子宮筋腫36個摘出記録(①入院までの経緯編)

※グロテスクに思う方もいるであろう医療写真が随時入りますのでご注意ください。該当箇所前には注意を記載します。

子宮筋腫36個、最大のもので8.8cm、総重量457gを、腹腔鏡手術&約10cm小切開で摘出した。記憶が薄れる前にまとめておく。

エンターテイメント性の薄い体験記なので、子宮筋腫手術を検討している方の参考にどうぞ。

①入院までの経緯編はこちら
②入院初日編はこちら
③手術当日・直前準備 編はこちら
④手術当日・手術室〜術後 編 はこちら
⑤手術翌日 編はこちら
⑥手術二日後 編はこちら
⑦退院日 編はこちら
⑧退院二週間後 編はこちら
【番外編】入院持ち物編はこちら

子宮筋腫発見〜経過観察

30歳頃の人間ドックで、子宮筋腫が複数あると初めて言われた。

子宮筋腫は原因不明で、現在では体質としか言いようがないらしい。30代以上の女性は3人に一人は発生している、かなりメジャーな子宮のデキモノである。
良性なのでつらくなければ経過観察でよいと言われ、それからは1〜2年間隔の人間ドックのエコーで存在を再確認するだけで過ごしていた。

体調不良

が、数年経って原因不明の異常なダルさが始まる。
血液検査のヘモグロビン値は正常、甲状腺精密検査をしても異常もなく困っていたら、たまたま人間ドックで問診が当たった内科医の見立てにより、実は重度の隠れ貧血なのが判明。
普通の血液検査ではヘモグロビン値は正常なので貧血とわからないが、実は弱った赤血球が壊れてヘモグロビンが溢れてるだけで、フェリチンという貯蔵鉄の値は激低だった。
鉄剤を飲みなんとか通常の状態に戻せたものの、原因は子宮筋腫だねーと内科医の見立て。

また、太りすぎたのでコツコツと減量し、見事に一年掛けて15kg痩せた
が、下っ腹だけが減らないのである。むしろ周期的に異常に出てきたりして、古い絵巻物に出てくる餓鬼レベル。全身からまんべんなく脂肪が落ちてるはずなのに、さすがにこれはおかしいぞと気づく。

さらに、何年も患っている原因不明の慢性腰痛。
よい整形外科の治療に当たり、水泳やストレッチも始めたことで、かなりよくなったものの、どうもスッキリと治りきらない。これもどうもおかしいぞと思い始める。
足のダルさ、むくみ、疲れやすさもつらい。

ダメ押しが、生理の2週間という長さと、ちょいちょい起こる不正出血。がん検診で異常はみつからない。
生理痛や量は大したことはないものの、あまりの長さに辟易し、低用量ピルを飲んでみるが、今度は何ヵ月経っても常時少量の不正出血が続き、あまり意味をなさない。

そして着々と子宮筋腫は成長しており、婦人科エコーでは一番大きいのが7cmで他に最低5個はあると言われ、うわっまたでかくなったしパラパラあるな!とビビる。

というわけで、

・貧血
・やたら出てる下っ腹
・腰痛
・下半身のむくみとダルさ
・長過ぎ生理&不正出血

のコンボがきまり、覚悟を決めて、貧血をみつけてくれた内科医のいる総合病院の婦人科へ行くことにした。

婦人科で手術相談

貧血治療で通っていた総合病院はたまたま、子宮筋腫の腹腔鏡手術の実績が高い病院だった。他の病院とも比較したが、内科の治療記録と連携が取れるので、ここに決めた。

もうハラはきまってたので、子宮筋腫の手術の相談です!と女性の婦人科医師にダイレクトに切り出す。
エコーで改めて見ると、一番大きいのはさらにスクスクと育ってて8.8cm。こりゃ手術ですね〜とお互い納得して、別日にMRIを撮ることに。先に手術日を決めてしまいましょうとのとことで、ちょうど二ヶ月後の日にいったん予約。
腹腔鏡手術で取れるのがほとんどですが、場合によっては7cmくらい下腹部を横に切るかもしれませんよ〜と説明を受けて了承。

趣味の水泳の再開時期についてたずねると、水が傷口に影響しない程度に回復していればプールや湯船は問題ないが、目安としては術後一ヶ月程度からOKとのこと。シャワーは退院後すぐにOKだった。
また、将来妊娠出産する場合は必ず帝王切開になるとのことだった。

