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【今最も必要だと思う教育、実は〇〇】

【今最も必要だと思う教育、実は〇〇】

教育及び年齢を限定しない人材育成。
これがまちの将来の行く末を握っている、そういうことを書いてきた。
これを考えなけば、その場しのぎの付け焼き刃で全てが終わる可能性があるからだ。

多くの施策は、応急措置に過ぎない。だから、子どもの頃からの教育がそのまちの未来を決定づけることになるだろう。

その上で、僕が今、最も早急に手を打たねばならないと思っているのは、小中の教育現場への何か、ではない。


ではそれは何か。


それは
「発達障害への理解」だ。


そしてここで述べたいのは、対子どもたちの教育ではなく、
対大人の学びの提供である。


つまり、
親になる、または親になった大人の皆さんに向けた「発達障害への理解」、その理解のための教育、学びの場の提供である。



さらに、もう一段ある。

これを推進するための、関係者・専門家による協議会の発足である。
発達障害とそれに近い特性を持つ子たちへのサポートには、教育では事足りず、医療・福祉の支援が絶対的に必要となる。それをスムーズに遂行するには、各所の連携が欠かせない。その連携のためでもあり、加えてこのチームが啓発についても学びの場を提供できれば、よりスムーズな支援が期待されうるはずだ。



学びの場の提供に話を戻す。

親御さん向けに、ウルトラ早い段階で、そして継続的に、学びの場を提供する。
子育ての大変さ、小さな子であればあるほど、を考えると、これは、義務教育と呼べるレベルでの、全親御さん向けを目指すべきだ。

親になる(親になった)全大人への義務教育だ。

当然、行政主導の税金投入をもって、である。


データを見ておく。
2021年、民間シンクタンクである野村総研の推測では、発達障害を抱える方々を人材として活用できていないことでの損失は、年間2.3兆円との試算を発表済みだ。

そしてこれは今後も確実に増える。
経済的に考えても、税金を投入する意味がそもそもあるのだ。

加えて、当然のことながら、人の権利、困難を抱える方々の生活の保証につながるものである。
福祉面で見れば、これこそ必要な社会におけるセーフティーネットとなろう。

数字は曖昧だが、現状、推測されうる範囲で、発達障害は、子どもたち世代で5-10%ほど。すでに見過ごしていい数字ではなかろう。


また、不登校の増加もこれに大きく関連していることは言うまでもないだろう。


そこに重要になってくるのは、専門家や教育関係者「以外」の方々への啓発、つまり理解だ。

専門家や教育関係者だけがこの子たちを支援しても、生きている社会は、その地域である。専門家だけの中で育っていくわけではない。むしろそうでない一般大衆の中でこそ、人は育つのだ。

発達障害の特性を考えると、多くの場では、誤った対処、対応がされやすい。誤った対応は、彼ら・彼女らの症状を悪くするものである。これでは専門家の努力は水の泡と化す。


そして、この理解を促す学びを、「早急に」と考えるのは、その子たちが幼い時からのサポートを要求するからに他ならない。

巷では大人の発達障害が増えている。
ここには、大人になるまで、見過ごされ放置されていたがゆえの、難しさを伴ったものが多い。

何より多くの親の不理解は、我が子の特性に気づかないという盲点を生み出す。
子育てはどんどん、子どもにとって悪影響になりかねないものになってしまう。


実際のところ、我が子への不理解は、リアルに、顕著だ。
子どもたちは、特性を見過ごされ、不遇なまま子ども時代を過ごす。
その悪影響ははかりし得ないものだ。


他にもある。

それは、該当しない親子の対応である。

自分の子は発達障害ではない、だから関係がない、ではないのだ。発達障害でない人たちが、発達障害を抱える子にどう接し、どう対応していくか、実はこれがとても難しい。

残念なよくある姿は、無知故に、
「あの子はやばい子、近づくな」と、親子共々が考えてしまうもの。

排除、切り捨て・・・。
偏見、差別・・・。

このことこそが、実は、自分たちの共同体を脅かす、最大の脅威ではないだろうか。



最後に、地方と人口動態について。

少子化、高齢化は当然、地方においては最強レベルの課題だ。人口統計で見過ごされているのが、働けないかもしれない若者と子ども世代の問題である。ここに関わりの出てくる発達障害という特性。
ここをしっかりサポートすることができなければ、我々は働き手をさらに失いかねないのだ。

不登校が大きく増加してきたことも、そのまま社会に出る働き手を失う可能性が高まっていることを考えると、その深刻さは、人口統計に表れないからこそ、緊急事態だとも言える。



まとめる。

・発達障害に関する学びを、まち単位で、義務化(それに近い形)する。できるだけ負担をかけない形で、かつ継続的に。

・受講者の、子育ての負担にならないように(金銭的インセンティブもあり/デジタルツール等活用)

・そのために、専門家や各所関係者を集めた、協議会(的な)ものを立ち上げる。(個人情報共有に細心の注意を払いながら/このことは教育でも福祉でも今後の個人情報取り扱いの試金石になる)

・ちゃんと税金を投じる



いうことが今、僕が喫緊の課題、早急に考えるべき取り組みだと、思っていることです。

国がやらなくてもやる、
それが、まちという単位でできることでしょう?



ー注釈ー
 以下、厚生労働省HPより引用転載

「発達障害とは」
生まれつきの特性です
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。�これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。

以上


(おわり)



記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。