【まったり経営学40】『世界標準の経営理論』35〜企業ガバナンスと経営理論〜意識すべきはメガ・トレンドとハイパーノーム。それに合わせて法律すら変わっていく。
さてと、2年前の感想👀
ところでみなさん、
ガバナンスとコンプライアンスっていつの時代から叫ばれ始めたかご存知?
2006(平成18)年施行の改正会社法(新会社法)
で掲げられた理念(立法趣旨だからたしか条文には載ってなかったかな。)で掲げられたもので、正式には以下の3つ。
コンプライアンス=法令遵守(自分の業務に関する法律は守ろう)
コーポレートガバナンス=企業内統治(法令遵守も含め、組織をしっかり運用しよう)
ディスクロージャー=情報開示(株主や取引先に不要な損害を与えないように、会社の情報は隠蔽せずに、ちゃんと良いことも悪いことも公開していこう)
で、2008年のリーマンショックやその年末から翌年まで吹き荒れた派遣切りなんかの時期に、上記の3つも踏まえて、
CSR=企業の社会的責任
なんてことに取り組み始めた企業も結構あったんだけど、
リーマンショックや民主党政権の失政、東日本大震災
なんかの経済不況の波で下火になったなあと🤔
嫁の友人なんかで話を聞くと、
ガバナンス=コンプライアンスって混同
していたり、会社の中でも、取り組み的にそうなんだけど、
コンプライアンスとコーポーレートガバナンスは知っていても、
ディスクロージャーを知らなかったり
な人が多いんだよね。
所有と経営の分離が行き届いてる=てか、それが会社の基本な欧米からしたら、
すでに、できていて当たり前な情報開示
すら、そもそも
法令遵守すらできてない、てか、従業員が業務に関する法律を知らない
ってところに持ってきた法律だから、施行から15年以上経って、一昨年くらいからかな?やっとこ、
全ステークホルダーを意識したパーパス経営
みたいな言葉に名を借りて、
株主や従業員にきちんと会社にとって良い情報も悪い情報も包み隠さずに情報を開示しよう。じゃないと海外投資家から資金が引っ張って来れない
って感じで、IR活動を通じて、
情報開示まで行き届き始めてるなあ
って感じで見てるけど、マスコミなんかを通じて、それを
(近江商人の美徳に言葉を借りて)
三方良しの精神
なんて言ってるけどね。
じゃあわざわざ、パーパス経営なんて変な言葉を使わずに、
最初から三方良しで古来からの美徳でやっておけば良いだけじゃん
って思ったし、その精神でずっとやってる企業って、結局、
ずっと安定的な経営をやってるんだよね〜〜〜〜
イメージだけで語る人が多くなりすぎた国で、
ガバナンスを勘違いしてそうな人も多そうなので、ちょっと長くなったけど書いとく🕺
見出しとしては、
企業ガバナンスが世界で注目を集める理由
多くの企業がガバナンスの見直し
本章のガバナンスの視点
実際
企業ガバナンス領域の構造
「内部ガバナンス」と「外部ガバナンス」
企業内部のガバナンス分野 1取締役会
企業内部のガバナンス分野 2株主構成
企業内部のガバナンス分野 3経営陣へのインセンティブ付け
外部ガバナンス分野 1法制度
外部ガバナンス分野 2株式市場による統制
外部ガバナンス分野 3外部の監査機関
外部ガバナンス分野 4格付け機関、アナリスト
外部ガバナンス分野 5アクティビスト
外部ガバナンス分野 6メディア
エージェンシー理論は企業ガバナンスの必修理論
エージェンシー問題の簡単な復習
企業ガバナンスはエージェンシー問題を抑制するための機能
企業ガバナンスはエージェンシー問題を抑制するための機能 ❶エージェンシー理論か らみた取締役会のあり方
企業ガバナンスはエージェンシー問題を抑制するための機能 ❷エージェンシー理論か らみた株主構成のあり方
企業ガバナンスはエージェンシー問題を抑制するための機能 ❸エージェンシー理論か らみた経営陣へのインセンティブ付けのあり方
企業ガバナンスをめぐる2つのトレンド
株主だけが第一の時代が、終わりつつある 1.ステークホルダーの多様化
日本
ステークホルダーの多様化が起きている原因
ステークホルダーに関する世界的な潮流
新時代のガバナンス理論は社会学ベースである
1.エンベデッドネス理論(24章)とソーシャルキャピタル理論(27章
2.社会学ベースの制度理論(28章)
3.資源依存理論(29章)
2.スタートアップ企業や同族企業など多様な企業ガバナンスへの注目:スチュワード シップ理論(stewardship)
スチュワードシップ理論を前提にすると
(1)スチュワードシップ理論から見た取締役会のあり方
(2)社会学ディシプリン理論から見た株主構成のあり方
(3)経営陣へのインセンティブ付け
自社が求めるガバナンスを考え抜け
Column 企業倫理と経営理論(661p~)
企業倫理とは何か
ステークホルダー理論(Stakeholder Theory:SHT)
