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心理カウンセラー小園麻貴(こぞのまき)
2020年9月25日 13:53
プロローグから続いています。ほんの少しずつ薄皮を一枚一枚剥ぐように私は自分を前に向かせる。向かせたくてもすぐ戻りそれでも這うように自分を前に向かせる。自分の命を友人に預けた私は、何百層にも重なる薄皮の向こうの光を求めるようだったが、それでも前へ…まだまだ見えない遠い向こうの光を追い続けていた。自分を傷つけることは無くなった。保育園の送り迎えも何とか自分でできるようになった
2020年9月16日 17:40
プロローグから続いています。今回はとても重い内容ですので有料記事といたしました。優等生を演じ切った私は、当初の予定よりも早く退院することとなった。平日の昼間の退院。迎えは誰も居ない。一人で清算を済ませ一人でタクシーに乗り一人で退院してきた。お世話になりました。そう、親身に世話をしてくれた担当看護師に伝えるともう二度とここに戻って来てはだめよ!まるで刑務所なのかと思
2020年9月14日 18:57
プロローグから続いています。わけも分からず荷物をまとめ、娘を保育園に預けてから夫に付き添ってもらい病院に向かった。娘とはしばらく会えないのだろう。自分から離れる娘にホッとしているのか会えない淋しさなのか入院することへの緊張なのか…もはやどんな自分だったのだろうかという記憶すらない。閉鎖病棟は二重でドアが施錠され、看護師と一緒でなければ外に出られないところだった。到着するとす
2020年9月9日 16:25
プロローグから続いています。この子を私のようにさせてはいけない。この子を私のようにさせてはいけない。この子を私のようにさせてはいけない。やがて呪文は呪と化する。娘は私から離れなければならない。私と居ると不幸になる。どうにかして私から離さなければならない。藁をも掴む想いで、区の保健センターに電話した。母子手帳に書いてあった相談窓口を思い出したのだ。私と一緒にいる娘を助けて
2020年9月8日 13:26
プロローグから続いています。可愛い女の子が生まれた。これまでの怒りや不安が嘘のような日々が待っていた。大学も3年生までに単位を取っていたから、大きなお腹を抱えながら出産の直前にあった最終試験を受け、4年間で無事に卒業していた。あとは育児に専念するのみだ。毎日どころか毎瞬、毎瞬見続けても、可愛い娘に飽きることはなかった。毎日数百の写真を撮り、散歩に連れ出し、これまでに感じ
2020年9月1日 15:58
プロローグから続いています。子どもを授かったことに喜べない自分を責めていた。そんな私の気持ちを誰も分かってもらえないと悲観していた。家に帰れば喜ぶ夫。実家に連絡し「おめでとう」という言葉を浴びせられる毎に、嬉しさを表現しなければならなかった。お祝いを聞くのが辛かった。喜べない自分を誰にも言えない自分が辛かった。子どもが欲しくなかったわけではない。ただただ怖かったのだ。こん