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就職活動の話。

就職氷河期ど真ん中の世代です。
まぁ大学4年の頃に就職活動をしたことがあります。

エントリーシートを書いたり、履歴書を作ったりして、全く似合わないスーツに身を包み。特にやりたい仕事なんてなくて、本当になんとなく、大学を出たら就職をするもんだというような、なんとなくの空気に後押しされての就職活動でした。

20社くらいにはエントリーしたんですが、まぁ面接で品定めされたり、なんかこう比較されるのはやっぱりすごいプレッシャーで、当時を振り返ると暗い気持ちだったなーと思います。

ようやく漕ぎ着けた数社目の面接のこと。その日は集団面接だったんですが、たまたま同じ面接を受けるであろう人と、会場に向かうエレベーターで乗り合わせた。
その人は、エレベーターの中で「やるぞ〜」とか言いながら自分の頬をバシバシと叩き、目的のフロアに着いて、エレベーターのドアが開いた瞬間、誰もいない廊下に向かって大声で「よろしくお願いします」と深々と頭を下げてた。

なんかその様子が、非常に痛ましく、なんか僕はこういう人たちとは戦えないなと思って、その日はそのままエレベーターを降りず、面接もぶっちぎって帰りました。

それ以来、就職活動はまるでやめてしまった。
なんだか、自分には向かないなと思って。なんで、頭下げてまで働く必要があるんだろうってすごく不思議だった。会社側も、僕のようなやる気のない人間よりも、そういう人を雇ってあげたほうがよかろうと。

あの日のことを、今でも思い出します。なんか、こう…自分の人生を振り返ったときに、あの日が何かしらのターニングポイントだったようにも思う。

帰り道に、どうでもいいやと思って、やさぐれるわけでもなく、途方に暮れるでもなく、タバコ吸いながら一駅歩いて帰った。
あの日に、いわゆる普通の社会人ではない道を選んでいたように思う。
当時はそんなに大きな決断とは思わなかったけど、あそこでどこかしらに就職する道を選んでいたら、随分と違う人生だったのだろうか。
たいして違わない人生だったかもしれないなとも思います。

なんにしても、就職活動自体は、経験としてやってみてすごく良かったなと思います。

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