槇仁彦

29歳ではじめたエンディングノート。平均余命2年の脳腫瘍を抱えたことで、”いまこの瞬間…

槇仁彦

29歳ではじめたエンディングノート。平均余命2年の脳腫瘍を抱えたことで、”いまこの瞬間”を生きることの喜びや幸せに気づき、これを伝え続けることが人生ミッションと思って生きています。

最近の記事

  • 固定された記事

31歳が余命2年の脳腫瘍を克服した事実が、誰かの何かのきっかけになればと願って。|2021/11/07

僕が抱えた脳腫瘍の正式名称は「グリオブラストーマ(神経膠芽腫)」 名前からして本当に強そうだけど、実際も相当手強い。(らしい) 平均余命2年、5年生存率10% これは、既に何度も触れてきた神経膠芽腫の統計。 最近になって改めて調べてみると、診断された患者の生存期間中央値は14.6ヵ月との記載も。 僕が診断されたのは2020年1月4日なので、平均的にはもう死んでいてもおかしくないわけです。 既に人生は延長戦。言い替えれば、ギフト。本当にありがたい毎日、いまこの瞬間を過ごし

    • いまを生きるための、居場所づくり。|2023/06/03

      いきまるでの活動をはじめた当初から、子どもたちには「いまを生きる」ってメッセージをそのまま伝えたことはない。 生きてるよ?当たり前じゃないの?? 活動に参加してくれているメインの年齢層である年長~小学4年生くらいに、いまを生きるってこと直接伝えてもピンとこないだろうし、それをかみ砕いてキチンと伝えきるスキルは、現時点で僕にはない。 だから「五感フル活用で心動く体験」を通していまこの瞬間が楽しいと感じてもらえることを、いきまるのコドモゴトのぶらしてはいけない軸としている。

      • 生生流転。|2022/10/27

        20年以上の付き合いになる幼馴染との別れ。 11か月前に知り合った戦友との別れ。 秋になって立て続けにその知らせを受けて。 到底受け入れられないし、寂しいし、悲しいし。 別れはいつだって突然だなあ、非情だな。って思いながらも、 当人は懸命に生きたんだよね。突然だなんて、こっちの都合。 いま生きているこの事実に感謝して、 いまを明るく前向きに生きることでしかないと、改めて思う。 いつかどこかで必ず巡り合うよ、またね!!!!

        • SaveOurPlayGround|2022/08/16

          コロナ禍でも夏に子どもが安心安全に遊べる海に! を、合言葉に鎌倉ライフガードでスタートしたプロジェクト。 思い返せば、2020年は春先に臨時休校となって子どもたちの居場所が一気に失われかけていた時期。 まだまだ短いながらにSOPGの歴史を辿ると、青空学級で「子どもの居場所」を意識したところにはじまりがあるんだと再認識しています。 青空学級、またやりたいなあ。学校休んで来ていいよ!なんて、大々的には言えないのがもどかしい... ちなみに、SOPGの名づけ親はご近所さん。(徒歩

        • 固定された記事

        31歳が余命2年の脳腫瘍を克服した事実が、誰かの何かのきっかけになればと願って。|2021/11/07

          いまを生きる人を応援する。|2022/08/13

          当たり前の日常の延長に突然、意識することになった死。 一回きりの人生後悔ないように生きようと過ごしてはいたものの、本当に君は死ぬんだよってことを突き付けられて、いかに生ぬるい感覚で生きてきたのかを痛感しました。 ぼくの場合は余命を知ったことがきっかけだけど、誰にでもありえることであって死は万人に共通していること。 未来を悲観せず、過去に後悔せず、いまこの瞬間に生き続ける。 終活を宣言して以来、念仏のように繰り返してきた生き方は、明るく前向きに人生を送るのに必要なことである

          いまを生きる人を応援する。|2022/08/13

          而今|2022/03/19

          『未来に囚われず、過去に囚われず。 いまこの瞬間に生きていくこと。』 端的に、適格に。一番伝えたいことを表現している言葉。 日本酒もお好き。いまを楽しもうと飲みすぎると翌7時だって31時。 而今に限らず、お酒はほどほどです。 言葉やネーミングは中途半端にできない性格なもので、 設立する団体の名称をなかなか決められない日々、、、 言葉を大切に、これまた誰かのきっかけづくりをしている方からお声がけいただき。 ぼくの経験を、彼女の連載テーマに沿ってまとめてくださいました。

          而今|2022/03/19

          公募型写真展「病からの伝言」|2022/03/10

          昨年秋、Instagramで突然届いたメッセージ。 送り主は「病からの伝言~光と闇の狭間写真展~」と題したアカウント。 ”病をきっかけに感じた世界、想いを写真一枚と150字で届けて欲しい。” 脳腫瘍の経験を語る上で「誰かの何かのきっかけに」を、キーワードにしている僕にとって、こうして他の誰かのきっかけづくりをしている人に出会えることはとてもラッキーだなあと感じて、出展を即決。 聞けば、今後は全国各地で開催をしていきたいとのこと。その記念すべき第一回に、一出展者ながら携われ

          公募型写真展「病からの伝言」|2022/03/10

          皆、一歩前に進む春。|2022/03/03

          子どもが幼稚園に通うようになり、長女はまもなく卒園。 学生以来「あと何年」を意識することは殆どなくなっていて、考える時間軸はだいたいがプロジェクトベース。(何年後の夢とか僕は持てない。) 学校や幼稚園の必ず終わりがくるシステムは時間の有限性を意識するのにとても良いし、何より懐かしい。 現在進行形でいまを楽しみ尽くしている長女、気持ちはもう小学校。 ランドセル背負って大好きな友だちと、近所のお兄さんお姉さんたちと一緒に登校するのが楽しみで仕方ないみたい。 「幼稚園、もうあと

