土居和子

スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、講演会や研修の講師など。色んな場面で子どもや…

土居和子

スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、講演会や研修の講師など。色んな場面で子どもやママ・パパ、先生方と出会うお仕事をしています。noteでは子育てや人間関係に役立つコラムを中心にエッセイも書く予定。趣味がないのが悩み。海と空をぼーっと眺めるのが好きです。高大生男子の子育て中。

最近の記事

映画『オッペンハイマー』のモヤモヤ感

映画『オッペンハイマー』を観て来ました。 (ネタバレしないように書きたいと思いますが、想像できたらすいません) 私は被爆三世です。 原子爆弾を開発した物理学者が主人公、アメリカで製作されたこの映画のことを初めてテレビのニュースで知った時、何とも言えぬどうにもならぬモヤモヤした感覚を身体で感じ、テレビの画面を食い入って眺めていました。 「まさかこんなことが!」 こんなデリケートな題材で映画を作ったアメリカ人の監督がひょうひょうと日本のテレビで語っている! 「どうせわかり

    • 入学式に感じる日常で居られることの『幸せ』

      昨日はスクールカウンセラーで勤務している中学校の入学式。 去年の5月にコロナが5類になったので、この春がコロナ明け久しぶりの集っての入学式だった。 在校生も居て、来賓の参列もある。 保護者さんもマスクを外しておめかししている方が多く、見ても華やかな体育館に、在校生の奏でる清々しく踊り出すような弦楽器の音色が響く。 そっか、そうだ。 これがコロナ前の日常だったんだ! 保護者も先生も、在校生の子ども達も皆で、新入生の子ども達の新しいステージを喜び合い、その門出に立ち会えたこ

      • 小休止。

        友達からこれから『帰るね』とLINEが届いた。 暫くしてから『間違えた!』 彼女は春休み自宅に居る子どもへ送ろうとして私に間違えて送って来たようでした。 子ども達の長期休み。 「ママ!おかえり~」と迎えてくれた息子くん達の笑顔がぱっと浮かんだ。 『いーよね。春休みとか夏休みとか。子ども達がおかえりーって言ってくれると疲れが吹き飛んでたなぁ』 何気なくつぶやくようにコメントを返した。 ピロリンッ 『そうだねー。いつも和子ちゃんには、そういうのを気づかせてもらって、勝手に

        • 幸せのつなぎ目。広がる幸せ。

          私は心理士ですが、社会福祉士の資格も持っています。 これまでソーシャルワーカーの先輩達からも沢山のことを学んできました。 ソーシャルワーカーさんは社会福祉士の仕事を持って、「人と人」「人と制度」「人と場」をつなぎ合わせていく人達です。 臨床心理士の視点はどちらかと言うと個人の中に中に。 過去から未来に向かって掘り下げていくアセスメントをしていくイメージ。 社会福祉士の視点は個人から周りへ周りへ。 環境との結び目を見てアセスメントを広げていくイメージ。 先輩方の広い視点の

        映画『オッペンハイマー』のモヤモヤ感

          「小学校デビュー前」子育て講座

          今日は年長さんの保護者さんを対象にした3回連続の子育て講座の最終回でした。 「受講して本当に良かったです。」 満面の笑みでお礼を伝えてくれたママさん達。 私は講座の講師の依頼をいただくと、担当者さんと一緒に内容を考えていくことを大切にしています。 『場』を創ろうとしてくれている担当者さんの想い。。。 ただ「依頼され」それを「引き受ける」だけでなく。 企画の奥にある担当者さんの、まだ見ぬ参加者への想いも大切にしたいと考えているからです。 今回の子育て講座は3回連続。 3回に

          「小学校デビュー前」子育て講座

          どこよりも輝く☆コミュプラ

          昨年度からはじめた、小中学校の頃に不登校経験のある高校生と大学生の子ども達のグループ『コミュプラ』も今年で2年目。 去年の3月、中学生の頃休んでいて参加できなかった文化祭を、自分達の手でやりたい!と言うコミュプラさんの想いをきっかけに、みんなで創り上げた「どこよりも輝く☆ミニ展示会とワークショップ」のイベント (去年のイベントの経緯はこちらから↓↓↓) ミニ展示会は、スペシャルサポートルーム(SSR:不登校の子ども達の校内の居場所)を利用している小中学生の作品を募集して、

          どこよりも輝く☆コミュプラ

          『アイデンティティ確立』大切な出会い

          「地盤研のみんなと集まると、自然にあの頃の自分に戻れるように感じるんだよね」 待ち合わせの店に行く道中、友達の発言に深く共感・・・。 大学から大学院時代、私が所属していたのは『地盤工学研究室』 先週末、その頃の恩師の先生をお招きして同期と先輩達の数名で、久しぶりのお食事会をすることに。 学生時代の私は簡単に言えば「男勝り」だったのか。 難しく言えば自分の『性』に違和感も感じることが多くあった。 「彼氏の好きと、友達の好きの何が違うの?」 「何で女だからってそんな役割をしな

          『アイデンティティ確立』大切な出会い

          「決めつけられたくない」けれど「傷つけたくない」優しい思春期の子ども達

          先週中高生・思春期の親対象の座談会のお仕事がありました。 保育園の地域子育て支援センターで開催されたこの講座。 一般的には子育て支援センターでは乳幼児の親を対象としたイベントが多い中、この支援センターで続けてくれている思春期子育て座談会。 幼児が小学生になり中学生になり。 そんな子どもとママ達の育ちを見守り続けてくれてきた地域子育て支援センターとスタッフの先生達。地域に根ざした『場』『居場所』となっている。 思春期の子ども達。 『こころ』と『身体』がチグハグで。 『言って

