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趣味でときどき詩を書きます。
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記事一覧

まぁるい膜〈詩〉

まぁるい膜〈詩〉

さらさらさら

わたしはぷかぷか浮いている
燦々と煌めく世界に包まれて

透明なまぁるい膜を張れば
もう誰も入ってこない

お日様とキャッチボールしていたって
その光さえぜんぶ跳ね返す

いつもは飛びのって遊ぶカエルも
今日は隣でちゃぷんちゃぷん

ごめんね エリ
いつもわたしを中に入れてくれた
これからはちゃんとノックをするよ

今日はぷかぷか浮かんでて
ああ なんだか嘘みたい
わたしのそらは 

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春は〈詩〉

春は〈詩〉

春は来ない
もう桜は咲き乱れているのに
風がつめたい
ぼくはまっていた
それはなにか新しいもの
窓のむこうにあこがれていた
それはなにか、踊るような

ひょお ひょお ひょおー
あっちへ こっちへ
つきぬけていく
枝葉の合唱に耳をすませて

ピカピカにしたばかりの靴で大地を踏みしめる
するとあしのうらから
なにかあたたかいもの
ぼくのお腹へのぼってきて胸へ
そうしてすべてを包んでいって──
ああ 

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りゆう〈詩〉

りゆう〈詩〉

ぼくはここにいる
なにもしらないぼく
いろいろなものをひめているぼく
ずっとここにいるぼく

すなつぶのようにさらさらながれる
それはおわりではない
はじめからそうだった
なまえをよばれるずっとまえから
ぼくはあらゆるものをうみだした
おおきなおおきな
こころのぶぶん

だからぼくはおこってしまった
すべてをしったということに
なにもないといいはることに
いつかいなくなるということに

ぼくはここ

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香り〈詩〉

香り〈詩〉

ふかふかのタオルに顔を包まれて
きのうのにおいがする
僕はいろいろなことを考える
ごほうびのハンバーグ
帰り道で遊んだのらねこ
誰かのために働いたこと
これからのこと

今はただにおいを感じている
僕は夢ってものをもったことがない

このにおいは僕の香り
いつか誰かを包めるだろうか
変わることのない
僕のやさしさ

***

ひとりのときくらい、自分をまるごと包んであげましょう。

素敵な日を過ご

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蛙〈詩〉

蛙〈詩〉

一本道を歩いていた
私はすることがない

草はらに囲まれて
ただ進んでいた

アリたちがアリを運んでいる
モンシロチョウが花の蜜をすっている
私はすることがない

前から蛙がやってきた
「お嬢さん
 どこへ向かってるんだい?」

この道をただ進んでいる

「それなら一緒に行かないか
 この道を右へそれた
 先にある──」

わけもわからずあとをついた
草はらの中を行く
前へ 前へ

あっと 視界が

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しまうまのぼく〈詩〉

しまうまのぼく〈詩〉

ぼくのおとうとはシマウマらしくないといじめられる
しましまがないのだ

しょうじきぼくはちょっぴりうらやましかった
おとうとはとおくからでもすぐわかるから
まっしろだから
みんなからすこしはなれてるから

でもぼくはシマウマらしいなんていわれない
だってみんなしまうまなんだ

いちにちじゅうぼくがあたまをかかえていたら
きみはわらっていった
「なんかそれ、あなたらしいわ」

***

下絵は夫、色

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波打ち際で〈詩〉

波打ち際で〈詩〉

洗濯物をそのままにして
ふたりで海辺を歩きにいった
未だに朝は苦手だけど
わたしは毎日台所に立つようになった
ふたりの空間はもう深呼吸できるくらい
でもなぜだろう
あなたは安心した表情を見せてくれるというのに
わたしの額からは何かがすーっと抜け出ていくよう
ここはあなたとわたしのつくる家
ぴったりとくっつけていた足の裏は
いつのまにか下の方へと沈みかけていた

あなたと手を繋いだまま
波打ち際をは

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