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万葉集が好きな、作業員です

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墨子 巻一 七患(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《七患》:現代語訳 子墨子が言われたことがある、国には七つの患がある。七つの患とは何であろうか。城郭やその城郭を囲む溝池が不備で守備に堪えないのに、まず、宮殿を…

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1日前
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墨子 巻一 法儀(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《法儀》:現代語訳 子墨子が言われたことがある、『天下の物事に従事する者は、法儀(=法理と儀礼)の心得がなければいけない。法儀の心得がなくてその物事に従事して十…

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8日前
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墨子 巻一 所染(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《所染》:現代語訳 「子墨子が言われたことがあり、糸を染める者を見て、ため息を漏らし嘆じて言われたことには、『青に染めると糸は青色に、黄に染めれば糸は黄色になる…

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2週間前
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墨子 巻一 修身(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

≪修身≫:現代語訳 「君子は戦いには陣立ての方策があると言うが、それでも勇気を根本とするものだ。服喪には礼法があると言うが、それでも哀悼を根本とするものだ。士人…

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3週間前
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墨子 巻一 親士(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《親士》:現代語訳 「国を得て入国しても、その国の士人の立場を考えなければ、その国は亡ぶ。賢人に会って直ちに任用しないと賢人は君王に暇をとる。賢人でなければ急事…

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4週間前
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墨子

墨子 目次  今週から墨子の現代語訳を全編紹介します。全体として目次と最後に軍事用語説明のものを入れて53回に渡って紹介します。本来の墨子は53編ですが、解説の関係上…

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1か月前
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職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本人麻呂と人丸神社  柿本人麻呂神社は日本全国に人丸神社や人麻呂神社などの名称で多く存在します。この人麻呂(人丸)神社の性格を見てみま…

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1か月前
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職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本朝臣人麻呂の妻たち 依羅の妻  万葉集に載る集歌一四〇や集歌二二四などの歌で知られる依羅娘子は「ヨサミノヲトメ」と訓むのが習わしで…

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1か月前
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職業人としての柿本人麻呂

第三章 柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本朝臣人麻呂の妻たち 引手山の妻  万葉集 巻二に載る集歌二一〇の歌などから、所謂、「引手山の妻」が人麻呂の嫡妻であったとの推…

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1か月前
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職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本朝臣人麻呂の妻たち 石見国の妻  現在、「石見の妻」は島根県益田市戸田の戸田柿本神社の神主一族の祖、訳語綾部家の娘女が、その人だと…

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2か月前
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職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本朝臣人麻呂の妻たち  前節では歴史に残る柿本朝臣の姓を持つ人々から人麻呂の身分とその子孫について考察をしました。本節では人麻呂の…

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2か月前
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職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀 柿本朝臣と柿本朝臣佐留の子孫  柿本朝臣人麻呂は、古今和歌集の仮名序で「おほきみつのくらゐ」、真名序では「柿本大夫」と呼ばれています…

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2か月前
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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂 官人柿本朝臣人麻呂の職務と官位  ここで、大宝から慶雲年間ころの人麻呂の官職について一つの可能性を提示します。それは、人麻呂は死亡時に…

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2か月前
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職業人としての柿本人麻呂

第二章 職業人としての柿本人麻呂 人麻呂と長門国の銅鉱山  少し、歴史の中から銅銭など銅に関係する話題を紹介したいと思います。  日本書紀の天武十一年(六八二)四月…

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3か月前
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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂 柿本人麻呂と三神社縁起  柿本臣一族について、その祀る神について考察しました。そして、その祀る神から類推して、『万葉集』の歌から柿本人…

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3か月前
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職業人としての柿本人麻呂

第二章 職業人としての柿本人麻呂 若き柿本朝臣人麻呂の行動域  ここまでの説明からすると、柿本臣は金属の製錬や加工を行う氏族であったと考えても良いようです。古代…

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3か月前
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墨子 巻一 七患(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

