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第15回 三条クラフトフェア2024 in 槻の森 【収穫③】

マグカップは買わない、を過去のものに。

原則、私はマグカップを買いません。
少なくともこれまでは、一度たりとも。
私の陶器愛は日本茶愛飲家であることが
ベースになっているので、基本は湯呑み、
もしくはフリーカップしか買いません。
つまりハンドルやグリップは不要。
食器棚でかさばるし、洗いにくいしね。

でもこの器に出会って初めて
そんなルールなんてクソ食らえだ!と。w
それほど衝撃的な出会いでした。

店頭の集合写真最上段をご覧の通り、
私の買った作品は、あんなにゴツいハンドルが
付いていながら、カップ群の中では
比較的スマート?な部類。
他はカップ部分が二段重ね!になったものや、
ハンドルがバナナを模していたりと、
相当ブッ飛んだ作品が並んでいます。
この作者、どんな御仁なのか、気になりませんか?

美濃発、ドミニカ、イタリア経由のデザイン。

今日ご紹介する作家さんは佐合政昭さん。
この方、30代までみっちり美濃焼を学んだ後、
突如海外青年協力隊に参加。
なんのツテもアテもなくドミニカ共和国へと渡り、
陶芸指導をした経歴があるのだとか。

そこで彼の地の自由な発想やデザインに触れ、
「陶芸ってもっと自由でいいんじゃね?」
と触発され、数年後に帰国。
その後はスペインやイタリアなど
ヨーロッパ各地を転々としながら、
マティスやバスキアなど、様々な作家にも影響を受け、
現在の作風にたどり着いたのだとか。
どーりでどこにもない、
唯一無二の作風に仕上がっているわけです。

最近、こんな風に自由な作風の作家さんを
見かけることも時折あります。
でも意外とお絵描きタイプの方が多い印象が。
要は基本的な造形は割合普通なんだけど、
彩色の部分だけ凝ってたり抽象的というのが。
陶芸は土による造形と釉薬・彩色の総合アートであり、
なおかつ実用品だと思っている私としては、
それだけだとちょい物足りなくて。

その点佐合さんの場合、美濃焼で培った
そもそもの陶芸の技量があってこその作風なんだと。
とにかく造形にも彩色にも
見たことのないエネルギーが溢れています。
ご本人も「元気なときじゃないと作れない」
とおっしゃるほど。
そりゃそうだわな、こんなトンガッた作品、
普通の発想じゃ作れませんもの。

高い基礎力があってこそ、大胆無敵な器。

まあ、もう、素人目線によるレポートなんて
別にいらないですよね?
ご覧のとおりとしか言いようがありませんし。w
どの角度から見ても景色の違う造形をベースに、
カップの内側にも底裏にもデザインが溢れていて、
見飽きることがありません。

シンプルに見える彩色部分にも
何度も色が塗り重ねられており、
こんもり、ぽってり、厚みを感じるように
慎重に仕上げられています。

個人的には何をどう飲むときに使うのか、
大変悩みますけれど。
コーヒーは苦手なので、元気のない朝、
紅茶やスープをいただくときに使いましょうかね。

ちなみに佐合さん、冒頭の写真の通り、
オブジェの創作にも大変力を入れており、
私の前に来店されていた若いご夫婦は
主にそちらを購入されておりました。
うちの妻や娘もおそらくそっち派かと。

聞けばこのオブジェの制作にも大変時間と
エネルギーがかかるようで。
野放図に作っているようで地肩が強い、
ずば抜けたデッサン力があってこそのピカソ、
そんな風に例えるのは少し言い過ぎでしょうか。

今度関東圏で個展を開くそうなので、
芳名帳にちゃっかり住所と名前を記入してきました。
個人的に大変楽しみにしています。
一見そうは見えないのですが、佐合さん、
話し始めると止まらないタイプなので、
ゆっくり時間を作って伺いたいと思います。

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