MRIに写る大量の筋腫

さて、その初診の三週間後。
MRIを撮ると、スゴかった。
撮影した二時間後の診察で主治医は開口一番
もう何十個と、数え切れないほどありました

※グロテスクに思う方もいるであろうMRI画像が以下から複数入りますのでご注意ください






画像5

医「体を横から見た画像で、赤いのが一番大きい8.8cmの筋腫です。子宮自体は水色のあたりです。ペタンコにつぶされてます」
私「腹の中が!ほとんど筋腫!」

画像5

医「ちょっと位置をずらすだけで、他にもたくさん見えます」
私「これもこれも、赤く囲ったの全部筋腫?!?!」

画像5

医「これは体を輪切り状態で撮った画像です。細かく無数にある赤い部分、全部筋腫です。筋腫が子宮に置き換わろうとしています
私「筋腫が!子宮に!置き換わる!それになんかちょっとウミガメの頭みたい!」

画像5

医「位置をずらすと、こういう大きいのも見えます」
私「うわー!ウミガメがゾンビ化したー!」

医「で、一部中身が白く映ってる筋腫がありますけど、これは変性してます。MRIの先生とも事前に見て話したんですけど、中は水っぽくなってるものと思われます」
私「変性!リアルゾンビ!!ていうかそれ、暗に悪性腫瘍の可能性もゼロじゃないって言ってる!」

そんなこんなの衝撃画像でクラクラしながら、
私「これ、さすがに多すぎじゃないですか…?」
医「100個200個の人もいますから…」
私「レアケースと比べてなぐさめられた…」
医「全摘(子宮全摘出)はしない?」
私「うーん…子ども産む予定はないとは言え、まだ30代なので気持ち的に残したいデス…(白目)」
医「まだ若いですからね、残しましょう」
私「よろしくお願いシマス…(脱け殻)」
医「出血の多い大がかりな手術になりますが、出血をその場で回収して体に戻すセルセーバーという機械を使いますので大丈夫ですよ」
私「念のためですが…いま鉄剤で持ち直してますが元々は貧血で、心配なので事前に輸血用の自己血を採ってもらえませんか?」
医「なるほど、その方が安心ですね、自己血貯血もしましょう」
私「助かりマス…(蒸発)」

そんなこんなで、要約すると
・MRIを撮った本日から二週間後に術前説明、三週間後に自己血貯血の採血、初診の日に予約したとおりの日程で六週間後に5日間予定の入院で手術日決定。(初診から手術日までちょうど二ヶ月)
・筋腫の数が多すぎ腹腔鏡だけでは間に合わないので、腹腔鏡手術の同時に下腹部に横に7cmほど小切開を追加した手術とする(腹腔鏡補助下手術)。リスクの詳細説明は術前説明で話す
見える範囲、取れる範囲の筋腫は全て取る。しかし見えない筋腫の種はどうしても取りきれないので再発は避けられないと思っていてほしい。その時は再手術などを検討。

ということで、MRIの衝撃画像にオオ…オアア…とダメージを受けたまま、手術や入院や自己血貯に関する説明とサインの書類をドサリと受け取ったり、説明室でiPadを使った婦人科入院心得を読んで画面をスマホで写真撮って記録したりして解散。
先に書いたように、どうも体おかしいな〜子宮筋腫のせいかな〜とは思ってたけど、経過観察(という名の放置)の数年間でこんなことになってるとは。寄生虫に静かに腹の中を食い破られてるような気になった。

術前説明

二週間後の術前説明。
改めて手術は7cmほどの小切開を伴うことや、頭を下げたまま数時間手足を圧迫固定するため手足に痺れが残る可能性があること、腹腔に炭酸ガスを詰めるため数日間は肩や横隔膜が痛む可能性があること、その他レアケースなこわいトラブルの説明を受ける。起こらないとは思うけど万が一の時に揉めないよう、双方のリスク管理のため説明してるとは言え、わりとションボリしてしまうものである。

自己血貯血の採血

その一週間後、自己血輸血の同意書を提出し、400mlの採血。
順調にとれて、15分ほどで終わった。自己血輸血は通常の輸血より感染などのリスクが低いらしい。
事前と事後に十分な水分をとることを指示されたり、献血とほぼ同じ感じ。
担当の看護師さんが気さくな方で、パック処理した血液の記念写真を撮らせてくれた。

※以下、血液の写真が入りますのでご注意ください






画像5

万が一大出血した時に、コイツがアタイを助けてくれるんや。
セルセーバーによる術中の回収血で400ml、自己血貯血で400ml、合計800mlまでの出血はこれでカバーできて、それでも足りない場合は輸血になりますとのこと。
なお、この自己血採血の針を刺すのは看護師さんではなく、その時だけ初見の医師がやってきて刺していった。汚染が許されない採血だからその辺りは厳密らしい。
しっかり水分をとってたので採血後はわりと平気だったが、信号を急いで走った時だけ少しクラクラした。

②入院初日編へ続く。

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腰痛や子宮筋腫の治療代になります。