墨子 巻一 七患(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《七患》:現代語訳
子墨子が言われたことがある、国には七つの患がある。七つの患とは何であろうか。城郭やその城郭を囲む溝池が不備で守備に堪えないのに、まず、宮殿を造営するのは一つ目の患である。周辺国の敵が国境に押し寄せても隣国を救わないのは二つ目の患である。もっぱら民力を無用の事業に尽くし、無能の人に恩賞を賜与し、民力を無用に費やし、財宝を賓客の接待に使い果たすことは三つ目の患である。仕官する者は俸

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墨子 巻一 法儀(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

墨子 巻一 法儀(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《法儀》:現代語訳
子墨子が言われたことがある、『天下の物事に従事する者は、法儀(=法理と儀礼)の心得がなければいけない。法儀の心得がなくてその物事に従事して十分に物事が達成した者がいたことはない。士人が将軍・宰相に相応しい者に育ったといっても、皆、法理は有る。各種の職人たちが物事に従事する者に育ったといっても、皆、法理は有る。各種の職人たちは矩形を示す曲尺の道具で正方形の直角を作り、定規を使って

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墨子 巻一 所染(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

墨子 巻一 所染(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《所染》:現代語訳
「子墨子が言われたことがあり、糸を染める者を見て、ため息を漏らし嘆じて言われたことには、『青に染めると糸は青色に、黄に染めれば糸は黄色になる。糸を染めるために入れる染料の容器を変えれば、その糸の色もまた変わる。糸を五つの染料の容器に入れれば、糸の思いとは関係なく、五つの色となる。だから、糸を染めるには慎重でなくてはいけない。』と。
ただ、糸を染めることだけがそうなのではない、国

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墨子 巻一 修身(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

墨子 巻一 修身(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

≪修身≫:現代語訳
「君子は戦いには陣立ての方策があると言うが、それでも勇気を根本とするものだ。服喪には礼法があると言うが、それでも哀悼を根本とするものだ。士人には学問があると言うが、それでも実行を根本とするものだ。このようなわけで目標とする根本を定めることが確固としていないときに、些末なものを豊かにすることに努力をしてはいけない。近くの関係者に親しみを持たないときに、遠い関係者を仲間として呼び寄

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墨子 巻一 親士(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

墨子 巻一 親士(原文・読み下し・現代語訳)「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」準拠

《親士》:現代語訳
「国を得て入国しても、その国の士人の立場を考えなければ、その国は亡ぶ。賢人に会って直ちに任用しないと賢人は君王に暇をとる。賢人でなければ急事に対することが出来ず、士人でなければ共に国事を諮ることは出来ない。賢人に暇を取らせ士人を忘れて、それでも十分にその国を保った者は、未だかつていない。
昔、文公は国を出奔したが、後に天下を正した。斉の桓公は国を去ったが、後に諸侯に覇をなした。

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墨子

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墨子 目次
 今週から墨子の現代語訳を全編紹介します。全体として目次と最後に軍事用語説明のものを入れて53回に渡って紹介します。本来の墨子は53編ですが、解説の関係上、経編上下と経説編上下とを読解便宜を図るために経編経説上と経編経説下に組み替えで51編、これに目次と個人的にまとめた軍事用語解説を加えて、全体で53回の掲載となります。

目次;HP「諸氏百家 中国哲学書電子化計画」に示す区分及び篇名

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本人麻呂と人丸神社
 柿本人麻呂神社は日本全国に人丸神社や人麻呂神社などの名称で多く存在します。この人麻呂(人丸)神社の性格を見てみますと人麻呂神社には四形態があるようです。その、四形態の分類とは、
1. 和歌の聖としての柿本人麻呂神社
2. 鍛冶や火事の人丸神社
3. 客死(事故死)した人麻呂を鎮魂する人丸神社
4. 祖神としての人麻

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本朝臣人麻呂の妻たち
依羅の妻
 万葉集に載る集歌一四〇や集歌二二四などの歌で知られる依羅娘子は「ヨサミノヲトメ」と訓むのが習わしです。これは河内での地名「ヨサチ」を「依綱」と表記していたのが、ある時代から「依羅」へと変化した。ただ、地名の訓みは旧来のままであったことに由来するようです。また、古語の「ヨサチ」は中世の「ヨサミ」に相当します。これが「ヨサミノヲトメ」の訓