結合社会契約理論(Integrative Social Contract Theory:ISCT)
結果として
人が持つ倫理規範には2段階ある
世界中で起きるハイパーノーム明示化の流れ
ユニリーバのグローバルCEO ポール・ポールマン氏
セールスフォース・ドットコム マーク・ベニオフ氏
ポイント
この本が出て3年数ヶ月だけど、以降も、
新社長側と旧経営陣が分裂して引き起こされた大塚家具お家騒動
コンプライアンスとガバナンスの欠如が引き起こしたセブンイレブン新アプリ不正アクセス問題
旧銀行系の縦割り、何も言えない社風、ガバナンスの欠如・不足がもたらしたみずほ銀行のシステム大規模障害
法令違反がないか監査と納品後のチェックも怠り、たかだか4億円の予算事業に実は九次請けまで発生していて、接触記録すら反映されなかった接触確認アプリCOCOA問題
製造部門と検査部門が同じ部署でガバナンスが欠如していた日野自動車不適正検査
営業重視な社内統治欠如により医薬品死亡事故の小林化工水虫薬事件
トレーサビリティを徹底しなかった県が放置した熊本県あさり産地偽装事件
個人情報保護法の職員への教育不足・知識不足によるマイナ保険証紐つけミス問題に端を発したデジタル庁への個人情報保護委員会の立ち入り検査
中古車修理販売業の保険制度の抜け穴と情報の非対称性を悪用したビッグモーターの保険金不正請求問題
アクティビスト対策ばかりで、従業員に対してガバナンスが欠如していたことに端を発した西武・そごうストライキ
故人である創業者の数十年に渡る所属者に対する加害行為に対するジャニーズ事務所の性的虐待問題
などなど、ま、「それだけではない」と異論は色々あるだろうけど、本当に枚挙にいとまがない。法令=コンプライアンス違反で、結構な刑事事件や社会問題になったものも多いけど、大元を辿ると、結局は、
企業内統治=コーポレートガバナンスの欠如
が起因してる事件や事故ばかり👀
そ。って
ステークホルダー
=組織に携わる全ての利害関係人
であって、
ステークホルダー
=組織に大きな発言権とか影響力を持つ人
ではないんだけど、お受験勉強と誤った効率主義、個人主義日本だと
圧倒的に、発言権とか影響力を持つ人だけを重視しがちな自称、組織人が多すぎ。優先順位とかゆーてね
関連記事
参考文献
ガバナンス=会社法だし、旧司法試験受験生時代に、他の書籍に比べて薄い割に体系立てて学べたので紹介しとく〜〜〜
もう十数年離れてるから、最新版がどうなってるかは知らないけど。
図書館とかで立ち読みでもしてみなっせ〜〜〜〜🕺
一旦、記事を公開してから追記。
何回か他の記事で触れてた本だから、ここで一番重要なのに忘れてたわ🕺
この本の肝になってる
trillion algorithm
がまさに、
世界的なプラットフォーマーになるために必要な企業内統治方法は何か
を詳細に紹介してるからね👀ちなみに、
で触れた国内最大手のホワイト企業は、数年前に社内の組織体系を一新して、すでに、
創業オーナーを中心=軸にしたtrillion algorithmな組織に変わってた
この会社はこれからも伸びるだろうから、そのうち株を購入しようかを検討するレベルなんだよね🤔
今回の感想
やっと、
メガトレンドの進化型とでも言うべき
ハイパーノーム
が出てきたね。まあ日本は、
キャンセル文化が経営層にだけ偏りすぎてる=労働者の使い捨て
から、この本が出るくらいまで、消費者とか労働者の
不買運動(ボイコット)
ストライキ(労働権行使)
暴動
なんかが数十年もない本当に
飼い慣らされた織り目正しい=従順に我慢だけする国民性
だったから、
経営者や政治家にとっては本当にやりやすい=都合のいい
経営環境だったんだろうけど、今や、海外投資家の投資資金が半数近くを占める市場になってしまって、もはや、海外で活動する人々の価値観をきちんと意識しないと、
モノが購入されない時代
だし、
コンプライアンスを意識したガバナンスの欠如
を放置して、
不祥事や問題が発覚
すると、どこかの株式非上場の中古車販売会社や芸能事務所みたいに、
一発で世間的な厳しい対応で屋台骨すら消し飛びかねない
社会情勢なのに、経営層とか政治家の感覚が、自分たちが学校を出た時点で止まっているのか、既得権益とかシガラミで身動きができないのか
最後の最後まで、隠蔽しようとするか非を認めずにさらに悪い印象を与える
で、契約打ち切りとか利用されないで
倒産とか廃業
ってことになる社会だってわかってないんだよね〜〜〜🤔
まさに、第5章で紹介した
アカロフのレモン市場
👉「悪貨は良貨を駆逐するが、悪貨はいずれ社会に淘汰される」
って経営学を含めた哲学全般で古来から言われてる
グレシャムの法則
を地で行ってるからね👀
一体、これまでの人生でお金儲けのやり方とか勝ち組に入るみたいな瑣末なこと以外に何を勉強してきたの?
人の良識を教えてくれる人はいなかったの?
