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マヌケになる時間

電車。バス。車。自転車。
乗り物に乗っている時に、“一番見たいもの”を、ランキングにしてみる。

第3位 音楽関係のテキスト

第2位 小説

第1位 外の景色


では、“実際に見ているもの”は…

第3位 小説

第2位 スマホ

第1位 夢

基本的には
文庫本を読むか、スマホを見たり、眠ってしまっていることが多いけれど、本当は…

一番見たいのは
窓を駆け抜けていく、外の景色なのだ。


本の“サイズ”と、読む時間


移動中も、有意義な時間にしたい。

自分が運転している時は不可能だけれど、
電車やバスなど、誰かが運転してくれている乗り物に、ただ乗るだけで移動できる時。

勉強する時間や、読書の時間。
普段確保するのが難しい“時間”を、わずかでも移動時間に当ててみる。

例えば、一日に30ページほど読むとして
10日読み続ければ、300ページにも達する。

当然のことだけれど、改めて。
塵も積もれば山となる、である。


本を読む時間はとても有意義だと感じているけれど、一方で。
本にしても、悩みがある。

本当は、“単行本”や、“大きいサイズのテキスト”も読みたい。

新作の本やテキストは、文庫本のサイズではない場合がある。

例えば電車。

立っていたら、揺れる車内で、非常に読みにくい。

座って読んでいると、なんだか自分が左右に広く場所を取ってしまっているような気がする。
本も文字も大きいため、誰かに内容を読まれているような気になる。
それは全然構わないのだけれど、
「ふーん、こんな本を読んでいるのか。」
と思われているかもしれないと思うと、なんだか落ち着かない。

だからと言って本を閉じると、字が読みにくい…。

では少しだけ本を広げると…腕に緊張感があり、目的地に着く頃には、腕がなんだか軽く筋肉痛になっているような感じになる。
これでは全く本の内容に集中できていない。

…おそらく実際は、誰も、気にも留めていないと思う。
これは単に、私の問題だ。


結局、読むとしたら、文庫本になる。

サイズといい、価格といい、とてもありがたい存在だ。
文庫本があって本当に良かった。

文庫化するのを待っている本が、たくさんある。
全ての本を文庫サイズでも用意して欲しいくらいだ。

スマホ、すぐにロック


ちなみにスマホは、私はすぐに飽きてしまう。
さらに腕、首、肩が疲れてきて、長時間見ていられないのだ。

仕事前であれば、「仕事前に余分に疲れたくないな」と思うし
仕事の後であれば、疲れていて、さらに疲れる姿勢になることを体が拒んでしまう。

時間や今日の予定を見るなど、
必要な時以外で、スマホを上手に使いこなすことができない。

…よって。開いても、数分後にはスマホにロックをかけ、やがて眠りについてしまう。

車窓を楽しむ


しかし一番は…
流れゆく窓の景色を、何も考えずにただぼーっと見つめていたい。
不思議なことに、私は外の景色を何時間でも眺めていられる。
特に何か考えていたり、
真剣に何かを観察しているわけではなく、

ただ、ぼーっと、眺める時間。

思考も、悩み事も、辛いことも、何もかも、一旦停止。

心が限りなく“無”に近づいていく。

この時間が、とても愛しいのだ。

朝だったら、朝日。
昼だったら、青空。
夕方だったら、夕暮れ。
夜だったら、夜景。

ただ、「綺麗だな」とだけ思い、
それ以外の感情がない状態。

人間的にはとてもマヌケになっているかもしれないけれど
自分にとっては幸せな時間だ。

しかし、電車では
向かい側に人が座っていたら、実際はその人の向こうの景色を見ていたとしても、「何こっち見てるんだ」と思われても仕方ないし
夜は外が暗くて車内が明るいため、
窓越しに誰かと目が合ってしまう可能性もある。

ただ、車窓を楽しむ。

これは、人が少ないことや、自分が運転していないこと、外の天気など。
厳しい条件が揃って初めて得られる、至福の時間だ。


無心になる時間。
「綺麗だな」で、頭がいっぱいになる時間。
心も体も、穏やかな時間。

そういう時間が、時には必要だ。

「ああ、私、休んでいる…。」と実感できる。

そんな時間が好きだし
その時のマヌケな自分を、少し愛おしいと思いたい。


2023.12.9

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