見出し画像

冷やっとシリーズ:幼少期の忘れられない家族旅行。 〔#28〕

お盆明け初日の今日は、全国各地で驚異的な猛暑を記録していていましたので、暫くお預けにしていた、冷やっ・ゾクッとするお話をお届けします!!今回はクスッとはしないかもしれません(笑)

小学生の時の、とある家族旅行。

父・母・兄と私の4人での家族旅行といえば1つの畳の部屋で、布団を川の字に、あるいはパズルのように敷いて寝るのが通例だったが、この時はホテルだった。ツインベッドルームが2部屋。

廊下の左右に並ぶドアの番号を交互に確認しながら、自分たちの部屋番号を探して歩き進む。

私たちの部屋は、廊下の端っこ、非常階段のちょうど手前だった。

「なんだ本当に端っこじゃない。予備の部屋かしらねぇ?」と母。

廊下を挟んで右側と左側、ドアが向かい合うように私たちの客室ドアがあった。

部屋割りは、母と私、父と兄のペア。

深い意味はなかったが右側の部屋を女子ペア、左側を男子ペアと決めた。

私は「ホテルの部屋だ〜!!!」と嬉々として部屋に入り込んだ。泊まる部屋に入る瞬間というのは、どんなところでもドキドキ・ワクワク・五感を研ぎ澄ますものである。

しかし、右の部屋に入った瞬間、頭がぐわん・・・とした。何だか空気が重たい様な、薄い様な感じ。

カーペットはワインレッドカラーだった。

正直に言って、何だか具合が悪いかもと感じた。

でもそんな深く考えることはしなかった。旅先で体調を壊してなんていられない。

すぐに、隣の部屋も見てこよ〜!!!と、部屋の外に出て

父と兄の部屋に入った。

空気がスっと澄んでいて息がしやすかった。カーペットは濃紺だった。

その夜、母は窓側、私は入り口側のベッドを選び、手のひらサイズの平べったいクマのぬいぐるみを持っていた私は、枕元にクマを置いて、眠りについた。


暫くして、複数人の話し声がして目が覚めた。

暗くてほとんど見えないが、足元の方から、ひそひそ声がする。

「あ〜本当だ」「本当だ、かわいそうに」

家族の声だ

父・母・兄の全員が、入り口から約1、2メールくらいの廊下部分(バスルームなどがある所)に身を隠しながら、こちらをチラチラと見て話をしているのだ。たまに黒いシルエットが見える。

よく聞き取れないが、何か話している。


「かわいそう。」


あの子、あんなに足元にいて、かわいそう。



私は、ばっと、足元、自分の布団の中を見た。

背が小さいので、足元にスペースがだいぶあるのだが、

私の足元の先に、

うずくまった小さい男の子がいた。青白く光っている。

男の子の周り、布団の中には、他にも薄く光る小さい"何か"や、色々なサイズの"何か"がたくさんいた。



どうしよう!!

どうして家族はみんなただ見てるの?!



色んな考えが頭の中を走った。

この男の子は苦しいんだろうか?寝ているんだろうか?生きているんだろうか?


私の存在に気づいているんだろうか?




心拍数が上がって、冷や汗がこみ上げてきた瞬間、






私の目が開いた。部屋は静かだった。

暗いが、開いた目線の先のベッドに母が寝ている。

体が固まって、暫く動けなかった。

見る勇気はないけれど、多分足元には何もいない。

夢の中で一度目が覚めていたもんだから、今目が覚めているこれは、また夢なのだろうか?

暫くまばたきをしたりして、今が現実なはずだ、と確信を持ち、

枕元のクマを握って、

静かにまた目を閉じた。






おしまい。

情景が伝わりましたでしょうか・・・?

思い出すだけで鳥肌が立ったのですが、いかがでしょうか?

私の冷やっとシリーズの中で最高潮の怖さだと思っているのですが、

少しでもゾッとしたらぜひスキして下さると嬉しいです!!!


いつも夢日記(物語みたいですが笑)を書いていますが、これは、夢の中で一度夢から覚めているパターンです。

このパターンも何度か経験がありますが、起きて暫くは、現実だか夢だか分からなくなります。もう一回目が覚めたりして・・・?と思ったり。

今も長い夢の中だったりして(笑)

この夢の話は家族にして、翌日、同じホテルで同様の夢は見ませんでした。

これは、ただの子どもの夢でしょうか?

それとも、本当にあった怖い話でしょうか?

他にも冷やっとシリーズを書いております。こちらはクスッとして頂けるはずなので、良かったらぜひ読んでみてください♪


アイスで冷やっとしませんか?海外体験も書いています!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?