生き方を考える。うつ病
先週のNHKスペシャル『山口一郎”うつ”と生きる~サカナクション復活への日々~』を見ました。
サカナクションが2年間活動を休止していましたが、ボーカル山口さんがうつ病の闘病生活を送っていたとのことでした。
コロナ禍でのうつ病の発症。
全く会ったことのないテレビの世界の人だけれども、本当に生きていてくれて良かったと涙が出そうになりました。。。
反面、まだ完治していない状態での復活がとても心配になりました。
今も2週間に1度通院を続けているし、振り戻しの体調不良や、少し頑張ると寝込んでしまい起き上がれなくなることもあるそうで、そんな中沢山の人から見られる音楽の世界のストレスにつぶされてしまうのではないかと。
頑張って欲しい気持ちと自分をすり減らして欲しくない気持ちの間で揺れながら、1時間弱の番組を食い入るように見ていた。
現代、うつ病に罹患する人の割合は15人に1人。
30人のクラスであれば2人はうつで苦しんでいる計算になる。
自分を1つの例として示すことで楽になる人がいればと、それを見てうつ病を理解してくれる人が増えればと、取材を引き受けたと語る山口さん。
「うつ病は心が弱い人がなる」昔はそんな偏見があったけれども、本当にそれは偏見以外のなんでもなくて、本当に山口さんは強い人だと感心した。
うつ病の症状について
「朝は絶望、昼は身体がしんどくて、夜はメンタル的にしんどい」
さすが、作詞も担うミュージシャン。
美しく、やけにストンと納得できるこの表現。
うつ状態の時の対人関係についても
「メンバーに対応するのか怖くて連絡ができなくなった。余計なことを言ったり言われたりするのが怖かった」
と語る山口さん。
家族や友人に対してすら、悪く悪く考えてしまい苦しんで。そんな風に考えてしまう自分が嫌でまた落ち込んで。どんどん落ちていく。どんどん人に会うのが怖くなっていくうつ状態。
山口さんの発言は美しく的確に的を得ていて腑に落ちる。
暗くて重い病気の話すら、こんな響きになるのかと。
感嘆しながら聴き入っていた。。。
ライブ初日の控室。
「毎日、『明日』はどうか、『明日』はどうかって考えて生きてきた。久々に『明日』のことは考えず『今』のことだけ考えてライブがやれるのが幸せだ」
と晴れやかな表情で鏡の中の自分を眺めた山口さん
ライブ終盤のMC
むかしの自分に戻ることを諦めて、うつ病の自分を受け入れミュージシャンとして前に進むことを決心した山口さん
そんな舞台の上の山口さんの背中を後ろから眺めていたドラム担当のメンバーの男性が男泣きに泣き出した。
「自分だけが戦ってきたつもりだったけど、メンバーも戦ってくれていたんだなって」
山口さんが背中から抱きしめる。
それを見ていたファンが顔を覆い泣いている。
みんなの温かく優しい涙がこだまする。
山口さんの生きた『言葉』の数々から沢山のヒントをもらった。
うつ病になったとしても昔の自分にこだわることなく、新しい自分を見つけて進んでいく。
うつ病になったとしても好きなことが出来なくなっても「自分が好きだったものを諦めない」
15人に1人が罹患するうつ病。日々の生活で何気なく接している人達の中にも闘病している人もいるかもしれない。
正しく知ることで早期治療もできるかもしれない。
人間関係のストレスから発症することも多いけれども、人間関係の中で生きる勇気を見つけて立ち上がっていく人も多い。
「お互いさま」が笑顔で言えるように、きちんと知っておくことは大切なんじゃないか。
うつ病の1つの例を表現してくれた山口さん。
また新しく始めてくれた勇気に感謝。
またサカナクションの音楽に出会えるチャンスを与えてくれてありがとう!
どうぞ、無理はせず。
あなたの歩幅で進めてくれたら、私はとっても幸せです。
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