          「決めつけられたくない」けれど「傷つけたくない」優しい思春期の子ども達

          『こころの授業』小学生バージョン

          今週小学校で担任の先生と『こころの授業』をさせてもらいました。 子ども達はとても可愛い!けど残酷です。 私は日頃は大人向けの研修や講演会で講師をしています。 大人はたとえ面白くなかったとしてもお愛想してくれ聞いていてくれます。しかし、子ども達は・・・。 つまらなければあくびも出ます。 退屈だったらそっぽ向いて手遊びをはじめてしまいます。 なので私は大人相手より、子ども達の前で話す方がドキドキしています。 去年は中学生バージョンの『こころの授業』を、中学校の先生方、市教育委員

          『こころの授業』小学生バージョン

          一期一会の90分に想いを馳せる

          今日はお世話になっている大学の先生に声をかけていただき、その大学で外部講師をしてきました。 対象は大学2年生『幼児教育学演習』 息子くん達が乳幼児だった頃のママとしての経験 家庭相談員として0~18才までの親子を支援していた経験 保育ソーシャルワーカーとして保育園所の先生からの支援をしてきた経験 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとして先生と保護者さんと一緒に子ども達の育ちを支援している経験 たった1コマ90分の彼らとの出会い。 私に何が伝えられるか。 私は

          一期一会の90分に想いを馳せる

          保育士仲間のあったかい連続講座

          こどもとの関わり。 「これで合っているのかな?」 これは子どもにとって大切なことなのか、自分にとってのこだわりなんだろうか? 怒るべきか、怒らない方が良いのか・・・。 息子くん達が小さい頃にも、大きくなった今でも悩ましいこのお題。 皆さんも悩んだことがありませんか? 今週ある地域の取組みで、その地域の保育士さんを対象としてペアレントトレーニングのやり方を元にした4回連続講座の最終回がありました。 保育園や幼稚園、児童館など様々な施設で働いている保育士さん達14人の研修会。

          保育士仲間のあったかい連続講座

          刻み込まれた音楽の思い出

          帰省した息子くんとのドライブ。 音楽好きの息子くんが彼のお気に入りソングを流してくれた。 「最近昔の曲が好きなんよ」 と話してくれた息子くん。 彼のプレイリストには、息子くんが小さい頃に私がよく聴いていた曲が何曲も入っていた。 あんなに小さくても覚えていたのか? 私も音楽好きな母に育てられた。 私が小さい頃、母は洋楽のカセットテープをかけて、毎朝体操を兼ねて踊っていた。 楽しそうに踊っている母を、私はベットの上に寝転がって眺めるのが好きだった。 「なんでこんな(静かな)曲

          刻み込まれた音楽の思い出

          食育(生きる勇気を育む)

          帰寮する高校生の息子くんの背中を見送ってしんみり。。。 やっぱり離ればなれになるのは淋しい。 じんわり涙が湧いてくる。 今回の帰省でも彼はたらふくご飯を食べてくれました。 からあげ、メンチカツ、春巻きにハンバーグに、肉じゃがにごった煮、フレンチトーストにピザパンに・・・。 「お正月もママのお節をおうちで食べたい!」 『食べたい』と言ってくれる人がいるのは何とも幸せなことか。。。 高校生の息子くんは野球を頑張っています。 このシーズンにはなかなかの打率成績が残せた息子くんに

          食育(生きる勇気を育む)

          「離れていても大丈夫」こころの成長

          気がつけば2023年ももう後数日・・・。 #今年のふり返り 息子くん達もそれぞれに大学2年生、高校2年生となり、離ればなれの生活も2年目になった2023。 「居るのが当たり前」「居ないのが当たり前」ではなくて。 『離れていても大丈夫』になっていたことにふと気付く。 去年はとにかく 「淋しくしていないかなぁ?」「お友達と仲良くできているのかな?」「ご飯をちゃんと食べてるかな?」・・・ 心配してもしても足りないくらいに。 長男くんを心配して、次男くんを心配して、の大忙し。

          「離れていても大丈夫」こころの成長

          『光』と『影』をみつめる。

          今年度3回目のヤングケアラー講演会。 はじめてお仕事でご縁の出来た街で、はじめて出会う人達と一緒にその『場』を作る。 講演会は人権フェスタの一環として開催されており、私の前には地元の中学生のダンスや合唱などの催しがありました。 控え室に通されても大人しくしておけず、会場に紛れ込み子ども達のその一瞬を、会場で皆さんと一緒に楽しんでいたわたし。 会場の入り口には地元の特産品の販売も。 ここに暮らす皆さんの雰囲気を感じながら。皆さんと一緒に過ごす温かいひととき。 演題は「ヤング

          『光』と『影』をみつめる。

          『話の聴き方教室』(ゲートキーパー養成講座)

          「ゲートキーパー」皆さん聞いたことがありますか? 訳すと「門番」。「死にたい」と思うくらいに辛い状況にある方を社会につなぎとめていく。 ゲートキーパー養成講座は、自殺予防対策として全国の市町村で実施されています。 今日は3回連続講座の最終回。 会場に入るとクリスマスツリーが目に留まる。 知らない誰かが、ここに集う知らない誰かの為に準備して飾ってくれたクリスマスツリーの温かさ。 じんわりと味わう。。。 『話の聴き方教室』(ゲートキーパー養成講座)には、毎年色々な立場の方が参

          『話の聴き方教室』(ゲートキーパー養成講座)