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舞台『YES I AM…』を終えて その4

その3はこちら

実は『YES I AM…』の本番を迎える前に、
別の現場で

"本番中にステージ上で照らされても
全く楽しくないどころか、
どんどん自分を嫌いになる"

という初めての感覚を味わい
戸惑っていました。

稽古期間にどれほど
自分を嫌いになろうとも、
それまでには
一度もそんな事は無かったのです。

あ、そうか。
これが外でお芝居をするという事なんだ。
お仕事ってこういう事なんだ、
と私は勝手に納得をしました。

今まで私が楽しいと思っていたのは、
金銭的な価値なんて
考えることもなく、

高校の部活動みたいに
喧嘩やいざこざがありながらも

目指す方向だけは同じである皆と
共に何かをつくる事
だけだったんだな〜と。


辛さや苦しさは
夢を叶えるには付きもので、
そんな程度でへこたれるようなものを
夢だなんて呼ぶな!
とは思うんです。

でも、それを乗り越えた先に
何かがある事を知っているから
辛さや苦しさも
含めて楽しめるのであって。

演じること自体苦手な私から
「自分を少しだけ認められる瞬間」
をも奪ってしまったら、
一体何のために
舞台に立つというのでしょうか。

好きなこと(お芝居)をして
お金を戴けたらハッピー!
のはずが、

気がついたら
お金を戴いているのだから
多少の事(お芝居)も我慢する!
に変わっていたのです。

だから何?
私が芝居を続けようが続けまいが、
ここまで読んでくださっている皆さんには
関係のない話かもしれませんね。

誰にも関係がない問題
だからこそ悩ましいんですけども。

だって、どれだけ演出家に
「役者に向いてないよ」
「辞めちまえ!」
って怒鳴られたって、
自分で辞めない限りは
役者でい続けられます。

ということは、辞める時は
自らの手で終止符を打つ時
ということです。

自分で自分を諦める
意外には辞めることができません。

良く言えば
「諦めなければいつか夢は叶う」
ということでもありますが、
結構これって残酷だなあ
とも思ったりします。

その5はこちら

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