2021/01/27(未明-p.321)


 昨日は「何も書くことがない」というところから文章を書きはじめて、敬愛する爆笑問題の太田光はラジオ番組で、
「俺も「今日は書くことない」って雑誌のコラムで書き出したこともあるけど、そんな文章、ぜんぜん面白くないよ」
 と言っていたんだけど、俺はむしろ、「今日は何も書くことない」ってところから始めた方が面白い文章を書けることの方が多かった。
 何も書くことがないから場当たり的に書いていくと、話題が奔放に展開していく。何も書きたいことがないから自由に脱線していってくれる。反対に「今日はこれについて書きたい」ってものがあるとそれを書いた途端に満足してしまうし、それ以上脱線できないし、「書こう」となんとなく決めていたことを書くだけだからそれ以上広がることもなくて、発見がない。何も書くことがないとどんどん話が脱線していって書き終わるときに、
「こんな変な場所に来ちゃった……」
 っておかしさがある。書きたいことがあると終着点は書き出す前から決まってるから「変なところに来ちゃった感」はない。予定調和とまでは言わないけど、発見はない。

   ◯

『秘密戦隊ゴレンジャー』の全話配信がYouTubeではじまった。毎週火曜日の夜に2話ずつ、昨日は初回と第2話が配信された。
 5人の若者がゴレンジャーになるまでのシナリオはすこし乱暴にも思えるけれどそんなことはどうでもよくて、名乗りのシーンはやっぱりかっこいい。
 昔、テレビの特集番組で見た記憶があるのは、当時人気が落ち込んでいた『仮面ライダー』とは異なる新しいヒーローを作ろうと、まず仮面ライダーは“単独ヒーロー”だったのをゴレンジャーでは“グループヒーロー”に、そしてコスチュームも単調なものではなく“赤・青・黄・桃・緑”とカラフルにして差別化を図り、当時の子どもたちに大ヒットした。
 1970年代は今よりもたくさん特撮ヒーローの番組は撮られていただろうから、仮面ライダーのおかげてそうだったということではないんだろうけど、1話目からなんとなく洗練されてる感じがして、名乗りの後カメラの上をジャンプする、あおりのカットは特にかっこいい。『大戦隊ゴーグルファイブ』の初回は名乗りの後、ビルの屋上(といっても3階か4階ぐらいの建物)から横一列にならんで飛び降りるんだけど、バックにオープニング曲のイントロが流れる中、スローモーションで飛び降りてくる様がめちゃくちゃかっこいい。ゴレンジャーの初回を見てそのシーンを思い出した。
 ジャニーズのコンサートは舞台が高く、お客さんは常に見上げる姿勢になるようにわざとしてるらしいけど、ヒーローも同じように見上げるとよりかっこよく見える。

 仮面ライダーと戦隊モノの差別化のことをちょっと書いたけどそれに加えて、戦隊モノはポップだから好きだ。仮面ライダーの、
「♪ひと〜りゆ〜く ひとりゆく 仮面ライダー」
 の、“ひとりで戦う”とか、
「♪悲しみ〜を乗り越えて」
 みたいな“シリアスさ”とかも好きなんだけど、カラフルでポップで、グループでわちゃわちゃ戦う戦隊モノの方がより好きだ。なんか安心して観てられる。

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