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早織/まめせいじん
2024年5月31日 18:52
さらさらさらわたしはぷかぷか浮いている燦々と煌めく世界に包まれて透明なまぁるい膜を張ればもう誰も入ってこないお日様とキャッチボールしていたってその光さえぜんぶ跳ね返すいつもは飛びのって遊ぶカエルも今日は隣でちゃぷんちゃぷんごめんね エリいつもわたしを中に入れてくれたこれからはちゃんとノックをするよ今日はぷかぷか浮かんでてああ なんだか嘘みたいわたしのそらは
2024年4月6日 12:03
春は来ないもう桜は咲き乱れているのに風がつめたいぼくはまっていたそれはなにか新しいもの窓のむこうにあこがれていたそれはなにか、踊るようなひょお ひょお ひょおーあっちへ こっちへつきぬけていく枝葉の合唱に耳をすませてピカピカにしたばかりの靴で大地を踏みしめるするとあしのうらからなにかあたたかいものぼくのお腹へのぼってきて胸へそうしてすべてを包んでいって──ああ
2024年3月30日 19:45
ぼくはここにいるなにもしらないぼくいろいろなものをひめているぼくずっとここにいるぼくすなつぶのようにさらさらながれるそれはおわりではないはじめからそうだったなまえをよばれるずっとまえからぼくはあらゆるものをうみだしたおおきなおおきなこころのぶぶんだからぼくはおこってしまったすべてをしったということになにもないといいはることにいつかいなくなるということにぼくはここ
2023年11月23日 11:14
ふかふかのタオルに顔を包まれてきのうのにおいがする僕はいろいろなことを考えるごほうびのハンバーグ帰り道で遊んだのらねこ誰かのために働いたことこれからのこと今はただにおいを感じている僕は夢ってものをもったことがないこのにおいは僕の香りいつか誰かを包めるだろうか変わることのない僕のやさしさ***ひとりのときくらい、自分をまるごと包んであげましょう。素敵な日を過ご
2023年8月27日 21:59
一本道を歩いていた私はすることがない草はらに囲まれてただ進んでいたアリたちがアリを運んでいるモンシロチョウが花の蜜をすっている私はすることがない前から蛙がやってきた「お嬢さん どこへ向かってるんだい?」この道をただ進んでいる「それなら一緒に行かないか この道を右へそれた 先にある──」わけもわからずあとをついた草はらの中を行く前へ 前へあっと 視界が
2023年6月18日 17:13
ぼくのおとうとはシマウマらしくないといじめられるしましまがないのだしょうじきぼくはちょっぴりうらやましかったおとうとはとおくからでもすぐわかるからまっしろだからみんなからすこしはなれてるからでもぼくはシマウマらしいなんていわれないだってみんなしまうまなんだいちにちじゅうぼくがあたまをかかえていたらきみはわらっていった「なんかそれ、あなたらしいわ」***下絵は夫、色
2023年6月15日 16:35
洗濯物をそのままにしてふたりで海辺を歩きにいった未だに朝は苦手だけどわたしは毎日台所に立つようになったふたりの空間はもう深呼吸できるくらいでもなぜだろうあなたは安心した表情を見せてくれるというのにわたしの額からは何かがすーっと抜け出ていくようここはあなたとわたしのつくる家ぴったりとくっつけていた足の裏はいつのまにか下の方へと沈みかけていたあなたと手を繋いだまま波打ち際をは