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【俺がしてあげるよ(๑╹ω╹๑ )】たくさんの優しさを降り注げる人に。
私の実家は結構田舎で、移動は基本的に車だったんだけど。
やたら都会に嫁いだ私は車の駐車料金におったまげまして。
車なんて持っていけるわけがない、なんだ都会で車に乗っている人間は全て上流階級か・・・?とビビり散らし。
引っ越し前に愛車を売り飛ばしました。(もうちょっと言い方考えて。)
なので私は今自転車生活を送っています。
特に私の住んでいる地域は自転車文化で、もう自転車の数がマジで地元の50倍くらいあります。もうこれはマジで。
私が久しぶりに自転車に乗るからか、
「まにょちゃん大丈夫(๑╹ω╹๑ )?自転車のれる(๑╹ω╹๑ )?」
とやたら夫が心配してくれます。
そんな夫は、自転車界隈の話でも優しさを発揮。
2人で近くのショッピングモールに自転車で買い物に行くときには、
「まにょちゃんあと5分くらいで出れる(๑╹ω╹๑ )?
俺先に行って自転車出しといてあげるよ(๑╹ω╹๑ )」
・・・・・・自転車を出しといてあげる・・・?
え、どゆこと?と。(いやそのまんまだろ)
いや、自転車を前もって出してもらうなんて優しさ・気遣いを私は受けたことがないし、なんなら私自身そんな優しさを他人に与えたことなくて。
「え、自転車を出しとく??」と再確認すると、
「うん、駐輪場いっぱいじゃん(๑╹ω╹๑ )
出すの大変だから俺出しといてあげるよ(๑╹ω╹๑ )」
想像してみる。
私がるんるんるん♩と上機嫌で準備して、
1階の駐輪場に着いた頃には夫が
「こちらまにょ様の自転車です(๑╹ω╹๑ )」
と言わんばかりに自転車を用意してくれてるわけでしょ?(絶対そんな言い方はしない)
・・・わいはプリンセスか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(それはあなたの妄想のせい)
その状況にあまりにも動揺して、
いやいいよ一緒に下に行こう、と、
優しさを遠慮してしまいました。
(そんな遠慮すること・・・?)
そして自宅に帰ってきたとき。
ピッカピカの新しい私の電動自転車がキツキツパンパンの駐輪場のせいでギアの部分に傷が入ったことを落ち込んでいた私を知ってか、駐輪場の前に着くと、
「まにょちゃんここで待ってて(๑╹ω╹๑ )」
と夫。
なんで?と聞くと、
「まにょちゃんの自転車置くとこ探してくるよ(๑╹ω╹๑ )」と。
・・・・・・置くところを探す!?!?!?!?!?!?!?!?(いやだからそこまで動揺せんでも)
いや、自分で探せるよ?!?!と思ったけれど、夫は、
「これ以上傷つくといやだもんね(๑╹ω╹๑ )」と言いながら、自分の自転車も置いて私の置き場所を探し始めて。
「あ、ここいけそうだね(๑╹ω╹๑ )」と
小さな隙間を見つけた夫。
だけど小さな隙間の両サイドにある自転車は
サドル部分がひどく埃をかぶっていて。
「これ絶対使ってないじゃんね(๑╹ω╹๑ )
放置したまま引っ越したのかな(๑╹ω╹๑ )」
と呟く夫。
「・・・他の人のためにもどかそ(๑╹ω╹๑ )」
・・・放置自転車をどかす?!?!?!?!?!?!?!
(いやだから・・・そんな動揺する・・・??)
いやこれ、これ、こ、こんなことしてくれるの
世界中で自転車の整備場のおじちゃんだけだと思ってた・・・!!!!(絶対そんなことはない、あんたもしろ)
え、どかす?????と聞くと、
「うんだってどかしたほうがまにょちゃん
自転車入れやすいでしょ(๑╹ω╹๑ )??
それにどかしたほうが他の人も
絶対の止めやすいよ(๑╹ω╹๑ )
俺結構絶対使ってなさそうなやつはどかすよ(๑╹ω╹๑ )
明らかに使ってないめっちゃくちゃ汚いやつだけね(๑╹ω╹๑ )」
夫は、ナチュラルに優しさを提供する人だ。
しかもそれを努力してではなく、
本当に自然に、さも当たり前かのように。
私がじっと彼を見つめている間、
彼は埃まみれの自転車をただ黙々と
駐輪場の端っこにどけていた。
埃で汚れた手で戻ってきた夫は、
「引っ越したならちゃんと持ち帰ってほしいね(๑╹ω╹๑ )!!!!!明らかに使ってないやつは撤去してほしいよね(๑╹ω╹๑ )!!!!!!!!!」と言いながら笑っていた。
自転車を出してあげる優しささえ今までなかった私にはそんなこと言えないけど、あなたにはそれを言う資格があるね。私もあなたの手が汚れないようにするためにも撤去してほしいなって思うよ。
誰よりも温かくて柔らかい優しさを
誰よりも当たり前のように降り注ぐ夫。
そんな夫にも、
当たり前のようにたくさんの優しさが降り注ぎますように。
その中でも
誰よりも近くで、
誰よりも多く夫に優しさを降り注げる人が
私でありますように。
そんな私でいれますように。
まにょ。
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