土居和子

スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、講演会や研修の講師など。色んな場面で子どもや…

土居和子

スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、講演会や研修の講師など。色んな場面で子どもやママ・パパ、先生方と出会うお仕事をしています。noteでは子育てや人間関係に役立つコラムを中心にエッセイも書く予定。趣味がないのが悩み。海と空をぼーっと眺めるのが好きです。高大生男子の子育て中。

最近の記事

周産期の記憶

先週からトラウマの心理療法の研修を受けに関東に行って来ました。 日常的にもよく使う「トラウマ」 例えば「そんなことされたらトラウマになっちゃうよ~」とか。 相談のお仕事の中で出会う子ども達や保護者さんの中には、過去あった出来事にまるで「とりつかれた」かのように、未だに払拭できずに。そしてその記憶はいきなりポップアップしてきて、自分を傷つけたくなったり、周りに居る大切な人への暴言など、自分ではそんなことしたくないのに、つい「口走って」しまう。行動に出てしまう。。。 まだまだ

    • 切ない想いも大切な経験に整理する。

      今日の午後、30年以上ぶりに母校である中学校にお仕事で行って来ました。 瀬戸内海で生まれ育ったわたし。 生活の隣、人生にはいつも『海』がありました。 まだ元気だった頃の放課後の吹奏楽部。 海に向かって個人練習。 パッパカパーーーー。 どこまでも広がっていく。 どこまでもつづいていく。 研修会のお題は子ども達への『肯定的な声かけ』について。 子ども達がこの先どんな風に育っていくのか。 それは、『環境』の影響を大きく受ける。 「この街に産まれたならこのくらい」 「この家庭な

      • 日々積み重ねて創る。わたし達と子ども達の未来。

        今日は今年度はじめての保護者向け講演会のお仕事でした。幼稚園の保護者会主催の講演会。 息子くん達が保育所の頃にも年に一度保護者向け講演会がありました。 当時の私は、以前勤めていた建設コンサルタントを退職し、「心理的サポートのできる子育て支援者になりたい!」と子育てしながら臨床心理学の大学院に通っていました。 大学の学部は心理学とは全く違う工学部だったわたし。 大学院での授業はまるで外国にでも居るような。 使っている言葉から全く違う世界。 4年間大学で心理学を学んで来た同級

        • 幸せなお仕事。「強み」を見つける。

          今日のお仕事は保育士の先生達を対象としてマネジメント研修。 『マネジメント』はドラッガーが作った概念だそうです。 ドラッガーは個人、組織、社会のあり方をいろいろな視点から考察し莫大な本を書かれた学者です。 マネジメント研修を組み立てる前、ドラッガーの思想を読んだわたしが、一番腑に落ちた考え方が、 人は自分の強みを生かして社会に貢献することで、その人の幸せに繋がっていく。。。 何て優しい考えなんだろう と、感心したわたし。 苦手なことが沢山あるわたしが、 「こんなわたしでも

        周産期の記憶

          思春期親子のほどよい子育て。

          今日は息子くんの18回目のお誕生日。 高校で寮に入った息子くんと離ればなれに過ごすお誕生日3回目。 入寮してすぐには、 息子くんが「淋しがっていやしないか」 息子くんが「悲しい想いをしてやしないか」 とにかく息子くんが心配で心配で。。。 そんなわたしも今では 息子くんは「何とか自分でやっているだろう」 息子くんは「仲間や指導者と共に乗り越えていけるだろう」 何だか離れていても、安心して居られるようになっていた。 思春期。 親子関係は大きく変化していきます。 『精神的へそ

          思春期親子のほどよい子育て。

          生き方を考える。うつ病

          先週のNHKスペシャル『山口一郎”うつ”と生きる~サカナクション復活への日々~』を見ました。 サカナクションが2年間活動を休止していましたが、ボーカル山口さんがうつ病の闘病生活を送っていたとのことでした。 コロナ禍でのうつ病の発症。 全く会ったことのないテレビの世界の人だけれども、本当に生きていてくれて良かったと涙が出そうになりました。。。 反面、まだ完治していない状態での復活がとても心配になりました。 今も2週間に1度通院を続けているし、振り戻しの体調不良や、少し頑張る

          生き方を考える。うつ病

          記憶の完了。自分自身を取り戻す。

          先週から4日間の研修に参加してきました。 トラウマ記憶のない人はいません。 トラウマ記憶があるからこそ人間はマンモスの時代から今まで生き延びてきました。 危険を察知する為の大切なトラウマ記憶。 だけれども、その記憶がわたし達自身を苦しめることがあります。 わたしは階段がとても苦手です。 特に、仕事を1日中頑張って帰る夕方の通勤ラッシュ時間帯の駅の階段の下り。 階段が平面のように感じてどのくらい段差があるのかが「ふっ」と分からなくなって立ちすくむ。 後ろから後ろから。どんど

          記憶の完了。自分自身を取り戻す。

          映画『オッペンハイマー』のモヤモヤ感

          映画『オッペンハイマー』を観て来ました。 (ネタバレしないように書きたいと思いますが、想像できたらすいません) 私は被爆三世です。 原子爆弾を開発した物理学者が主人公、アメリカで製作されたこの映画のことを初めてテレビのニュースで知った時、何とも言えぬどうにもならぬモヤモヤした感覚を身体で感じ、テレビの画面を食い入って眺めていました。 「まさかこんなことが!」 こんなデリケートな題材で映画を作ったアメリカ人の監督がひょうひょうと日本のテレビで語っている! 「どうせわかり