          皆、一歩前に進む春。|2022/03/03

          いのちの授業。|2021/11/18

          先日、20年以上の付き合いになる友人との繋がりから、都内私立中学校でいのちの授業を。 いまの子どもたちを取り巻く環境は、知れば知るほど悲しさと不安が募る。 我々が幼少期に経験してきたような「思い出」と呼べるものはこの2年、ことごとく中止や縮小開催になっているし、街を歩けば公園の遊具の使用禁止はいまだにチラホラ。 いましか経験できないこと、いまだからこそ楽しめることを経験できずに多くの規制を強いられて過ごしている彼らに「いまを生きる」「生き抜く」ってメッセージを投げかけるの

          いのちの授業。|2021/11/18

          癌でいたいわけじゃない。|2021/01/04

          癌は、あくまでも人生の一部だ。 命を絶たれることもあるが、克服してネタにする人までいる。 癌によってもたらされる結果によってその印象は大きく変わるだろうが、あくまでも一部だ。 僕は、まもなく癌を卒業する。 これはその、前祝いと決意。 ちょうど一年前の今日、 グレードが悪くなっているなんぞ頭の片隅にもない僕は、 退院してまた元通りの生活に復帰できることに心を躍らせながら、 退院だー!なんて浮かれて診察室へ入った。 (いま振り返れば、元通りの生活に戻ろうと考えていたことが甘

          癌でいたいわけじゃない。|2021/01/04

          あんちゃん。|2020/12/23

          5年前の今日は、親にしてもらった日。 厳密にはお腹にいる時から親なんだろうが、 やっぱり誕生は特別だし、ひとりめのそれは二度とない経験。 彼女が生きてきた1827日。 ぼくも親として同じ日数を重ねてきた。 昨年、4歳の誕生日は入院してて一緒にお祝いできなかったので、感慨もひとしお。 願わくば。 彼女の歩む幸せな人生を、ずっと見守っていきたい。 想像もできないような未来には、ワクワクしかない。 けれど、この先どれだけの時間を一緒に過ごせるかなんて、誰にもわからない。

          あんちゃん。|2020/12/23

          開頭記念日。|2020/12/19

          手術からまる一年。 一年前の今日は、人生で二度目の開頭手術を受けた日。 サラッと手術と言ってきたけれど、振り返ってみてやっぱり大事だ。 乗り越えて一年間過ごしてきた身体を、褒め讃え、感謝の意を込めて人生二度目の開頭手術を記録したい。 手術の選択再発を告げられ、考えたくもない再手術が迫ってきた2019年7月。 セカンドオピニオンを聞きに、東京女子医大まで行き見解を求めた9月。 そこで提示された覚醒下手術は、一度全身麻酔で眠って開頭した後、覚醒(目覚めている)した状態で会話や

          開頭記念日。|2020/12/19

          思いは時を越える。|2020/12/17

          鬼滅の刃大ヒット!ご多分に漏れず我が家の娘もどハマり。 付き添いで映画まで観に行ってしまいました。 そしてこの映画大ヒットの最中に、漫画完結!!というとんでもない潔さに魅せられ、漫画も全巻一気読み。(終わりの見えない漫画をズルズル読みたくないタイプ) まだまだ漫画の文字が読めない娘に、冬休みになったら漫画の読み聞かせしてねと約束を取り付けられ、これは恐らく年末年始に自分の時間はないだろうなと腹を括っているところです。 潔さ、これは確かに他の人気漫画はだいたいもっと長いこと

          思いは時を越える。|2020/12/17

          天命に生きるほど感謝に溢れる。|2020/11/16

          ビッグプロジェクトが終わると、とてつもない虚無感と寂しさとに駆られ、その後一週間くらいは機能しないことが多々ある。 周りから「生前葬」などと表現していただくほど、人生の中でもまたとない最大級のプロジェクトだったので、これはもうその後抜け殻で使い物にならないのでは?と覚悟していたのだが、終わって一週間経った今も燃え尽きた感は一切なく走り続けられている。 当日を過ごしながら薄々気づいていたことだが「区切りでもなんでもなく、またここからすべてスタートだ。」と。とても大きな意味を持つ

          天命に生きるほど感謝に溢れる。|2020/11/16

          恩返しの人生。|2020/10/30

          「聞いていいのかわからないけど…」 やっぱり、病気のことは一般的にはセンシティブ。 どんなに親しい仲でも、こうして前置きされることは多い。 ”患者”に対しての気遣いに感謝しつつ、僕の場合は病気とそれに対する心情をフルオープンにすると決めているので、なんら問題ない。 オープンにすることで病気をより深く受け入れ、付き合い方をその都度アップデートできている。情報やモノを届けてくれる知人に恵まれ、新たな出会いが生まれてきたのも、このスタンスでいることが大きいだろう。 病気はオープ

          恩返しの人生。|2020/10/30

          治療の選択。|2020/10/04

          脳腫瘍グレードⅣへの悪化を告げられてちょうど10ヶ月。 統合医療の治療に取り組むようになったこの3ヶ月は抗がん剤も一旦中止。生きるために最善と思える治療に専念しているわけだけど、心身ともにすこぶる快調に過ごせていて、遂には海に入るようにもなった。 10ヶ月前の自分に言い聞かせても、信じられなかっただろうなあ。 エンディングノートを軸とした終活は現在進行形で、死を現実味をもって受け入れつつ、死ぬ気なんてさらさらなく、今日もゆるーくバリバリと生きている。 人は誰しもいつか死ぬ。

          治療の選択。|2020/10/04