STP分析って何？
STP分析とは
・セグメンテーション（Segmentation）
・ターゲティング（Targeting）
・ポジショニング（Positioning）
の頭文字からSTP分析と言われております。
STP分析を要約すると
市場の中から、顧客を特定して、自社の商品やサービスの立ち位置を定めて、差別化するマーケティングの手法です。
一般的には、最初にセグメンテーション、その後にターゲティング、最後にポジショニングの順番で分析をおこないます。
■セグメンテーション（Segmentation）とは？
市場細分化であり、
自社の商品やサービスが存在する市場において、「顧客を同じ性質やニーズを持つセグメントに分けること」です。
市場に存在する顧客は、どのようなグループに分けられているのかを分析する作業です。
それでは、どのように顧客のセグメントをおこなえばいいのでしょうか。
顧客をセグメントする方法として、
いつ、どこで、誰が、なぜ/どのように
切り口で考えるとセグメントのイメージができるかと思います。
ここでよく用いられるのが、
・地理的変数（ジオグラフィック）で切り分ける方法
地域、気候、人口密度など。
例）東日本/西日本、都心/地方
・人口動態変数（デモグラフィック）で切り分ける方法
性別、年齢、職業、所得、家族構成など。
例）男性/女性、会社員/公務員/士業、年収〇〇○万円以上、既婚/未婚
・顧客の価値観や購買行動（サイコグラフィック）で切り分ける方法
価値観やライフスタイル、性格、好み
例）健康志向、環境志向、新しいものが好き、都会型、保守的
セグメンテーション分析を行うことで、市場がどのように細分化されているか、把握する事ができます。
■ターゲティング（Targeting）とは？
市場の顧客をセグメンテーションした後に、そのセグメントされた中から、「自社が戦うべき土俵を決めること」です。狙うべき標的市場を決定する作業です。
どのようにターゲティング（標的市場の設定）をおこなうのでしょうか。
ターゲティングを決める方法として、６Rを活用します。
・市場規模（Realistic Scale）：商売として成り立つ市場規模なの？
・成長性（Rate of Growth）：市場の成長段階は？シェアの拡大は？
・顧客の優先順位/波及効果（Rank/Ripple Effect）：周囲への影響力や拡散力あるの？
・到達可能性（Reach）：顧客に的確にアプローチできる？地理的にどうなの？
・競合（Rival）：ブルーオーシャン？競合の状況はどうなの？
・反応の測定可能性（Response）：効果を測定できる？PDCA回せる？
６Rを活用して、総合的に評価しながら、ターゲティングをおこないます。
例えば、競合がいないブルーオーシャンを狙おうとしても、その市場規模が小さければ、その土俵で戦う価値はありません。
市場へのインパクトや模倣困難性、成長性など総合的に評価をおこなうことが重要です。
■ポジショニング（Positioning）とは？
ターゲットの顧客に対して、「自社の商品やサービスをどう認知させるか」を決定する作業です。
どんなに素晴らしい商品やサービスを提供しても、顧客に対して、その価値が伝わっていなければ、意味がありません。
価値を認めてもらえる、差別化したユニークなイメージをつくります。
どのようにポジショニングを決定すればいいのでしょうか。
簡単な方法としては、ポジショニングマップを活用する方法です。
プロダクトライフサイクルによってポジショニングマップの軸は変異していきますが、ここでは、一般的な軸で考えてみます。
例えば、ホテル業界でポジショニングをしてみましょう。
縦軸を機能軸として、横軸を情緒軸に設定します。
縦の軸を、最高のおもてなしと一般的なサービス提供
横の軸を、日常的と非日常的
このポジショニングをより鮮明してユニークな表現をおこなうことで、他者との差別化を行い、顧客に対して、自社の商品やサービスの存在を示すことができます。
注意点として、
顧客が共感しているか。企業のイメージやブランドと整合性があるか。
などの顧客側の視点と企業のブランド側も抑えてポジショニングを選定しなければ、マーケティング担当者の独りよがりになってしまいます。
特に顧客の視点を忘れてはいけません。
また、顧客KBFをベースにポジショニングマップを作成することをおすすめします。
■最後に
STP分析は、マーケティングには、欠かせない分析手法です。
自社の強みや弱みなどの理解も深めておかないと整合性のないSTP分析になってしまう為、SWOT分析で外部と内部の状況把握をしておくことも重要です。
STP分析を活用して、どの市場で戦い、どのように価値を伝えるのか。
意志を持ってマーケティング全体の戦略を組み立てましょう。
関連リンク
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？