナンスにいらして下さい」
 と言われ、その言葉を忘れてたわけではない。忘れん坊の俺にしたら1

もっとみる

2021/01/22(未明-p.270)

「高橋源一郎の飛ぶ教室」に芥川賞を獲った宇佐見りんさんが出ていて、この番組はradikoのタイムフリーでは聴けなくなってしまうからリアルタイムで聴いたんだけど、正直なにを言っているのかわからなかった。
 カンタンに言ってしまうと「会話の内容のレベルが高すぎて」ってことなんだけど、21歳でそのとんでもなく高い境地に達しているのもよくわからんし、何を食べたらそんなことになる? 今日バスで帰りながら、

もっとみる

2021/01/21(未明-p.260)

 自転車操業になりそうでならない。投稿の前日に「終わらないっ!」とヒーヒー言いながら、書いてる日はいまのところまだない。書けない日に書かなきゃいけないのって本当につらくて、誰にも見せない日記なら別になんでもいいと腹をくくれるんだけど、投稿しなきゃいけない文章はつらい。
「こんなつまらない文章を読ませてしまって申し訳ない」って気持ちになるわけではない。自分が退屈していることがつらい。

 日記に「自

もっとみる

2021/01/20(未明-p.258)

 
 毎年、河川敷でおこなわれる町内会のどんど焼きで振る舞われる豚汁と甘酒が好きだった。豚汁と甘酒がセットで100円、どこにでもあると言ったら失礼だけど、有志のおばさんおじさんが作る豚汁と甘酒なんだけど、寒い風がたまにビュービュー吹き付ける中、正月飾りや達磨が放り込まれた火を見ながら、「あったけぇ〜」と思いながら飲むのはやっぱり美味しかった。

 小学校、中学校のころは年末年始は家族でスキーに行く

もっとみる

2021/01/19(未明-p.250)

 当たった……。

 夜バイトから帰ってくると荷物が届いていて、先日六本木の蔦屋書店のイベントで、オンラインの保坂和志と山本浩貴のトークイベントがあり、視聴できるチケットとサイン本を購入していた。
 イベントの前にできたら本は読んでおこうと思って、というのは、YouTubeに挙がっている山下澄人とのトークイベントの動画(「書く気のない人のための小説入門」めちゃくちゃおもしろい)で、そのときは山下澄

もっとみる

2021/01/18(未明-p.237)

 昨日『未明の闘争』を読んでて、本の内容とはまったく関係ないことだったけど、悟りがあった。
「ああ。あれってこういうことよね」
 みたいな気持ちになったんだけど、「悟り」だから言葉にできなかった。

 この悟ったときのこの感じをどう表現したらいいんだろうと考えたら、「悟り」は論理的に説明できたり理解できたりすることじゃなくて、頭で理解できることじゃなくて、もっと肉体とか皮膚感覚に近いものかなと思っ

もっとみる

2021/01/17(未明-p.230)

 ラジオパーソナリティーっぽい、と感じるときがあって、漫才は二人で「ボケ」と「ツッコミ」がいて「ボケ」の人が変なことを言ってそれを「ツッコミ」の人が突っ込むけれど、ひとりラジオパーソナリティーはそれをひとりでやる。ひとりでボケて、ひとりで突っ込む。
 それは「漫談」とは少しちがう。漫談は掛け合いっぽくない。あくまでひとり語り、という感じがする。これは僕の印象の話なので人によっては「そんなことないよ

もっとみる