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

第三章 柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本朝臣人麻呂の妻たち
引手山の妻
 万葉集 巻二に載る集歌二一〇の歌などから、所謂、「引手山の妻」が人麻呂の嫡妻であったとの推定が可能と考えます。そこで、その集歌二一〇の歌から始まる挽歌群を紹介します。なお、歌は西本願寺本に準拠し、校本万葉集でのものではありません。その為、歌で原文表記が違うところがありますが、その違いが論拠のキーポイントになりますので、ご了承

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本朝臣人麻呂の妻たち
石見国の妻

 現在、「石見の妻」は島根県益田市戸田の戸田柿本神社の神主一族の祖、訳語綾部家の娘女が、その人だと考えられています。なお、明治末から昭和時代には、依羅娘子と同一人物だと推定され、石見国那賀郡恵良郷(島根県江津市二宮町神主付近)の里の娘ではないか、などの案が提案されていました。なお、「石見の妻」と「依羅娘子」とは別々な女性と考えるのが

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本朝臣人麻呂の妻たち

 前節では歴史に残る柿本朝臣の姓を持つ人々から人麻呂の身分とその子孫について考察をしました。本節では人麻呂の妻子について考察をしています。当然、人麻呂は日本書紀や続日本紀などの正史に記録を残しません。手掛かりは万葉集に載る歌のみとなります。従いまして、人麻呂の妻子の考察は、ある種、人麻呂の歌の鑑賞となることを御了解下さい。
 人麻呂の妻、また

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

柿本朝臣人麻呂の家族と祭祀
柿本朝臣と柿本朝臣佐留の子孫

 柿本朝臣人麻呂は、古今和歌集の仮名序で「おほきみつのくらゐ」、真名序では「柿本大夫」と呼ばれています。ここから、「おほきみつのくらゐ」の意味する「正三位」はさて置き、古今和歌集が編纂された当時の認識は「柿本大夫」の表現から殿上人たる「従五位下」以上の官位を持つ官僚であったと推測されます。なお、時代が下るにつれ「大夫」は「五位」に限定す

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂
官人柿本朝臣人麻呂の職務と官位

 ここで、大宝から慶雲年間ころの人麻呂の官職について一つの可能性を提示します。それは、人麻呂は死亡時には長門守だったのではないかです。
 さて、和銅年間より少し前の大宝二年(七〇二)正月に、従四位上の大神朝臣高市麻呂が長門守に任じられました。そのときの歌が万葉集にあります。

大神大夫任長門守時、集三輪河邊宴謌二首
標訓 大神(おほみわ

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

第二章 職業人としての柿本人麻呂
人麻呂と長門国の銅鉱山

 少し、歴史の中から銅銭など銅に関係する話題を紹介したいと思います。
 日本書紀の天武十一年(六八二)四月の記事に「筑紫大宰丹比真人嶋等、大きなる鐘を貢れり」と云うものがあります。この記事では新羅や百済からの貢物とは記されていませんから、この「大きな鐘」は国産と思われます。つまり、天武天皇の時代、中期から後期に大宰府で銅製品の鋳造が行われ

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂
柿本人麻呂と三神社縁起

 柿本臣一族について、その祀る神について考察しました。そして、その祀る神から類推して、『万葉集』の歌から柿本人麻呂は、青春時代、鉱山技師であった可能性を見出しました。一方、その柿本人麻呂自身も祭神となり、現在、多くの人に祀られています。ここでは祀られる神となった背景を探ることから柿本人麻呂の姿を考察してみたいと思います。
 ほぼ、神として祀られる

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職業人としての柿本人麻呂

職業人としての柿本人麻呂

第二章 職業人としての柿本人麻呂
若き柿本朝臣人麻呂の行動域

 ここまでの説明からすると、柿本臣は金属の製錬や加工を行う氏族であったと考えても良いようです。古代が氏族社会であり人々はその所属する氏族に縛られるとすると、その柿本臣の姓を持つ柿本朝臣人麻呂もまた氏族社会に縛られた一員です。ここでは、その視線から職業人としての柿本朝臣人麻呂を考察していきます。
 ここまでの考察で、人麻呂はその柿本臣の

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