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『感性』は優しさの土台だ!

親子向けイベント『びじゅつで感性を育む』
美術館の学芸員さん達と一緒に親子向けイベントを開催しました。

私は講演会や研修会の講師をしていますが、芸術分野は初めてで、イベント当日だけでなく、打ち合わせからずーっとドキドキ・わくわくが止まらない。

以前の美術館の学芸員さんに対する私のイメージは「知的でクール」
そんな学芸員さん達とのイベントの「講師は私で本当に良いのか?」とおっかなビックリ参加した初めての打ち合わせ。
終わる頃には、学芸員さんへのイメージがガラリと変わっていました。

日々の生活の中で自然や芸術などに触れ、「見る」「聞く」「触れる」「においをかぐ」「味わう」など五感を使って物事を深く感じ取ることで育まれる『感性』
この『感性』は学びの土台であり、特に非認知能力(社会情動的スキル)にとってとても大切な感覚です。
イベントの前半では参加してくれたパパ、ママと一緒に、この『感性』を育む為に大切な、親子の対話のポイントを学びました。

それから・・・子ども達も合流して一緒に美術館を楽しむルールを学芸員さんから解説してもらい、いざ鑑賞!!

それぞれの親子ごとに、それぞれのペースで楽しみながら作品を見て回ります。
学芸員さんとボランティアさんが一緒に、親子に寄り添って、安心して鑑賞できるように見守っています。
今回のイベントに合わせて、背の低い子ども達の目線でも見えやすいように、通常より15cm低く作品を展示していただいた親子に優しい空間でした。

あるお父さんがお子さんの背に合わせて身をかがめて、作品の前でお話しされていました。
「お父さんいかがですか?」
「子ども達と話しながら見て回るのは、こんなにも楽しいものなんですね!」
目を輝かせて楽しそうに答えてくれた笑顔のパパさん。
そんな嬉しい感想をいただき、密かに胸がほんわか熱くなる。

二人で興味深く作品を見て回っていたお姉ちゃんと妹ちゃん。
ついていってみると・・・。
お姉ちゃんは作品に書かれた解説をじっくり読み込んでからじっくり鑑賞。
妹ちゃんはぱっと見た作品の印象について、色や形や、そこから閃いた鉱石の名前まで想像して、沢山語ってくれました。
きょうだいでも、子どもそれぞれ。
「自分らしく」それぞれの鑑賞のやり方で楽しんでいるお姉ちゃんと妹ちゃんの才能にただただ感心。
彼女達の「自分らしさ」をしっかり育てていらっしゃるママさんが本当に素晴しいなぁ。心から。

鑑賞の後は、みんなで感じたことをそのまま画用紙にコラージュで表現してみるワークショップの時間。
学芸員さんが準備してくれた今回展示されていた作品の画像や、過去のチラシや色紙などを、好きなように組み合わせて、自分だけのコラージュを創る。

『感性』を大切にしたコラージュ。
評価はせず「感じて」「肯定する」そんな姿勢でママやパパが見守る中。子ども達は思い思いにのびのびと作成していきました。

まだ幼児さんのチビちゃんも大好きなママと参加してくれていました。
こんな小さな子どもでも、こんなに長い時間集中して熱中して打ち込めるのかと感心する程、画用紙に自分の世界を切って貼って描いていきます。もはや枠に収まりきらない!はみ出しカラフルに描かれた小さな彼の大きな作品!
大好きなママがいる守られた空間で、心が落ち着き安心していれば、こんなにも自分の力が発揮できるのか!

鑑賞でパパとの対話をしっかり楽しんだお兄ちゃんの作品は、見たことのない展開に!
彼の作品は上に上にと進んでいき、最後には枠を超えて、扉を開けて次のステージに進んで行く!パパとの対話で、エネルギーいっぱいに心が満ち充電され、イキイキした表情で作品を説明してくれたお兄ちゃん。
大好きなパパがいる守られた空間で、パパとの肯定的な対話が、どれだけ子ども達の心に勇気を与えるのか!

チビちゃんのママさん「初めての美術館、大丈夫か心配だったけど楽しくて、また来たいと思いました」と柔らかい笑顔で感想を教えてくれました。

研ぎ澄まされた『感性』を持っている美術館の学芸員さん。
そして、その『感性』を土台に、芸術にだけではなく、子ども達への眼差しも、親子への眼差しも『愛』いっぱいであったかく、とても居心地の良い空間を作って下さった学芸員さん達。

学びは子ども達の専売特許ではない!
パパもママもスタッフも、そして私にとっても学びの多い、思い出に残るイベントになりました。

あなたも、『あなたの街の美術館』少しのぞいてみませんか?

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