マガジンのカバー画像

蒼い真紅

33
私の【自伝】です。 3年ほど前に一度私の半生を綴っておりました。 ▶︎読んでいるだけで勇気がもらえた ▶︎こんな自分でも生きてていいんだ 僭越ながらそんなお声を頂きましたので、…
運営しているクリエイター

#精神科病院

30.死んだように生きる

30.死んだように生きる

プロローグから続いています。

今回はとても重い内容ですので
有料記事といたしました。

優等生を演じ切った私は、
当初の予定よりも早く退院することとなった。
平日の昼間の退院。
迎えは誰も居ない。

一人で清算を済ませ
一人でタクシーに乗り
一人で退院してきた。

お世話になりました。
そう、親身に世話をしてくれた担当看護師に伝えると
もう二度とここに戻って来てはだめよ!
まるで刑務所なのかと思

もっとみる
29.こんなママでごめんなさい

29.こんなママでごめんなさい

プロローグから続いています。

わけも分からず荷物をまとめ、娘を保育園に預けてから
夫に付き添ってもらい病院に向かった。
娘とはしばらく会えないのだろう。
自分から離れる娘にホッとしているのか
会えない淋しさなのか
入院することへの緊張なのか…
もはやどんな自分だったのだろうかという記憶すらない。

閉鎖病棟は二重でドアが施錠され、
看護師と一緒でなければ外に出られないところだった。
到着するとす

もっとみる
0.振り返れば、ただ前に進んでいた…

0.振り返れば、ただ前に進んでいた…

「蒼い真紅」プロローグ

いろんなことがあった。
父親を知らずに生まれ、
新しい家族が出来たかと思えば失い
学校に通ったかと思えば戻れなくなり
新しい家が手に入ったと思ったら失い
自立して生きていこうとしたら、自分すら失った。

それでも、ただ前に進んでいた。

目の前が
舗装されたキレイな道だろうが
足を取られるくらいにガタガタの道だろうが
時には身動き取れないぬかるんだ泥道だろうが
私はただた

もっとみる