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【BL二次小説】 可愛いヒト③終


~総北~



小「どっひゃー!!あ、荒北さんと映画を!?しかも『ドルパン』?」

鳴「度胸あんなオマエ!ワイには無理や!」

今「オマエが誘われるわけないだろう」



翌日、昨日の出来事を話すと予想通り驚かれた。



小「あの荒北さんと2人で映画なんて羨ましいよ今泉くん。ジェラシー感じちゃうなボク~」

鳴「なんや、荒北さんてそない人気あるんか?」

今「ふふ……」


今泉はちょっと優越感を覚えていた。



ヒ~メヒメ。

その時、小野田のスマホが鳴った。


小「はいもしもし小野田です」


真「……坂道くん」

小「まっ!真波くん?」


電話をかけてきたのは真波だった。



真「昨日今泉くんが荒北さんと映画に行ったんだってね……」

小「え?う、うん。そうみたい。今ちょうどその話を……」


真「おかげで今、箱学は修羅場だよ」

小「しゅ、修羅場??」


意味のわからない小野田。


真「見損なったよ坂道くん。なぜ今泉くんを一人で野放しにしたんだい?なぜ縛り付けといてくれなかったんだい?」

小「ま、真波くん……?何を?ご、ごめん意味が……」


真「キミがそんな人だとは思わなかった……」

小「真波くん?どうしたの?なんか怒ってる?ねぇ真波くん?」


ツーツーツー。

通話は一方的に切れた。



小「???」






~箱学~



ドターーン!!



新「なんでっ!なんでオレを誘ってくれなかったんだよ靖友!!」

泉「新開さん!落ち着いて下さい!」


荒北に馬乗りになり、胸ぐらを掴んで大声で非難している新開。

目から大量の涙を流している。


荒「オメー、アニメなんか観ねェじゃねーか!」

新「観るよっ!おめさんが誘ってくれるんならアニメだろうがホラーだろうがポルノだろうが観るよっっ!!」



黒「総北の今泉……。次に会ったら絶対許さねぇ。絶対にだ」

指をポキポキ鳴らして呪いの言葉を吐く黒田。



新「箱学だけじゃ飽き足らず、他校にも色気ふり撒くってどういうことだよ!!」

荒「色……!何言ってンだテメェは!」

新「一人で行くって言うから安心してたのに油断も隙もない!!」



荒「わアったよ!わかったから!ギャアギャアうるせェ!次の週末、また観に行くからァ!オレと一緒に行きてェ野郎はいるかァ!?」

新「行く!」
黒「行きます!」
真「行きまーす!」
泉「じゃボクも」


荒「……ハァ……」


荒北はゲッソリしていた。






~再び総北~



今「……」

窓の外を眺め、フッと溜め息をつく今泉。



荒北さん……。

次の週末、あの映画館に行けばアナタにまた会えるだろうか……。

いや、そうそう毎週来るわけないよな……。


だけど……。


会えないとわかっていても、きっとオレは週末またあの映画館に行ってしまうだろう……。




週末、あの映画館で何が起こるか予想もしていない今泉は、想いを馳せていた ──。





おしまい




へ             あとがき



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