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益子 春の陶器市2024/収穫③【最終話】

小難しい話の腰を折って申し訳ないけど。

菊地亨さんの作品です

テントを訪れたとき、その奥では
大変難しい会話が展開されていた。
何の話だったかははっきり覚えていないが、
昨今の戦争だとか政治だとか教育だとか、
どこまでが本当でどこまでが憶測なのか、
混沌とした内容だったように思う。

そんな二人の話をさておき、
私は棚にディスプレイされた器を手に、
一人声にならない唸り声を上げていた。
どうすればこんな複雑な色に焼き上がり、
何を思ってこのような形にしたのか。
あまりに割って入りにくい状況の
お二人には申し訳なかったが、
私は意を決して主に訪ねてみた。

どうしたらこんな景色と形になるのやら。

今日ご紹介するのは菊地亨さんの作品。
私の大した事ない撮影の腕前で
どこまで伝わるかわかりませんが、
とにかくめちゃくちゃ不思議の色合いです。

グリーンとブルーとそして濃淡の紫と。
それらが不思議に混ざり合い、溶け合い、
滴りながら個性的な表情を描いています。
ちょっと見えづらいかもしれませんが、
この横に並んでいた器もものすごく
不思議な色合いで、最後まで
どちらにするか迷いに迷いました。
その間もお二人の討論は続いていましたが。

悩みつつも最終的にこちらの器に決めたのは、
この独特のフォルム。
高さは約90mm。
ややほっそりと縦長のシルエットは
上下が細く、中央が膨らんだ形。
しかしその中央部分は歪に変形していて、
複雑でなだらかな凹凸を見せています。

この言葉では表現しきれないフォルムは、
なんだか有機的な、繭のような温かさを
感じさせてくれるとともに、
持ちやすいという実用性もしっかり。
ややザラリとした肌目と相まって、
手のひらとの相性も抜群です。

世の中には素敵な作家がまだまだいる証。

ようやくお二人の討論が終わり、
というか私が中断させたのだが。
昨今の陶器市についても
いろいろと興味深いお話を伺えた。
共感するところ大。
私自身も凝り固まっていないで
変わっていかなければと、
つくづく考えさせられた。
お二人のような難しい話は無理だけど。

それにしても、何年も何度も益子に
通っていたが、まだまだこんな素晴らしい
作家さんがひっそり出店しているんだなぁと、
つくづく感じた。
自分の目を節穴だとは思いたくはないが、
すべてを見渡せているわけでもない。
知ったかぶりしていないでいつも初心、
そう思わせてくれた春の益子でした!

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