          映画『オッペンハイマー』のモヤモヤ感

          入学式に感じる日常で居られることの『幸せ』

          昨日はスクールカウンセラーで勤務している中学校の入学式。 去年の5月にコロナが5類になったので、この春がコロナ明け久しぶりの集っての入学式だった。 在校生も居て、来賓の参列もある。 保護者さんもマスクを外しておめかししている方が多く、見ても華やかな体育館に、在校生の奏でる清々しく踊り出すような弦楽器の音色が響く。 そっか、そうだ。 これがコロナ前の日常だったんだ! 保護者も先生も、在校生の子ども達も皆で、新入生の子ども達の新しいステージを喜び合い、その門出に立ち会えたこ

          入学式に感じる日常で居られることの『幸せ』

          小休止。

          友達からこれから『帰るね』とLINEが届いた。 暫くしてから『間違えた!』 彼女は春休み自宅に居る子どもへ送ろうとして私に間違えて送って来たようでした。 子ども達の長期休み。 「ママ!おかえり~」と迎えてくれた息子くん達の笑顔がぱっと浮かんだ。 『いーよね。春休みとか夏休みとか。子ども達がおかえりーって言ってくれると疲れが吹き飛んでたなぁ』 何気なくつぶやくようにコメントを返した。 ピロリンッ 『そうだねー。いつも和子ちゃんには、そういうのを気づかせてもらって、勝手に

          幸せのつなぎ目。広がる幸せ。

          私は心理士ですが、社会福祉士の資格も持っています。 これまでソーシャルワーカーの先輩達からも沢山のことを学んできました。 ソーシャルワーカーさんは社会福祉士の仕事を持って、「人と人」「人と制度」「人と場」をつなぎ合わせていく人達です。 臨床心理士の視点はどちらかと言うと個人の中に中に。 過去から未来に向かって掘り下げていくアセスメントをしていくイメージ。 社会福祉士の視点は個人から周りへ周りへ。 環境との結び目を見てアセスメントを広げていくイメージ。 先輩方の広い視点の

          幸せのつなぎ目。広がる幸せ。

          「小学校デビュー前」子育て講座

          今日は年長さんの保護者さんを対象にした3回連続の子育て講座の最終回でした。 「受講して本当に良かったです。」 満面の笑みでお礼を伝えてくれたママさん達。 私は講座の講師の依頼をいただくと、担当者さんと一緒に内容を考えていくことを大切にしています。 『場』を創ろうとしてくれている担当者さんの想い。。。 ただ「依頼され」それを「引き受ける」だけでなく。 企画の奥にある担当者さんの、まだ見ぬ参加者への想いも大切にしたいと考えているからです。 今回の子育て講座は3回連続。 3回に

          「小学校デビュー前」子育て講座

          どこよりも輝く☆コミュプラ

          昨年度からはじめた、小中学校の頃に不登校経験のある高校生と大学生の子ども達のグループ『コミュプラ』も今年で2年目。 去年の3月、中学生の頃休んでいて参加できなかった文化祭を、自分達の手でやりたい!と言うコミュプラさんの想いをきっかけに、みんなで創り上げた「どこよりも輝く☆ミニ展示会とワークショップ」のイベント (去年のイベントの経緯はこちらから↓↓↓) ミニ展示会は、スペシャルサポートルーム(SSR:不登校の子ども達の校内の居場所)を利用している小中学生の作品を募集して、

          どこよりも輝く☆コミュプラ

          『アイデンティティ確立』大切な出会い

          「地盤研のみんなと集まると、自然にあの頃の自分に戻れるように感じるんだよね」 待ち合わせの店に行く道中、友達の発言に深く共感・・・。 大学から大学院時代、私が所属していたのは『地盤工学研究室』 先週末、その頃の恩師の先生をお招きして同期と先輩達の数名で、久しぶりのお食事会をすることに。 学生時代の私は簡単に言えば「男勝り」だったのか。 難しく言えば自分の『性』に違和感も感じることが多くあった。 「彼氏の好きと、友達の好きの何が違うの?」 「何で女だからってそんな役割をしな

          『アイデンティティ確立』大切な出会い

          「決めつけられたくない」けれど「傷つけたくない」優しい思春期の子ども達

          先週中高生・思春期の親対象の座談会のお仕事がありました。 保育園の地域子育て支援センターで開催されたこの講座。 一般的には子育て支援センターでは乳幼児の親を対象としたイベントが多い中、この支援センターで続けてくれている思春期子育て座談会。 幼児が小学生になり中学生になり。 そんな子どもとママ達の育ちを見守り続けてくれてきた地域子育て支援センターとスタッフの先生達。地域に根ざした『場』『居場所』となっている。 思春期の子ども達。 『こころ』と『身体』がチグハグで。 『言って

          「決めつけられたくない」けれど「傷つけたくない」優しい思春期の子ども達

          『こころの授業』小学生バージョン

          今週小学校で担任の先生と『こころの授業』をさせてもらいました。 子ども達はとても可愛い!けど残酷です。 私は日頃は大人向けの研修や講演会で講師をしています。 大人はたとえ面白くなかったとしてもお愛想してくれ聞いていてくれます。しかし、子ども達は・・・。 つまらなければあくびも出ます。 退屈だったらそっぽ向いて手遊びをはじめてしまいます。 なので私は大人相手より、子ども達の前で話す方がドキドキしています。 去年は中学生バージョンの『こころの授業』を、中学校の先生方、市教育委員

          『こころの授業』小学生バージョン