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アガパンサスと、梅雨と初夏。

最近、道を歩けば、アガパンサスが咲いている。
とても綺麗だ。

数年前。実家の近くに、とても可愛らしい洋館のような平屋のお家を発見した。その庭に咲き誇っていたたくさんのアガパンサスを、この時期になると毎年思い出す。

この時期って、梅雨なのか、初夏なのか…などと考えながら
『言の葉の庭』のパズルに励んだ、数日前の数時間のこと。


「アガパンサス」を想う


私とアガパンサスとの出会いは、ドラマ『結婚しない』という作品だった。

色や種類によって花言葉は変わるのかもしれないけれど
ドラマでは「恋の訪れ」という花言葉にまつわるお話だった。

あのドラマ、好きだったなあ。何度も繰り返し見ていた。
“ストーリー”と“花”が結びついていて、内容とは別に追加される癒しがあったのだ。

いろいろな種類の“花”を知ることができて
“花”を知ったら、“色”の知識も増えて
“花”と“色”の数だけ、“意味”や“思い”があることを学んだ。

そして、爽やかなオーケストラに、ピアノの多い優しいサントラ。
主題歌、コブクロさんの「紙飛行機」にも癒された。


…こうしてアガパンサスの存在を知った途端に、突然、目につくようになった。

「あ、あっちにも咲いてる!」
「あ、ここにも咲いてる!」
「身近にこんなにたくさん咲いていたなんて…!」と、初めて気づいた。


「昨日知らなかったことを知る」ということは
その時点で、すでに昨日の自分とは、違う自分になっているのだ。
「昨日と同じ景色を見ても、違う景色に見える」という感覚を改めて知った。




…こんな風にアガパンサスを目で追ううちに
可愛らしい洋館のようなお家に目を止める日が、数年前に訪れたのだった。


オレンジの瓦屋根。
屋根の真ん中に、レンガの控えめな煙突。
白い壁に、洋館の窓のような、白い冊子の窓。
その白を、程よく覆う、緑の生垣。
“クロスフェンス”というのかな。白いペンキで塗られた、大きなバッテンの柵。

その柵を乗り出して咲いているのが、
紫に近い、優しい青のアガパンサスだ。

広い敷地に平屋のため、
広く白い壁や柵に、青い色が映えて、とても可愛らしいのだ。


窓にステンドグラスがあったら…とか
屋根の色を青くしたら…などと
島作りのゲームで遊ぶかのように自分でイメージしたり、この家を舞台にした物語などの妄想によく耽っていたものだ。


…今年もきっとあのお家に、たくさん咲いているんだろうな。


「雨」を想う


一年に一度。必ずこの時期に見ているアニメ映画『言の葉の庭』。

新海誠監督の作品は、どれも本当に“景色の描写”が美しくて
都会だろうと田舎だろうと
家が新しかろうと古かろうと
今いる自分の場所を少し好きになれる。

そして、『言の葉の庭』と『天気の子』を見ると特に、
“雨”を素敵な天気だと思える。


しかし、この暑さ…。

梅雨の雨はどこへいったのだろう。
今は梅雨なのか、初夏なのか。
湿度の高い、生ぬるい雨。
扇風機で風を起こしても、その風がまた生温かい。
水彩画のような、ピンクや水色のパステルカラーの空。
日傘を買いたいけれど、「晴と雨、兼用のもの」が良いかな…。

…この晴れ間に、天気のことをたくさん考えながら、パズルに励んだ。

『言の葉の庭』のパズル 208ピース


この絵が一番好きで、眺めてはため息が出てしまう。

作中の“雨の音”や“ピアノ”のサントラが聴こえてくるようだ。
緑色にも、種類がたくさんあるなあ、と改めて感じる。


そして私は、パズルに取り組む時間が結構好きなんだと思う。

無心にもなれるし
没頭することもできるし
誰かと話しながらもできるし
何かを考えながらも取り組める。

今回は、天気にたくさん思いを馳せながら
雨の描写がたくさんある作品のパズルをして
良い時間だった。


…それにしても、暑い。
エアコンのない場所であんなに綺麗に咲いている植物たちは、本当にたくましいな。



2024.7.8

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