って驚くしかない😓
拝金主義、企業の成長率とか前年同期比との売り上げ比較、世界シェアなんてものだけを錦の御旗に、一時的な隆盛を極めてる国内の巨大企業に限って、
世界的に不買運動(アパレル)
世界のニーズと合わない(中国市場における日本の自動車メーカーの売り上げ激減)
などなど、世界的な潮流である
メガトレンド👉ハイパーノーム
の潮目を見れずに、
自滅
して行ってる。次の章で書くグローバリゼーションで、
グローバル=世界進出
って感じで勘違いして、
世界の常識である非市場戦略もリアルオプションも学ばないまま、
余計なコストだけかけて、自分たちから無駄な市場開拓で、
開拓すら出来ずにただそこにいるだけ
になってる企業は後を絶たないよね〜〜〜🤔
まあ、ひとえにそれは老人支配国家の弊害で、
数十年前に学校を卒業して社会を出た時点で本質を学ぶことをせずに、
ひとつの会社=社会=世界で、会社の中の常識=世界の常識と勘違いして、
年功序列な出世街道で、
自分たちが学校を出た時点の最新=今でも世界の最新
って思って、
先人たちを否定する割に、先人たちが残してくれた予算を悉く無駄遣いしてきただけの社会だからね。
10年以上前から、日本の社会人とやらを揶揄して、世界から、
「日本のビジネスマンは世界で一番、学ばない民族」
とまで言われていたしね👀それが今になって、国を挙げて
リスキリング
なんて言ってる始末だし。リスキリングなんて国が推奨してるってことは、裏を返すと、
それまでが如何に社会で本当に必要な学びを怠ってきた社会か
ってことを暗に示してるんだけどね👀
意味がないとまでは言わないけど、国家として経済も衰退して、金がなくなってから今更、学び出しても遅い。
ま、それは個人の生活に対しても言えることだし、
今日できることは先送りせずに、今からやろう
👉鉄は熱いうちに打て
ガバナンスって結局、
組織内で不正とか事故が起きないように企業を統治すること
もし不正や事故がすでにあるのであれば、それを再発させないように企業内でしっかりとしたリスクマネジメントをすること
であって、決して、
「和を尊ぶ」、「清濁併せ呑む」なんかで、今組織内にある不正とか事故の目を、目先の売り上げとか収益なんかのために先送りすることでも、正しい意見を黙殺することでは決してない。
メガトレンドやハイパーノームで世界が動き、法令遵守や企業内統治、情報開示で国も15年以上前から動いているのに、
未だにそんなことをやってたら、社会から淘汰されるだけ
まとめ
この国のお偉いさんが待ったなしまで放置した挙句、
「待ったなし」
と言って、まず始めるのは、
(結論時期を明確にしてない)議論
数十年前も今も変わらない。その時に、社会に訴えかけるのは、
(自分たちで「待ったなし」とゆーてるけど)
「議論するから待ってくれ」
だってそれが、
民主主義のプロセス
で、民主主義のプロセスには、
時間がかかる
とわかっているなら、そもそも
最初から待ったなしになるまで放置しなければ良いのに💦
前章
で
組織って結局はそこに属する人次第
って書いたとおり、経営層だけが本当に優秀で、いくらコンプライアンスやコーポレートガバナンス、ディスクロージャーを訴えたところで、
そこに属する人たちが腑に落として組織として行動しない限り、不正も事故もなくならない。不正はわからないけど、事故なんて起こしたくて起こしてる人なんてまずいないからね。
まあどこの現場を見ても、
「そんなことは必要ない。自分には自分のやり方がある。」
「そんなことをやっていたら、売り上げが上がらない。」
とかで経営層がいくら言っても、それを否定して、自分のやり方を通そうとして、結果的に
大事故になるか
大事故にならなくても、社内から退場していく、閑職に追いやられる
って人を山ほど見てきてる。エージェンシー問題の解決策のひとつでもある、
スチュワードシップ=仕事に対する自分の責任感
が希薄だし、
それで不祥事を自分が起こせば、許してもらえる
他人が不祥事を起こせば、不寛容にネット上で相手が潰れるまで叩き続ける
👉自由と権利を履き違えた無責任で幼稚な大人
なんだろうなと👀そんな輩が数十年かけて醸成してきた社会が、
今のこの国の成れの果て
世界で当たり前のガバナンスさえ定着せず、
標準の経営理論すら拒絶して、新しいモノも生み出せず、
生み出してるのは、いかがわしい理念と不祥事だけ。
自分たちに都合のいいグローバルとかって言葉は大好きなのに。
さてと、次回は
グローバルって言葉が出てきたところで、次回は、
について書く〜〜〜🕺オイラが高校生くらいの時までは、
国際=インターナショナル
だったのが、
国際=地球規模=グローバル
みたいに使われる単語(正確にはカタカナ語)が変わったんだけど、その
グローバル
って言葉自体が、
如何に田舎者丸出しな島国根性の憧れとイメージだけで語られていているか
を紹介してる章。キーワードは、
「やるこたぁそんなに変わらない」
「とりあえずグローバルってゆーときゃカッコいいと思ってるだけでしょ」
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